カテゴリー: ユーザー通信 WEB版

  • ユーザー通信221号 8面:OSG Web Showroom チャット機能などユーザーとのコミュニケーションを重視

    OSG Web Showroom

    チャット機能などユーザーとのコミュニケーションを重視

     

    新型コロナウイルス感染拡大の影響により、多くの展示会が中止もしくは延期となったうえ、東京五輪の開催延期に伴い、展示会の会場確保が困難になるという問題も生じている。

    そんななか、オーエスジー(本社=愛知県豊川市)は、アフターコロナ・ウィズコロナの世界では時間や場所に縛られることのないデジタル体験が重要視されると考え、オンライン展示会『OSG Web Showroom』を企画し、同社ホームページ上の特設サイトにて、7月1日より公開した。

    新製品展示中心に10アイテムでスタート

    OSG Web Showroom(以下、Web Showroom)は、期限は定めず、常設に近い感じで運営が予定されており、まるでブースに展示された製品を眺めるように、Web上でカタログや動画といった製品情報にアクセスできる。新製品展示を中心に10アイテムでスタートしており、今後新製品発売のタイミングをみて、入れ替えを考えているという。

    しかし、それだけではユーザーに新しいデジタル体験を提供したとはいいきれない。オーエスジーは展示会を「お客様とのコミュニケーションの場」であると捉え、一方的な製品のPRではなく、ブースを訪れたユーザーとの対話、商品を手にとって対面でのやりとり、情報交換こそが、展示会に出展する価値だと認識する。

    そのため、このWeb Showroomでもユーザーとコミュニケーションをとることができるチャット機能を用意し、ブース内のスタッフと会話するような気軽さで、工具や加工に関する相談ができる。

    有人チャットの対応は専門知識を持ったカスタマーサポートスタッフが担当し、工具選定や切削条件の算出だけでなく、加工方法や機械搭載などの幅広い問い合わせに対応できる体制を整えており、チャットボット機能(AIを活用した自動会話プログラム)により検索情報にも素早くアクセスできる。

    オンラインセミナー7月後半は22日・29日

    また、展示会では多くのセミナーも開催されるため、教育の場としての側面も重要であるが、新型コロナウイルスの影響を受け、対面型セミナーや地区講習会なども軒並み中止せざるを得ない状況となっており、新しい教育の場が求められている。

    そこで、Web Showroomでは、Zoom(ビデオ・Web会議アプリケーション)を使用した無料オンラインセミナーの開催、拡充に注力し、Web Showroom経由のみならず、各地区の営業が企画する地域特性を生かした地区講習会や販売店向け・ユーザー向けといった個別セミナーも、今後はWebセミナーでも開催していく(Zoom使用ではカメラやマイクといった特別な機械は必要なく、普段使っているパソコンまたはスマートフォンから視聴可能)。

    Web Showroom経由のWebセミナーでは、工具の開発エンジニアが講師を務め、最新工具を使用した新しい加工提案を行い、チャット機能により質疑応答にも対応するため、東京や大阪などの会場に足を運ぶことが難しい地方に在住するユーザーにも、場所を選ぶことなく受講可能なセミナーとなっている。

    なお、7月後半のWebセミナー開催スケジュールは▽7月22日(水)「高硬度鋼用底刃付きスレッドミル AT-2の紹介」▽7月29日(水)「AAA(A-TAP、A-DRILL、A-ENDMILL)の紹介」を予定している。

  • ユーザー通信220号 8面:1月/TCTJAPAN2020 未収録Playback篇

    1月/TCTJAPAN2020 未収録Playback篇

    立花エレテックを感じに、3Dプリンタによるものづくりでの「シンギュラリティ」に挑戦!

    東京ビッグサイトで今年1月29日~31日の3日間、4万7千人超が来場(同時開催展含む)した国内最大の3Dプリンティング総合展「TCT JAPAN 2020」に、『Kansai-3D実用化プロジェクト』が初出展した。

    ブース出展(8ブース)のうち、実用化に挑戦する支援企業6社の販路開拓を支援するとともに、プロジェクトのPRを図り、講演についても立ち見が出るほどの盛況ぶりをみせた。

