投稿者: ユーザー通信

  • ユーザー通信233号7面 大阪上町機工会 定時総会を開催

    大阪上町機工会 定時総会を開催

    柳川会長が続投「カーボンニュートラル、DXをキーワードに世の中は進む」

    大阪上町機工会は6月10日、大阪市中央区のKKRホテル大阪にて、当初予定していた4月20日から延期し、2年ぶりとなる定時総会(2020年度・第70期)をリアルで開催し、感染症対策を万全とする中、関係者ら含め約20名が出席した。

    最初のあいさつで柳川重昌会長(㈱Cominix社長)は、「ピークとまではいかないにせよ、景況はかなり回復している。

    今夏の終わり、秋口にはピークを越えるバブルを期待している」とした上で、「コロナ禍があってもなくても、これからは2つのキーワードで世の中は進んでいく」として、次のように続けた。

    「ひとつは、カーボンニュートラルが思った以上に進むだろうという感覚。もうひとつは、全ての物事にデジタルを使っていこうというDX(デジタルトランスフォーメーション)だが、これは日本が最も弱い分野なので、目をつぶってでも進めていこう」。

    総会では事業報告、会計報告および会計監査報告、21年度(第71期)事業計画案などが審議、承認され、今回は役員の改選期にあたり、菊川遵氏(㈱宇野社長)が副会長に就任(前副会長の大西宏明氏は退任)し、新たに東照晃氏(㈱東商店社長)が理事に加わったほかは柳川会長含め全員が続投。

    改選後には7年目となる柳川会長が再びあいさつに立った。

    なお第二部では、政治学博士のロバート・D・エルドリッヂ氏による「国際社会における日本、関西の可能性」と題した講演会が開かれ、「日本にとって最も脅威なのは外的ではなく、人口減少など国内問題」等の見解を聴講した。

  • ユーザー通信233号7面 Web2021 山善親交会 動画配信

    Web2021 山善親交会 動画配信

    持続的成長に向け本格的に投資を実行(DX、グリーン成長、物流、自動化・省人化)

    山善(本社=大阪市西区立売堀)は6月7~11日の期間、本来は5月18日にリアル開催を予定していた『2021 山善親交会』を、大阪など各地の緊急事態宣言の発令を鑑み、Webによる動画配信に変更して行った。

    このうち、長尾雄次社長による2021年3月期(第75期)決算のポイントや今後の投資計画、佐々木公久専務による営業組織の全体最適等について語られた内容は、概ね、次のとおり。

    □  □  □

    前期は好調な消費材の売上構成比が上った。家庭機器の第3四半期においては巣ごもり消費に加えて暖房機器等の冬物季節商品が伸長した。

    生産財関連事業は大きな減収減益となったが、住建事業の増益、家庭機器事業が過去最高となる1千億円超えの売り上げを達成するなど生産財事業の大幅な落ち込みを下支えしたかたちとなり、およばずながらも、生産財と消費材による長年のダブルウイング経営が功を奏した。

    今後は持続的成長に向けて本格的に投資を実行していく。74期から78期にかけ600億円の投資枠を設定する中、大きく分類すれば、「DX」「グリーン成長」「物流」「自動化・省人化」といった4分野を中心に、現在確定している投資額としては180億円強。

    これら成長戦略を立案し実行していくための機構改革として、DXの取り組みを本格的に開始する「DX戦略部」、ES(エネルギーサービス)企業としての価値を最大化させる事業戦略を立てる「グリーンリカバリービジネス部」、工場等の設備を丸ごと請け負うSFS支社とロボット専門の販売部隊であるFAE支社を統合し、顧客とエンジニアを一元化する「TFS(Total Factory Solution)支社」といった3つの組織を新設した。

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    また特別講演として、慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 蟹江憲史教授による「地球の未来は待ったなし! SDGsが示す新たな成長戦略」が併せて配信された。

  • ユーザー通信233号4面 永崎将利社長の「宇宙商社語録」 Space BD

    永崎将利社長の「宇宙商社語録」 Space BD

    「昔ながらの商社」に憧れ、目指す

    「これ、儲からない仕事かもしれないけど、やってよ」とでも声がかかれば、「わかりました!」「何でもやります!」「手間、全部引き取ります!」と応えた。

    それが、私が憧れ、そして今もSpace BDで目指している「昔ながらの商社」です。

    Space BDは宇宙ビジネスに関して、メール1通、電話1本いただければ、「いくらでも汗をかきます!」という気概の者が集まっています。

    この動きの根源は私が憧れて入社し、11年間在籍した総合商社にありますが、「商社という業態はどれだけ儲かるべきか?」については、結構、議論のあるところだと思います。

    「昔ながらの商社」について考えたとき、私は、実際に現場の最前線で活躍し、現地の生の情報を得られるからこそ、「マーケットの機微がわかる」ことが強みだと思いました。
    (続く)

  • ユーザー通信233号4面 日本初「宇宙利用プラットフォーム」開発へ共創開始  Space BD

    日本初「宇宙利用プラットフォーム」開発へ共創開始

    Space BD

    ElevationSpaceに伴走

    『宇宙工場/宇宙建設』事業実現も視野に

    宇宙産業における総合的なサービスを提供するSpace BD(本社=東京都中央区日本橋室町、永崎将利社長)と宇宙ステーションに代わる小型宇宙利用プラットフォームを開発するElevationSpace(本社=宮城県仙台市、小林稜平社長/CEO)は、国際宇宙ステーション(以下、ISS)「きぼう」日本実験棟の運用終了後を見据えた、地球低軌道領域における宇宙利用プラットフォームの開発に向け、具体的な協業策について覚書を締結し、両社は、ポストISS時代の国際競争力のある宇宙利用プラットフォームの実現に向け、本格的に協議を開始した。

    この取り組みでは、ElevationSpaceが開発する宇宙空間での実験や製造を可能にする小型宇宙利用プラットフォーム『ELS-R』を活用する。ELS-Rは、宇宙の特徴である微小重力環境でのサイエンス研究や地球では不可能な高品質材料の製造を実現、その成果物を地上まで持ち帰ることができる。

    ElevationSpaceが取り組む世界有数の技術である「地球再突入技術(大気圏で燃え尽きず、地球に帰還させる技術)」を、Space BDが主軸事業の衛星打上げサービスなどで培った知見をもとに、2022年度後半に予定されている技術実証に向けて事業開発面、技術面の両面からサポートする。

    さらにElevationSpaceが25年度以降に予定している実際のサービス開始に向けても、Space BDが国内外に広がるネットワークを駆使し、需要を開拓していく。

    「ポストISS時代」の課題見据え

    これらの計画を経て両社は、ElevationSpaceが掲げる宇宙工場事業および宇宙建築事業の実現を見据えたポストISS時代の安心な宇宙空間利活用の実現課題に挑む。

    また両社は、Space BDが21年5月に国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)より民間パートナーとして選定を受けた、ISS「きぼう」船内での、高品質タンパク質結晶生成事業においても協力体制を構築している。

    同事業では今後、Space BDの需要開拓活動やサービス品質向上のための活動にElevationSpaceが伴走していき、そこで獲得した知見はELS-Rのユーザビリティ向上に活用していく。

    東北大研究室からスピンオフで今年2月設立(ElevationSpace)

    なお、ElevationSpaceは、今年2月に東北大学吉田・桒原研究室からのスピンオフで設立された宇宙スタートアップであり、研究室でこれまで開発してきた10機以上の小型人工衛星の知見を活かし、人工衛星内で実験や製造などを行うことのできる小型宇宙利用・回収プラットフォーム ELS-Rを開発している。

    同社のCTO(最高技術責任者)には、超小型衛星の開発を専門とし、これまでも民間企業との事業開発経験を有する、東北大学大学院 工学研究科 航空宇宙工学専攻・桒原聡文准教授が就任している。

     

  • ユーザー通信233号4面 未来のリーダー人材育成を目指す「宇宙教育プロジェクト」を開始 クラーク国際高

    未来のリーダー人材育成を目指す「宇宙教育プロジェクト」を開始 クラーク国際高

    高校生主体の衛星打上げ・運用の挑戦をSpace BDが支援

    クラーク記念国際高等学校(以下、クラーク国際高)と、国立大学法人 東京大学大学院工学研究科、Space BDは7月1日、東京・日本橋室町の「X-NIHONBASHI TOWER」を会場に、高校生を主体とした人工衛星開発・打上げの実現および宇宙をテーマにした探究学習プログラムの開発による「宇宙教育プロジェクト」開始の発表会を行った。