    海外では国レベルで3Dプリンタに関する取り組みが行われているが、日本ではどうだろうか。

    平成26年度から30年度までの5ヶ年事業として、内閣府のSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)や経済産業省が中心となっていたTRAFAM(技術研究組合次世代3D積層造形技術総合)で素材や装置などの開発が進められ、現在はグローバルにおいて加速する3Dプリンタによる最終製品の造形という流れに少しでも追い付くため、新たな政策がまとめられている。

    さまざまな分野での「新たなものづくりの変革モデル」を創出

    そのような中、2019年1月に、近畿経済産業局から発表されたのが、「3D積層造形によるものづくり革新拠点化構想」であり、この構想では企業における3Dプリンター活用のための課題対応や、先端的な技術開発支援のため、産学官連携による広域ネットワークを構築。3D積層造形を活用した新たなモノづくりの普及を目指す「3Dものづくり普及促進会」(Kansai-3D実用化プロジェクト)と連携している。

    同会の会員は3D装置メーカー、装置代理店、レンタル事業者、サービスビューロー等。この中で、電機・電子技術商社のリーディングカンパニーとして名高い、立花エレテックが、いわゆる「幹事」(事務局)を務めており、TCTの出展ブースで同社担当者は、「まずは『情報屋』として使っていただきたい」とふれた。

    同会は、立花エレテックの本社(大阪市西区西本町)に設置予定の実用化拠点を中心に、ロボット、機械、医療機器分野等のさまざまな分野での「新たなものづくりの変革モデル」を創出し、25年の国際博覧会(大阪・関西)につながる未来の技術開発に挑戦している。

    例えば、兵庫県立大学では19年6月に金属の新素材研究センターを開設し、素材メーカーと連携し実用化に向けた新素材開発研究を展開している。

    3D積層造形によるものづくり革新拠点化構想では、「初心者から上級者向けの3D造形基礎演習&試作トライ&実用化トライに向けた装置導入支援」、「中級者から上級者向けの3D造形技術開発支援」、「評価・分析、上級者向けの3D造形等の開発支援」の3段階に分かれてることが注目に値する。
    TCT JAPANの会場ではほかにも、次のような見解が拾えた。

    3Dプリンタについては、かなり昔から使っている企業もあるが、AIと同じく、先行者はどんどんと先進的な取り組みに邁進してもらい、そこで失敗と成功のノウハウを積むことで、3Dプリンタに関する様々な事柄が普及していく。

    そんな中、2019年には神奈川県座間市のプロトラボズ社が、金属3Dプリンタの受託製造サービスを開始しており、3DCADを使わずに部品設計や製品開発を希望する発注者、2次元図面はあるが3DCADデータを作成できない発注者に対しても同社の提供するサービスが活用できる。

    このようなサービスビューローに依頼する場合は、3DCADを使えない発注者でも発注できるよう支援している場合は多く、また、設計についても「3Dプリンタならではの設計」がわからなくても、ソフトウェアメーカーが3Dプリンタによる最適設計を支援するソフトの提供などが、3Dプリンタでものをつくるきっかけになりやすいと考えられる。

    このように日本でも、3Dプリンタでのものづくりに「まずトライ」出来る環境は、そこそこ揃っている。「〇〇がないから・・・」ではなく、一歩を踏みだしてみることが必要だ。

    フードプリンタで「3Dプリント寿司」開店

    最後に、もう少し先の3Dプリンタの可能性を見れば、農林水産省が「3Dフードプリンタ」の影響と可能性の調査を行っている。

    従来とは異なる調理方法によって、環境問題や人手不足などの社会問題の解決や、これまで両立の難しかった「便利かつ楽しい」といった価値の提供を実現できる可能性があり、その特長は「柔軟性」「再現性」「カスタマイズ」「オンデマンド」である。

    たとえば、オンデマンドの特長を活かした災害食市場、柔軟性を活かした介護食市場といったところに可能性がある。さらには、自分の健康情報を事前に提供すると、その情報をもとにパーソナライズ化させたお寿司を食べることができる、なんと「3Dプリント寿司」が開店予定など、3Dフードプリンタの事業化に向けた取り組みが始まっているという。
    (※1月29日取材時点)

  • ユーザー通信220号 7面抜粋:ミツトヨ 宇都宮事業所に提案型ソリューション棟がオープン 国内外最大規模の「M3 Solution Center」の活動開始

    ミツトヨ

    宇都宮事業所に提案型ソリューション棟がオープン
    国内外最大規模の「M3 Solution Center」の活動開始

    ミツトヨ(本社=川崎市高津区、沼⽥恵明社長)は、栃木・宇都宮事業所再開発計画の1次工事のひとつとして、ショールームの機能拡充と校正事業の強化を目的に、新しく地上3階建てのソリューション棟を建築した。