    山崎直子氏がプロジェクトアンバサダーに就任

    クラーク国際高開校30周年記念事業の一環として同プロジェクトは、アンバサダーに宇宙飛行士の山崎直子氏を迎え、東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 中須賀真一教授指導、「宇宙商社」Space BD支援の下、独自のカリキュラムを通じて、未来の社会で活躍するリーダーの育成を目指す。

    「高校生主体」は今回の会見にも反映されており、同校の生徒4人がMCや登壇者として進行を務めた。そのうちのひとり、宇宙探求部 国際広報部の甘露寺さくらさんは、「このプロジェクトのきっかけは、山崎直子さんからのアイデアがきっかけとなり『高校生でも人工衛星を飛ばせる』という言葉をいただきスタートしました。同じ女性として、宇宙に行かれた経験を持つ山崎さんにアンバサダーとして就任いただけたことは、大変嬉しいです」と話し、山崎氏にコメントを求めた。

    それを受け山崎氏は、「宇宙を目指すのは、大変で難しい。難しいからこそ、きっとその過程で多くの学び、喜びがある」旨述べ、続いてSpace BDの永崎将利社長も、「こういった大きなプロジェクトの発端は、やはり人の情熱であり、縁だと思う」とコメントし追随した。

    宇宙教育プロジェクトでは衛星開発・運用、ミッション実行を通じ、宇宙開発への興味・関心と宇宙視点で様々な課題解決の達成に向けた生徒たちの主体性を育てるとともに、未来の社会で活躍するリーダー人材育成に不可欠な非認知能力を伸ばしていく教育プログラムの開発を目的とし、具体的には次の目標に向けて挑戦する。

    『クラーク衛星1号機』開発・運用/『宇宙探求部』創設/『宇宙探求学』授業実施

    2020年度に予定している第1回目の打上げにおいては、プロジェクトの第一段階として、高校生による衛星『クラーク衛星1号機』(仮)の開発と軌道上での運用を目指す。

    また、在籍する1~3年生を対象とした部活動『宇宙探究部』を創設し、「衛星開発チーム」と、宇宙開発の魅力を社会に伝える「国際広報チーム」、人工衛星の運用を行う「宇宙ミッション実行チーム」に分かれ、生徒の宇宙への興味関心を深めていく。

    さらに、東大との学術指導制度により、中須賀教授から宇宙を題材にして行う探究学習についてのアドバイスを受け、独自の探究学習プログラムとして、宇宙をテーマにした「宇宙探究学」(仮)を構築し、全生徒へ向けて授業を実施する。カリキュラムは23年3月末完成予定。

  • ユーザー通信233号4面 「宇宙交通管理」実現など軌道上サービスへの各国取組に期待 アストロスケール

    「宇宙交通管理」実現など軌道上サービスへの各国取組に期待

    アストロスケール

    持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(=宇宙ゴミ/以下、デブリ)除去サービスを含む軌道上サービスに取り組むアストロスケールホールディングス(本社=東京都墨田区錦糸、岡田光信創業者 兼 CEO)は、英国コーンウォールで6月13日に閉幕した主要7ヶ国首脳会議(G7サミット)において発表された宇宙に関する共同声明への支持を表明した。

    このG7共同声明においては、日本、米国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、英国そして欧州連合(EU)の首脳が、安全および持続可能な宇宙利用の重要性を認識し、全ての国に対して、次世代のための宇宙環境の保全と、宇宙交通管理(Space Traffic Management)の実現に向けた協働の重要性を呼びかけている。

    アストロスケールの岡田創業者 兼 CEOは、 「今回のG7の宇宙の持続可能性に関する共同声明は、宇宙環境を保護するために、デブリ除去や軌道上サービスに係る官民の取り組みを歓迎し、その重要性を認めるものだ。

    G7が安全で持続可能な宇宙利用を取り上げたことは、この課題について国際社会が一丸となって対処すべきとの合意形成の現れと認識している」とした上で、「今般の共同声明をきっかけに、宇宙活動に関する共通ガイドラインの策定や商業的なデブリ除去や軌道上サービスの実現に向けて、日本を含む各国がより積極的に具体的な取り組みを進めることを期待する」と述べている。