    M3 Solution Center UTSUNOMIYA(エムキューブ・ソリューションセンタ・宇都宮)は、2003年5⽉から宇都宮事業所内に三次元測定機を始めとする商品実演や最先端の計測技術を提案できるショールームとして活動していたが、このたび、国内外最大規模のM3 Solution Center UTSUNOMIYAとして、ソリューション棟の1階と2階に移転し、ユーザーへより良い提案型のソリューションサービスの活動を開始している。

    宇都宮事業所は1944(昭和19)年に精密測定機器の生産拠点として操業を開始し、現在では、測定工具の中のノギス、ハイトゲージ、最先端技術を駆使した三次元測定機、測定機器・工作機械等の位置決めをするリニヤスケールを生産する同社最大の生産拠点である。

    この宇都宮事業所内に設置したM3 Solution Center UTSUNOMIYAの特長は、他の国内同センター(川崎・諏訪・安城・住之江・呉・博多)にはない大型三次元測定機や測定機器を展示しており、さらに測定機器の製造工程を測器工場・MC工場・清原工場の3工場を⾒学できる点。
    また、ソリューション棟には、ユーザーの測定器を預かり校正業務を行うキャリブレーション・ラボが併設されており、ここも新たな試みとして見学できるようになっている。

    さらに、最先端測定機器を市場動向に応じ提案する「Concept Zone」を設置し、単に見学するだけのショールームではなく、ユーザーの計測に関する課題を測定機器の実演を通じて解決し、提案する場として利⽤できるよう、顧客満足を実現する能動型にソリューション提案を提供する営業拠点として積極的な活動を展開していく。

    なお、M3 Solution Centerの先頭文字「M3(エムキューブ)」は、「Mitutoyo(ミツトヨ)」、「Measurement(測定)」、「Metrology(計測技術)」の3つのMを表している。

    【ソリューション棟の建設概要】▽構造/規模=S造/地上3階▽建築面積=2650㎡(延べ⾯積6849㎡)。

    【M3 Solution Center UTSUNOMIYAの概要】▽展示⾯積=1741㎡(1階と2階)▽1階=商品展⽰スペース▽2階=応接スペース▽展示点数=1050点(測定⼯具は除く)▽展示商品=測定工具、計測機器、Cocept Zone(最先端測定機器を市場動向に応じた内容にて提案)▽展示商品の価格=約6億円▽装飾への投資(内装)約3億円。

  • ユーザー通信220号 5面抜粋-3:ローカル5Gで自律走行型ロボットを遠隔操作 DMG森精機 伊賀事業所で NTT Comと共同実験開始

    ローカル5Gで自律走行型ロボットを遠隔操作

    DMG森精機 伊賀事業所で
    NTT Comと共同実験開始

    DMG森精機とNTTコミュニケーション(以下、NTT Com)は、ローカル5Gを活用して、測域センサなどを用いた無人搬送車に人協働ロボットを搭載し、軌道レールなしに走行可能な自律走行型ロボット(以下、AGV)の遠隔操作などを行う共同実験を、今年5月からDMG森精機 伊賀事業所で開始している(実験期間は来年4月まで)。

    ローカル5Gは、携帯電話事業者による5Gサービスとは別に、地域の企業や自治体などが自らの建物や敷地内で5Gネットワークを構築し利用可能となる。

    「超高速」「多数同時接続可能」「低遅延」などの特性をもつローカル5Gを活用することで、高精細な位置情報・詳細な稼働情報取得による自動走行の精度向上や安全性向上、エッジコンピューティング側でのデータ処理負荷軽減による車体の軽量化など、AGVの高性能化への寄与が期待されており、両社は同実験を通じてその実現可能性を検討する。

    DMG森精機は、ユーザーが10年、15年と工作機械を使えるよう、計測、稼働監視、センシング機能などさまざまなデジタルソリューションを提供してきた。特に近年は変種変量・多品種少量生産の実現、また生産性向上、スキルの標準化など、ユーザーの生産現場が求められるニーズは大きく変化しており、自動化設備を検討されるユーザーが増えている。

    超高速・多数同時接続可能・低遅延な通信環境を実現するローカル5Gを用いてAGVの稼働実験を行うことで、同社製品の高機能化の実現に期待をしている。

    NTT Comは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて、工場を有するユーザーの課題を解決する「Smart Factory」を重点領域の一つとして推進している。

    その実現に向け、ローカル5Gが、データを価値あるものとして利活用するデータ収集・伝送機能における重要な技術であると捉え、活用ユースケースの蓄積を推進している。

    両社は、工場内におけるローカル5Gの電波特性などを検証することで、AGVの高性能化、ひいては生産現場自動化やDX推進に向けた可用性を検討する。

    ローカル5G活用により、高精細な位置情報・詳細な稼働情報を取得でき、自動走行の精度が格段に向上する。データセンタやクラウドなど、離れた場所で高負荷なデータ処理が可能になり、車載機器の軽減・車体軽量化を実現するといったメリットが期待される。

    同実験では、DMG森精機の伊賀事業所内における 28GHz帯の実験試験免許を取得し、ローカル5Gネットワークを構築することで、生産現場におけるローカル5Gの電波伝搬、通信品質を調査・測定するとともに、ローカル5Gを介したAGVの遠隔操作を試験する。

    実験項目(予定)は、①電波伝搬試験(受信レベルの測定や干渉状況の調査)②通信品質試験(遅延やスループット性能、パケット誤り率の測定)③アプリケーション試験(ローカル5Gを介したAGVの遠隔操作試験)▽AVGに対するローカル5Gの安定した通信可否の評価▽離れた場所で稼働するAGVの稼働状況の見える化。

    各社の役割は、DMG森精機は、▽実験場所の提供▽アプリケーション試験設備の提供▽アプリケーション試験の実施▽ローカル5G活用ユースケースの検討。NTT Comは、▽実験試験免許の申請、ローカル5Gの設備設計、構築、運用▽電波伝搬試験および通信品質試験の実施▽ローカル5G活用ユースケースの検討。

    今後について両社は、共同で本実験に取り組むとともに、確認された課題に応じさらなる検証を行うことで、ローカル5Gの本格導入に向けた検討を進めていく。

    また、本実験を通して、複数のAGVや設備を繋げて工場全体のデジタル監視を行うなど、より高度な生産改善が可能な製品開発やソリューション提供の実現を目指す。

    加えて、NTT Comは、より広範なニーズに活用できるようなローカル5Gのサービス化についても検討を進めていく。

  • ユーザー通信220号 5面抜粋-2:DMG森精機 工作機械にニコンの非接触レーザースキャナー搭載開始

    DMG森精機

    工作機械にニコンの非接触レーザースキャナー搭載開始

    DMG森精機(本社=名古屋市中村区、森雅彦社長)とニコン(本社=東京都港区、馬立稔和社長)は、昨年(2019年)11月に包括的な業務提携を行うことで基本合意し、その後、今年(20年)3月に正式契約を締結した。

    今回、この包括的な業務提携の一環として、ニコンの非接触レーザースキャナー『LC15Dx』をDMG森精機の工作機械に搭載することが決定し、両社は売買契約の締結に関し基本合意した。

    ニコンの非接触レーザースキャナーLC15Dxは高性能データ処理機能の搭載により接触式の三次元測定機と同等の精度で、さらに高速に多点測定をすることが可能であり、タッチプローブでの測定が困難な小寸法や複雑な形状の被検物など、さまざまな部品を非接触で効率よく測定することができる。

    DMG森精機は独自の非接触機上計測システムにこのLC15Dxを組み込み、オプションとして一部の工作機械に搭載し、今秋より販売を開始する。

    航空機や建設機械、エネルギー産業向けの大型ギヤやタービンブレードの計測・測定に最適で、加工工程の改善、加工精度の向上に貢献する。搭載機種は順次拡大予定。

    DMG森精機と光利用技術と精密技術をコアとし幅広い技術力を持つニコンのそれぞれのリソースを組み合わせることでシナジーを創出し、DMG森精機とニコンはともに、革新的なソリューションをユーザーに提供していく。

  • ユーザー通信220号 5面抜粋-1:セコ・ツールズ あらゆるニーズに対応するSECOのツールホルダ

    セコ・ツールズ

    あらゆるニーズに対応するSECOのツールホルダ
    個別の加工ニーズに合わせて設計した選択肢をさらに拡大

    セコ・ツールズ(ジャパン本社=東京都大田区)は、ツールホルダのラインナップを拡大してユーザーのニーズを満たす方法を常に模索している。

    セコ・ツールズは2000年に、ツールホルダ、ボーリングヘッド、防振ツールホルダの設計と製造に幅広い経験を持つ、フランスのツール保持システム会社・EPB社を買収した。