    国内のルール案策定にタスクフォース会合開催中

    日本国内では、関係する各府省が連携してデブリ問題に取り組むことを目的とし、2019年から「スペースデブリに関する関係府省等タスクフォース会合」が開催されている。

    このタスクフォースの下、内閣府が主導し、20年12月から、軌道上サービスに共通して適用される国内のルールについて議論がなされてきた。今年5月に開催された第5回会合においては、「軌道上サービスに共通に適用する我が国としてのルールについて」および「軌道上サービスを実施する人工衛星の管理に共通に適用するルール案」の内容が共有された。

    具体的には、今後、政府における必要な手続きを経た上で、軌道上サービスを行う人工衛星の管理の許可申請に関する審査基準を解釈・運用する要領としての整備やこれを含むガイドラインとしての公表が予定されている。

    同議論には、アストロスケールも事業者の立場から参画し、ルール案の作成に貢献した。引き続き、日本政府が軌道利用やデブリ問題に関して産官学の取り組みを積極的に進めることを期待するとともに、こうした国内のルールが国際的ルールとして形成されていくことを期待している。

    アストロスケールは、スペースサステナビリティーを実現するために複数のサービスを開発しており、今年3月に打上げ・軌道投入に成功した、アストロスケールのデブリ除去技術実証衛星『ELSA-d』(エルサディー)は、現在低軌道(LEO)で運用を続けており、この夏、ランデブ(人工衛星・宇宙船等が互いに接近すること)・近傍運用、分離・捕獲といった、一連の複雑な実証実験を行う。

    また先月は、24年までのデブリ除去サービス商用化に向け、OneWeb社(本社=英・ロンドン)をパートナーに、英国宇宙庁(UKSA)より技術革新加速のための資金提供を受け取ったことを発表した。

  • ユーザー通信233号3面 10/1 統合新会社 「フルサト・マルカHD」始動

     

    10/1 統合新会社

    「フルサト・マルカHD」始動

    売上高1600~1700億円のボリュームからスタート、2025年目途に営業利益20億円ベース見込む

    6月25日に行われたジーネットおよびフルサトグループの決算関連報告(※本紙2面参照)の場では、5月7日に発表されたフルサト工業とマルカ(本社=大阪市中央区南新町2丁目)との共同持株会社設立による経営統合についても説明がなされ、古里龍平社長は概ね、次の内容を語った。

    今年10月1日をもって、株式移転の資本により、共同持株会社「フルサト・マルカホールディングス株式会社」を設立し経営統合する。

    海外のオペレーションではマルカが圧倒的に強いことから、英語表記では「MARUKA FURUSATO CORPORATION」とし、現マルカ社長の飯田邦彦氏が会長に就き、社長は古里社長が兼務する。

    株式移転比率として新会社1株につき、フルサト工業1株:マルカ1・29株の割り当てとなる。

    本社所在地はフルサト工業本社、会計基準は日本基準。

    マルカは工作機械を中心とした産業機械、建設機械を直接、大手中心にユーザーに販売する機械系商社であり、中でも特長的なのは、海外営業基盤ネットワーク(北米・アジアに23拠点)に強さを持つのが特長であり、売上高構成にして3~4割の比率を持つ。

    「両本社間300m」の縁が育んだ新展開

    これまでも両社は、DMG森精機の代理店同士としてなど、様々な場面で接点はあった。また蛇足ながら、両本社間は信号2ヶ所を経て約300mしか離れていない「ご近所さん」としても縁があった。

    そんな両社では兼ねてより経営幹部同士による会議がもたれることもあり、同じ業界で規模的にも似ていることから、「何か協業はできないか」と模索する中、「非常に補完的な関係になれるのではないか」と感じるようになった。

    昨年の秋口頃からは、実質、経営統合への機運が高まり、対等な精神に基づいた経営統合を古里社長側から提案し、昨年12月には両社FA(ファイナンシャルアドバイザー)を指名し、法的にも統合の詳細を詰めていった。

    その背景には、将来にわたり、取り巻く経営環境の激変下での生き残りを常々考える中、マルカもまた然りだった。

    外部環境では、気候変動・環境変化、社会問題・地域格差、政情不安・経済影響、EV化・クリーンエネルギー、自動化・生産効率、消費行動変化・循環経済といった果たさなければいけない責務が多様化し、難易度が上ってきている中で、フルサトグループの売上高で約1千億、マルカで600億円規模の会社それぞれが、別個に必要な対応をとりながら成長を続けることができるのかが、大きな課題であった。