    EPB社のリソースを得たことで、セコ・ツールズは特定の機械加工用途に合わせて設計した多種多様なホルダを提供できるようになった。

    たとえば、各種ゲージ長やノーズプロファイルに応じて異なる焼きばめ工具オプションを提供している。

    HD焼きばめチャックは、重粗加工用途向けの設計。DIN焼きばめチャックは、品質が最優先される中仕上げ加工や高速切削加工の仕上げに最適。M&D(金型)焼きばめチャックは、金型や航空宇宙製造業で一般的な深いキャビティでの仕上げ加工や中仕上げ加工に合わせて設計されている。

    同様に、ERおよびHPコレットチャックを提供しており、一般的な汎用タイプのERチャックはひとつのチャックに異なるサイズのコレットを装着することで、さまざまな工具径に対応する。HPコレットチャックは、高速仕上げ加工や軽粗加工の用途で被削材面を美しく仕上げるように設計されている。

    ホルダの制振効果によって加工機械の振動を最小限に抑え、コレットを交換するだけで直ちに加工を再開できるため、工具の破損への対応が容易になる。

    重切削加工では、あらかじめバランスが取られたセコ・ツールズのパワーフライス加工チャックが効果的である。切り屑除去率が向上し、焼きばめまたはウェルドンホルダの代替として使用できる。導入しやすく、縮小スリーブを使って異なる工具径を保持できる。

    また、延長スリーブによるさらに幅広い工具保持性能を提供する油圧拡張チャックは、3×D 5、μm未満の揺れを達成し、高速切削加工に合わせた緻密なバランス取りを施しており、一体型のオイルリザーバが制振性能を発揮し、表面品質を最適な状態に保つ。

    総生産コストの「2%未満」ではあるが・・・

    ツールホルダのコストは総生産コストの2%未満でしかなく、コストを半減できたとしても大した節約にはならない。一方で、被削材の廃棄や工具の破損は明らかに財務に影響する。高品質な工具とホルダを使用することで、金属切削の生産性が向上し、短期間で工具投資を回収できる。特に、機械加工プロセスの安定性が最優先される航空宇宙部品製造などの業界では、欠陥部品の発生を抑え、トラブルシューティングや生産停止で時間を浪費する事態を回避するために、多くのメーカーが高品質な工具の導入を重視している。航空宇宙メーカーでは、新しいホルダコンセプトを生産工程に実際に導入する前に、長い時間をかけて検証するのが常である。

    機械加工作業にもたらす生産的な貢献を強化

    このように機械加工工場は、加工システムにおけるツールホルダの重要性を理解する必要があり、また、具体的な加工工具、加工戦略、被削材に適したツールホルダを選択することで、いかに生産性の向上とコストの削減を実現できるかを把握する必要がある。

    ツールホルダメーカーは、個別の加工ニーズに合わせて設計されたホルダの選択肢をさらに拡大している。改善は、ホルダハードウェア自体に留まらず、ソフトウェアやRFIDタグを使った工具管理は、データに基づく製造の一要素として普及が進んでいる。

    最新のツールホルダ技術には、ホルダにかかる力をリアルタイムでモニタリングできるセンサ搭載ホルダなどがある。収集されたデータに基づいて、作業中に機械加工パラメータをオペレータが調整したり、機械制御装置とリンクされたAI(人工知能)が自動調整したりすることが可能であり、こうした新たな技術は、ツールホルダが機械加工作業にもたらす生産的な貢献を強化する。

  • ユーザー通信220号 4面抜粋:DMG森精機 20年度1Q決算説明をオンデマンド配信 新型コロナ影響下での世界の勤務状況にも言及

    DMG森精機

    20年度1Q決算説明をオンデマンド配信
    新型コロナ影響下での世界の勤務状況にも言及

     

    新型コロナウイルス感染拡大の影響により、国内外での決算業務に遅延が生じることを踏まえ延期されていた、DMG森精機の2020年12月期第1四半期決算が5月28日に発表され、同日夕方より、森雅彦社長による決算説明会が同社ホームページ上にてオンデマンド配信されている。