    その過程で、今後成長するためには、様々な新たな課題への取り組みが不可欠であり、例えば、自動化ソリューションや環境対応ビジネスなどを想定し、これまで結構長い期間、パートナーシップの検討を行ってきた中で、多かったのは買収案件だが、マルカとは相互補完が、ある意味完璧に行えるベストマッチなのではないかと感じた。

    相互にないものを相手が持っている、マルカの強みは60年におよぶ海外営業基盤

    マルカグループの強みは、60年におよぶ海外営業基盤、自動車産業との強固なつながり、独自のメーカー機能、MM会、F-MM会(食品関係)組織の活用、海外進出のサポートなど物売りではないサービスの機能も保持している。

    一方、フルサトグループは、建築資材における強固な事業基盤、岐阜商事を通じたトヨタ系ティア1各社との取引による強い絆、フルサト工業はメーカー機能を持ち、ジーネットではエンジニアリング機能を保持し、機械・機器における卸を中心としたサプライチェーンがすでに構築されている、といった強みがある。

    逆に、フルサトグループのウィークポイントをわかりやすく挙げれば、海外営業基盤となる。

    これはかつて、ジーネットとフルサト工業がグループ化した2000年に、債権を優先するがためにジーネットの海外拠点を全て売却した。債権のドメインをできるだけ小さくするためだったとはいえ、「海外は一度捨てた」といえる。

    片やマルカグループは海外営業基盤が既成ではあるが、弱点としては産業機械、建設機械を中心とした非常に業績のボラティリティ(変動率)が高い会社であり、設備投資連動で売上が大きくアップダウンする。

    反面、フルサト工業は建築資材という非常に細かい商売であり、ジーネット、岐阜商事についても工具などは、どちらかといえば設備投資連動よりは鉱工業指数連動だといえる。

    そんな両社が統合すれば、安定化した売り上げの補完がなされる。片側の弱点を片側が補完する、どちらも注力しているところはさらに強くなる、という構図ができるのではないかと考えた。

    技術商社としてのプレゼンスを確立

    共通の経営観は「ユニーク」「相互補完が完璧に行えるベストマッチ」(古里社長)

    両社の経営に対する考え方として、ともに「ユニーク」をキーワードとしている。マルカは「Unique Solutions」をモットーとし、フルサトグループは「Uniqueな発想による価値創造経営」をポリシーとする。これが統合することにより、技術商社としてのプレゼンスが確立すると考える。

    ビジネスモデルとしては、ユーザーに最適価値を提供する「プラットフォーム戦略」を推進する。同戦略は元来よりフルサトグループが進めてきたが、そのセグメントの青写真を持ちながら、社内育成に努めていく上で、足りない部分については、外部からファンクション(機能)を買収していくという戦略をとってきた。5年前のセキュリティデザインの買収は、その最たる例である。

    このように、まずプラットフォームをつくり青写真を共有して、そのプラットフォームに適した会社が合流することについてはウエルカムであるという姿勢を今後も続けていく予定。

    EV関連事業、自動化・省人化、環境・省エネ、食品機械、グローバルマーケットといった5つの分野に注力し、今後、経営資源を優先的に配分しながら展開していく。

    また、両社は工作機械/産業機械で一定の国内規模を有しており、重複しないブランドではクロスセルでラインナップの拡大、コスト低減を図り、重複するブランドではメーカー内取扱量拡大でメリットの発生を見込む。

    ユーザーに最適価値を提供する「プラットフォーム戦略」をさらに推進

    ロボットSIer事業での早期シナジー期待

    さらに、両社が有するロボットSIer機能の統合で対応力強化、エリア拡大を図るなど、何よりも早くシナジー効果が表れやすいのがロボットSIer事業だと期待される。
    その他、国内外拠点網の相互活用(フルサトグループの製造・物流国内拠点128ヶ所、マルカの海外23拠点網)、ヒューマンリソースの最適配置、成長分野への集中投資を通じ、キャッシュフロー創出力を向上する。