    連結経営成績は、売上収益873億円(対前年同期比27・6%減)、営業利益33億円(同68・6%減)、税引前利益13億円(同85・7%減)。

    通期業績予想については、元々、受注4200億円、売上収益4千億円、営業利益200億円としていたが、EU、米州、中国、東南アジアなど同社の主要事業地位においてビジネス上の渡航制限などが解除されること、また、新型コロナウイルスに対するワクチンなどの開発が進み、現状以上の混乱が生じないことを前提とし、「売上で3200~3400億円、営業利益を50~100億円」へと修正した。

    森社長は▽全社受注783億円(前年同期比34・3%減)▽1台あたりの受注金額前年度比8%増▽損益分岐点引き下げ(当初3500億円から3100~3200億円へ)▽クレジットライン拡充・4月末 3404億円(3月末 2853億円)▽デジタル化促進▽オンラインセミナーの拡充(ユーザー向け、社員教育)▽デジタルショールーム、デジタル立ち合いをハイライトとして挙げ、経営施策の中では、新型コロナウイルス感染拡大に伴うグローバルでの勤務状況にもふれた。

    現在、販売・エンジニア・サービスでは、ドイツが56%、日本(東京)が74%、アジアが63%、欧州・中近東・アフリカが68%、中国は最も回復が早く95%、米州が66%。生産拠点に関しては、ドイツで82%、日本は100%、イタリア・ポーランド・ロシアで68%、中国(天津工場)では92%、アメリカ(デービス工場)では73%が、在宅勤務ではなく出勤している旨言及した。

  • ユーザー通信220号:3面抜粋-2 DMG森精機 5G活用のデジタルファクトリー実現に向けKDDIと共同検討開始

    DMG森精機
    5G活用のデジタルファクトリー実現に向けKDDIと共同検討開始
    伊賀・東京の拠点に5G環境を構築

    DMG森精機とKDDI(本社=東京都千代田区、髙橋誠社長)は、第5世代移動通信システム「5G」を活用したデジタルファクトリーの実現に向け共同検討、および共同実験を5月21日から開始している。

    両社は、製造業全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を強力に推進すべく、今年4月にDMG森精機 伊賀事業所(三重県伊賀市)、7月に東京グローバルヘッドクォータ(東京都江東区)に5G環境を構築。2拠点で、高速・大容量、低遅延の特性をもつ5Gを用いて、ユーザーの生産性向上に貢献するソリューション開発をさらに進めていく。
    同実験では、工作機械内部のカメラ画像をもとに、切りくずの堆積場所と堆積量をAIが推論し、洗浄経路を自動で生成計算することで切りくずを最適に除去する、DMG森精機の新技術「AI切りくず除去ソリューション」に5Gを導入する。

    今後の取り組みとしては、2拠点の5Gを活用することで、工作機械内の画像だけでなく、各種センサー情報などの大容量データをリアルタイムに収集し、より正確なユーザー状況の把握が可能となる。この情報を活用し、機械性能を最大限に発揮するための技能向上ソリューション開発を両社で目指す。

  • ユーザー通信220号 3面抜粋-1:DMG森精機 奈良商品開発センタを新設 グループ最大の最先端研究開発拠点に

    DMG森精機
    奈良商品開発センタを新設(22年春)
    隈研吾氏が建築デザイン、グループ最大の最先端研究開発拠点に

    DMG森精機(本社=名古屋市中村区、森雅彦社長)は、JR奈良駅前(徒歩1分)に「奈良商品開発センタ」を新設する(奈良市三条本町1002番)。DMG森精機創業の地である奈良に、新たにデジタル・トランスフォーメーション(DX)構築と先進技術のための開発拠点として、2022年春の開設を予定している。

    奈良商品開発センタは、5Gを使ったデジタル通信技術、AI、クラウドコンピューティング、デジタルツインなどのテクノロジーを用いたデジタル化およびコネクティビティを含むDX構築を行い、DMG MORIグループ最大の最先端研究開発センタとなる。

    さらに、工作機械の要素技術、次世代複合加工機、Additive Manufacturing機、自動化システム、ビジョンカメラを使った非接触計測システム、次世代の切りくず・クーラント・ミスト処理装置などの工作機械および周辺装置とそれらに搭載される制御ソフトウェア他、最先端のイノベーティブな開発実験を行う。