    将来的には最も効率的な事業再編を想定

    なお、統合ストラクチャーは共同株式移転による持株会社化で、現在の両社の株主は10月1日を以てフルサト・マルカHDの株主となる。9月末でフルサト工業、マルカ両社ともに上場廃止となり、10月1日付でフルサト・マルカHDが上場し、その傘下がフルサト工業とマルカとなる。フルサト工業の子会社であるジーネット、岐阜商事、セキュリティデザインはフルサト・マルカHDからすると孫会社の気付になるが、現状でのオペレーションは企業ごとに行うため、親・子・孫の位置付けは実質的には関係はないものの、将来的には内容によってシャッフルし、最も効率的な事業再編を行う想定する。

    * * *

    古里社長によれば、「経営統合により売上高で1600~1700億円のボリュームからスタート。ものづくりを全力でサポートする技術商社として、2025年度を目途に、連結営業利益ベースで20億円程度のシナジー効果が発現する見込み」だと、質疑応答に答えるかたちで付け加えた。

  • ユーザー通信233号2面 全セグメント減収も セキュリティ事業が大幅増収 ジーネット・フルサトグループ 決算報告

    全セグメント減収も

    セキュリティ事業が大幅増収

    ジーネット・フルサトグループ 決算報告

    6月25日、ジーネットおよびフルサトグループの2021年3月期(20年4月1日~21年3月31日)決算関連報告が、今回は感染対策としてリモートオンリーで開催され、同社本社ビル(大阪市中央区南新町1丁目)から、古里龍平社長と大谷秀典常務が会見に臨んだ。

    売上高は前年比14・5%減収の894億7800万円。営業利益は同30・1%減益の27億7800万円。EPS(1株当たりの利益)は133円53銭(前年比31・1%減)。同社は配当性向を30%と決めているため、1株配当金は40円50銭と18円減配した。

    その反面、総資産が圧縮されたことによって、自己資本比率は66・20%と改善している。

    「売上が3分の1減ってしまった」(対前年151億4千万円減収、対計画達成率97・4%)と切り出した古里社長は、決算内容を概ね次のようにまとめ、説明した。

    ◇  ◇  ◇

    セグメント別売上高では、機器工具は前年比8・3%減収の455億3400万円。本来ならもっと減少しているであろうと考えられるが、唯一好調だったのがセキュリティ事業であり、前年比59・8%増収と順調に売上高を伸ばしているように見えるが、これは、瞬間風速。カメラで体温測定する仕組みが一般的に普及し、コロナ禍の下で最低限準備できるものがサーマルカメラだった。

    これが爆発的な販売を見せた結果、機器工具全体ではなんとか8・3%の減収で踏みとどまった。

    同じく機器工具内の事業別売上高では、工業機器(ジーネットの工具類)は前年比10・5%減収。

    一時期、トヨタを中心に中部エリアの自動車産業が購買を急激にストップしたことにより自動車向け機械工具(岐阜商事)が26・8減収と想定以上に減少した。

    住宅設備機器は下期中心に回復し、3・3%減少で留まった。

    機械設備セグメントの売上高は30・8%減収の143億2千万円。下期に若干の改善傾向が見られたが大きく苦戦し、全セグメント中で最も足を引っ張った。

    工作機械の売上高は前期末受注残落ち込みの影響で大幅減収、通年での受注は前期比13・1%減少したが、足元の状況は、前年をそれなりに超えるような受注を確保でき始めている。

    フルサト工業の分野である建築配管の売上高は下期も減少傾向で、13・6%減収の296億2400万円となった。

    東京五輪の需要が一巡し、かつ五輪期間中には建物の竣工はないといわれ、昨年6月あたりから工事はなくなった。

    加えて五輪開催自体が延期となったため、五輪終了後に着工予定だった案件も先延ばしとなり、その過程でのコロナ騒動でインバウンド狙いだった建築物は需要そのものが消失し、建築需要が大きく落ち込んだまま期を終えることとなったが、販売商品の単価がどうにか維持されたゆえに、売上高の落ち込みはこの程度で済んだのが現実。

    販管費および一般管理費では、売上減収に伴い運賃・荷造費が9600万円減少。一昨年に貸倒計上した大型機械の未回収案件が最終的に和解し全額回収されたことにより、貸倒引当戻入額が1億7100万円増加した。