    また、オフィスフロアのほかに、1階・2階には機械、要素技術開発の実験センタ、6階には300席のカンファレンスセンタ、レストラン、カフェを配置する。京都・大阪・奈良の学生インターンシップの受け入れに加えて、電気、通信、エレクトロニクス、組込ソフト、コネクティビティ、ロボティクス、センサー分野からの経験者採用や同分野の技術者との交流を推進する拠点となる。

    敷地面積は3624・65㎡。建物のデザインは建築家の隈研吾氏に委託。 また、メインエントランスはDMG森精機の先進の金属加工技術により、有機的な木目柄に切削されたアルミ材を用い、ヒューマンスケールで温かみのあるオフィスで、古都奈良と調和する建築をコンセプトとしている。

  • ユーザー通信220号 1面-2面:モノづくり・社員・設備 愛知・岡崎で『粋』揚々! 鈴木工業

    モノづくり・社員・設備 愛知・岡崎で『粋』揚々!
    鈴木工業

    「群を抜いた設備力」に国内外からの工場見学絶えず

    夜の愛知県岡崎市洞町では、南北に貫くメイン道路沿いに、全面ガラス張りの建物が間接照明に映える。
    「思い入れのある設備ばかりなので、外から見えるようにした」と話すのは、鈴木工業の鈴木貞晴社長。

     

    スタイリッシュな「工場に見えない工場」

     

    従来、日本の工場のイメージといえば、グレーや濃緑といったカラーが支配するが、そういったイメージを打ち破るスタイリッシュな「工場に見えない工場」だ。しかもそれは魚市場の敷地内にある。

     

    鈴木社長は、「工場なので、こういうデザイン(黒づくめ)にしなくてもよかったのだが、どうせつくるなら、コストもさほど変わらないので、洗練されたデザインにした」と続ける。

     

    3年前に同地に本社を移した鈴木工業は、輸送車両関連資材・住宅関連資材・通信関連機器等の精密板金加工、各種試作(絞り)、各種製缶、機械加工を手掛け、岡崎市に旧本社工場の額田工場、同第2工場と合わせ3工場を持つ。

     

    鈴木社長が二代目として就任し7年余。売上高も従業員数も倍以上となり、会社にかなりの変革をもたらせた。その経営理念を表す文字は『粋』。「粋」なモノづくり、「粋」な社員、そして「粋」な設備。

    鈴木社長によれば、自社の特長として最も強調すべきは「設備力」であり、周辺地域では群を抜いた設備群で、愛知県はもとより、全国に点在する精密板金工業会やシートメタル工業会といった団体が、他県より工場見学に頻繁に訪れている。

    同社は、レーザーマシンやレーザー溶接、パンチ・レーザー複合機、ベンディングマシン等々を複数台、機種によっては30台弱設備する。なかでも、発振器9kW仕様のファイバーレーザー加工機は、愛知県に2台しかない希少な機械で、鈴木工業ではシステムアップし夜間自動連続運転を可能にしているなど、アマダ製の超ヘビーユーザーだ。

    通常時は、「1ヶ月で1万種類の製品をつくる」工場の見学には、アマダを介して、中国や韓国、最近ではインドといった海外からも来訪も多い。

    「メーカー様(アマダ)の展示会場に行って機械を見るよりは、実加工をしている現場で、問題点や課題など、様々な生な声が聞ける」と好評であり、「そういった意味でも、そこそこ知名度が上がって良かった」と自負する。

    これだけの設備群を揃えたのは、「私は基本、お客様の要望に必ず応える。仕事は絶対に断らない。正直、やれない案件、手掛けたことのない仕事もあったが、ひとつ返事で『やれますよ』と回答する」との信条による。

    「金額云々ではなく『やるか、やらないか』、そこからどうしていくか考えて、全てこなしてきた。それが自分たちのノウハウになり、自信になる」。

    従業員の平均年齢は30歳台前半と非常に若くパワーがある。

    「ものづくりなので設備は不可欠。お客様に対して設備がないとはいえない。どんな仕事が来てもオールラウンドな体制づくりで今に至っている」。

    設備力と対応力、「そのうえで低コスト、さらにデリバリーまで行う」ことから、「逆にいえば、お客様にとってはメリットしかない」と鈴木社長は胸を張る。

    そんな中、7月1日着工で近隣に新工場を建設する。完成は今年11月末だ。

     