    また、子会社のセキュリティデザインの元社長(創業者)の退任(今年6月から古里社長が兼任)にあたり、役員退職慰労金支払等により人件費が1億6300万円増加した。

    今期(22年3月期)の業績見通しについては、まだ情報開示を控えている。理由は、新型コロナの影響が継続する中で各セグメントの見通しが極めて不良であることに加え、マルカとの経営統合(※本紙3面参照)における決算期の変更によるもの。

    ◇  ◇  ◇

    続いて大谷常務から営業戦略として、簡単解決カタログ、EGSolutionカタログ、新斬MONOカタログ、TOKU通、ワーク着脱ハンドリングシステムチラシ、かんたん解決 SDGs編、ギガ新製品のエアータンク・安全棚・パーツクリーナー、ウエビナーアーカイブといった各種セールスツールや新製品、システムについての案内、解説が行われた。

  • news-高硬度鋼旋削加工用コーテッドCBN材種「BC8210」発売 三菱マテリアル

    高硬度鋼旋削加工用コーテッドCBN材種「BC8210」発売 三菱マテリアル

    連続・弱断続加工に、高速加工で抜群の工具寿命を発揮

    三菱マテリアル 加工事業カンパニー(本社=東京都千代田区丸の内、田中徹也カンパニープレジデント)は、高硬度鋼旋削加工用コーテッドCBN材種『BC8210』の販売を開始した。

    BC8210は、高硬度鋼旋削加工の連続切削加工から弱断続切削加工に適しており、主に高速領域において、耐摩耗性、耐欠損性を発揮し、長寿命を実現するコーテッドCBN材種である。

    高硬度鋼の旋削加工では、加工中にクレータ摩耗が進行しやすく衝撃でチッピング、欠損することがある。BC8210は特に高速切削条件において、優れた耐逃げ面摩耗性、耐クレータ摩耗性、耐チッピング性を発揮し、安定加工を実現する。主な特長は、次のとおり。

    ①衝撃を和らげる新開発のAlCrSiN系コーティングと、耐摩耗性に優れるTiAlSiN系コーティングの組み合わせにより、連続から弱断続切削で安定した耐摩耗性を発揮。

    ②CBN基材に「超微粒バインダー」と微粒cBNを分散することで、クラックの進展を抑制し、切削時の突発欠損を防止。

    ③耐熱バインダーの採用により、クレータ摩耗の進行を軽減し、チッピングや欠損を抑制。

  • news-「CoroPlusⓇ マシニングインサイト」日本市場で導入 サンドピック

    「CoroPlusⓇ マシニングインサイト」日本市場で導入 サンドピック

    工場の効率性と総合設備効率を改善する製造データ分析

    サンドビック・コロマント(本社=名古屋市名東区、山本雅弘カンパニープレジデント)は、機械や工具の稼働率、機械の停止原因やアラーム情報にリアルタイムにアクセスし視覚化する『CoroPlusⓇ マシニングインサイト』(以下、マシニングインサイト)を日本市場で導入した。

    マシニングインサイトは、サンドビック・コロマントが提供するデジタルソリューション「CoroPlusⓇ」のシリーズに属する製品であり、従来は手作業で行っていた機械の稼働状態、停止の時間やその原因、ワーク加工数、アラームの発生状況などのデータ収集をデジタルで一元化している。

    これにより、リアルタイムで機械のさまざまな情報をタブレットやパソコンなどで確認でき、ダウンタイムを大幅に低減、生産プロセスを最適化することが可能となり、工作機械などの設備をネットワークに接続し、暗号化されたインターネット通信経由でマシニングインサイトのウェブサイトにデータを送ることで、手元のタブレットやパソコンでデータを閲覧・確認する仕組みになっている。

    マシニングインサイトにはさまざまなダッシュボード(情報の一覧画面)やレポートが集約されており、代表的なものでは、機械の稼働状態が一目で確認できる。

    「機械稼働率ダッシュボード」画面では、加工現場の作業がリアルタイムで可視化され、製造上の出来事や中断が強調表示されるなど、設備稼働率、生産状況、生産性および資産状況がモニターでき、容易に管理できるほか、ワークに関する情報を確認できる「パートアナリシス(ワーク分析)」画面、工具の使用状況が確認できる「ツールインスタンス」画面などがある。

    利用できる機能やレポートの内容別に3種類のパッケージ(シルバー/ゴールド/プラチナ)を用意し、ユーザーのニーズに応じた選択が可能となっている。

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