    新工場着工で溶接・大型粉体塗装需要に臨む

    本社工場が、「私が計画なしに設備を入れるものだから、手狭になってしまって」と苦笑する鈴木社長だが、新工場では溶接に広く場所を確保し、さらには塗装を手掛ける。

    「いま、塗装の需要がかなり多い。周辺に塗装業が少ないこともあるうえ、塗装の取引においてはなぜか、上下関係について古くからの慣習もあり、営業に出れば、塗装の需要が食い付いてくる」。

    塗装の中では大型立体物(長さ4500㎜×幅2500㎜×高さ2500㎜)の粉体塗装、溶剤ブース、焼き付け乾燥等を行う。また、「配電盤で弱いといわれるのが下処理。この近辺では対応できる事業所も少ないので、リン酸亜鉛被膜が優先的に取っていく仕事。そこを設備し、営業ツールとして使っていく」と挙げる。

    塗装単体のみならず、塗装から板金への需要喚起にも期待を寄せ、「現状では年間約3千万円を塗装だけで外注しているので、その取り込みと、物量をさらに増やしていけるトータルを考えれば、お客様にとってメリットのあるコストを提供できる」と見ている。

    「ものづくりに正解はない」柔軟な対応力

    同社の年間投資額は、「少し前までは必ず売上高の6%と決めていた」ものの、現在は先行投資が結構上回っており、人材についても昨年だけで12名採用している。

    「ひと昔の前の設備と今の設備では、ものが全く違う。それほど優れているので、投資する価値は十分にある。その最たるはスピードと自動化、つまり生産性。設備が違えば物のつくり方がガラリと変わるので、柔軟に変えていかなければならない。ものづくりに正解はない。昔の常識なんてぶち破ればいい」。

    鈴木社長は新たな設備導入にあたり、その動機や決め手を「実は、そこまで深くは考えていない」と前置きしつつ、「さまざまな加工を行う上で、既設の機械と特色が同じような、系統が同じような機械は購入しない。あとはもう『直感』。私は購入が早い。これだなと思えばすぐに買う」とふれる。

    そういったなか鈴木工業では、一部、マシニングセンタ(以下、MC)も設備している。昨年、OKK製立形MC『VM76R』を導入した(額田)。

    同社では元々、少量ながらも自社の板金に組み込むような切削物の仕事があり、これまでは外注していたが、どこかのタイミングで切削加工も手掛けたいと考えていたところ、折しも、「切削工場経験者を迎え入れたこともあり、このタイミングでMC、ワイヤカット放電加工機(アマダ製)、CNC高速細穴放電加工機(韓国・HANKOOK製)など、一気に、ひと通り切削マシンを揃えた」という。

    まだ稼働率としては限りなく低いのだが、設備が「ある」と「ない」では大違いであり、「たとえば北海道の事業所がネット検索で『この大きさは、ここならできる』と見つけていただけたり、どこでどう繋がるかわからない。会社として機械単体の償却とは考えず、グロスとしてプラスになれば、それでいい」と考える。

    とはいえ今では、部品加工の単品受注にも結構動きが出てきており、「このパイをどんどん拡張する」方針で、研磨含め、レベルの高い仕事は、「まずは中国とのパイプを活用している。資本力とマンパワーなどあらゆる規模が桁違いであり、中国の部品加工のレベルは、かなり高い」と説明する。

    「昨年末にかなり大口の仕事が入り、物理的に不可能と思えたが、このルートによって完遂できた。『なんとか、やってしまう』というところに当社の強さがある」。

    このような切削加工については、精度の高いものから引き受けて中国ルートでこなし、仕事量が増えてくれば自社内に人を増やし、設備を導入し、切削加工単体だけでも、結構なレベルに上げていく方向性は、新工場での溶接・塗装構想の先駆けともいえる。

    一方で、「生産は設備投資をすれば物量は増やせるが、困るのは設計」と案じる。現状、10名のCAD/CAM担当者が従事するなか、「2次元の紙図面から、3次元でのモデリングが必須というものづくりの仕組みづくり」への注力、邁進にも言及した。

    「当社の目指すところは決まっている。いまは新型コロナ禍の時期ではあるが、我々には目指すゴールがあるので、このような一過性の問題は全く心配しておらず、どんどん営業をかけ、市場を大きくしていくよう進めていく」という鈴木社長の姿勢は、まさしく「粋(意気)揚々」といえようか。

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