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  • ユーザー通信215号_9面_デジタル加工のドアオープナー デジタル加工の現時点 <後編> 河田洋一氏インタビュー

    デジタル加工のドアオープナー デジタル加工の現時点 <後編>

    河田洋一氏インタビュー

    サンドビック・コロマント(本社=名古屋市名東区、山本雅広カンパニープレジデント)が押し進める「デジタル加工ソリューション」について、本紙前号(2019年12月号)では、同社デジタル加工製品担当の河田洋一氏による「全体像」の説きを〈前編〉として取り上げた。引き続き今回は、河田氏自身が表彰の場に臨んだ、日本機械工具工業会(以下、JTA)の令和元年度・技術功績大賞受賞製品『Silent Toolsプラス』の解説にフォーカスし〈後編〉としてお届けする―。

    ―デジタル工具としてサイレントツールを選んだ理由

    河田 サイレントツール(防振工具)そのものは40年以上前からありますが、今回新たに、工具の中にセンサーを直接内蔵することによって、加工中のびびり振動などのデータをモニタリングし、見える化しましょうという製品がSilent Toolsプラスです。

    センサーを使って加工をモニタリングしようというアイデア自体はサンドビックが最初に提唱したわけではなく、すでに実用化されています。特に工作機械メーカーでは機械に様々なセンサーを搭載しているので、加工のモニタリング自体は新規性のあるものではありません。

    ですが、機械のセンサーから実際に加工が行われている刃先までの距離が短ければ問題なくデータは取れると思いますが、工具や加工によっては、機械のセンサー搭載部分から刃先までの距離があるため、はたして機械に搭載しているセンサーで実際の加工データが正確にモニタリングできるだろうかという疑問があり、より刃先に近い部分にセンサーを入れる必要がありました。その意味でサイレントツールは、工具の突き出しが非常に長いため、センサー搭載に適していたわけです。


    ―話が工具に集約されていると前回の「全体像」に比べ、随分とユーザーにもとっつきやすく、理解しやすい

    河田 そうですね、工具の切り口となれば、ユーザー様にはわかりやすく受け止めていただいているようで、サンドビックのデジタル加工製品といえば、イコール、Silent Toolsプラスだと思われているフシがあります。もちろん間違ってはいませんが、実はそれ以外(ソフトウェアなど)もあります、と説明する機会も多いです。

    ―主な加工用途

    河田 常時モニタリングの必要があるユーザー様が対象になるので、高価なワークを加工されていたり、失敗のできない加工をされるユーザー様となれば、やはり航空機関連が多いです。また、センサーはあまり小さい工具では内蔵できないので、ある程度大きな工具に限定されてしまい、必然的に加工物も大きくなることからも、航空機関連が最もSilent Toolsプラスにマッチすると思います。

    いまのところ製品品目も限られており、対象となるユーザー様も多いとはいえませんので、どちらかといえばドアオープナーというか、デジタル加工製品で具体的に何ができるのかを見せるツールとしての役割もあります。

    ―JTA技術功績「大賞」受賞製品

    河田 センサーを内蔵した工具は既存製品にはなかったこともあり、そういった新規性の高さをJTAから評価いただき大賞を受賞することができました。デジタル加工という新たな分野を工作機械だけではなく、他メーカーも含めた切削工具業界全体に新たな道、可能性を切り拓いたというところも評価いただけたのだと思います。

    ちなみに、技術功績賞は従来からあったのですが、その中でも最優秀なものを表彰する「大賞」は昨年度から新たに設立されましたが、昨年度は該当する製品がなかったため、サイレントツールPlusが「初選出」ともなりました。

    ―「デジタル推し」の今後

    河田 サンドビックはこれからも「デジタル推し」ではありますが、デジタルだけで独立した売り上げをつくっていこうという考えではなく、基本は切削工具メーカーですので、従来から販売している切削工具がビジネスの中心になるのはこれから先も変わりません。あくまで主役は切削工具であり、デジタル加工製品によって従来ビジネスとの相乗効果を得るというのが狙いです。

  • ユーザー通信215号_10面_新春インタビュー タンガロイ 木下聡社長

    新春インタビュー タンガロイ 木下聡社長

     

    「プレーイングマネージャーであり続けたい」
    「モノ」売りから「コト」売りへ
    「航空宇宙産業」「ツーリング」の専門チームが躍動し実績伸長

    タンガロイ(本社=福島県いわき市)の木下聡社長に今年も新春インタビューに臨んでもらった。締め括りには「プレーイングマネージャーであり続けたい。社長という肩書きではあるが、自身で市場を回って世間の要求を聞くこともあるし、開発にも携わりたい。若い人たちとも話したい。そういう面でプレイヤーでいたい」と2020年の「個人的な志」にもふれた木下社長は、2019年度の概観と成果、新製品開発、「効率的な加工」、営業スタイル、設備投資について、次のように述べた ー。

    ― 2019年(12月期決算)の概観

    木下 中国とインドが精彩を欠いたものの、逆に欧米が少し伸びたことによりマイナスを埋め切れ、全体的には若干のマイナスで推移した。国内についても3~4%程度の減で、全体では5%程度の減で終えたと見ており、一昨年までの繁忙さから「落ち着いてきている」と表現したい。
    中国は予想以上に良くなかったが、他は意外に健闘し留まれたのかなと思う。切削工具は日々の消耗品なので、工作機械の投資に比べれば、まだまだ物の流れは続いている。自動車の減産など業種によってのマイナス要素はあるが、航空宇宙産業は対前年比で30%増と大きく伸長した。

     

    ― 航空宇宙産業向けが伸長した背景

    木下 タンガロイの開発では産業別の開発も行っている。これまで航空宇宙産業でのマーケットシェアはさほど強くなかったが、2年前に「航空宇宙産業グループ」を新設し、開発とマーケティングも含めた取り組みが実績につながっているのだと思う。
    また併せて、ツーリング専門のチームも新設した。5軸マシニングセンタでの加工がますます増える中で、効率的なツーリングを組むことは容易ではない。特に航空宇宙産業向けの部品は削り代(しろ)も大きく難しい部品も多い。そういう中で様々なシミュレーション、解析をしながらツーリングを組んでいくチームであり、お客様からの要求は一昨年の100件から昨年は200件超えと倍増している。

     

     

    ― 専門チームにもたらされる要求

    木下 工具とはリリースするだけでは効率的な使い方がなかなか叶わないので、例えば、お客様のワークの3Dモデルを見ながら対応を考えるのも工具メーカーの仕事だと思う。このようなロジカルな解析を元にツーリングを組んでいく。元々は航空宇宙産業向けに始めたが、自動車産業や自動盤向けなど、意外と様々な要求があることがわかり、チームをボリュームアップした。
    タンガロイの需要先はこれまで自動車産業の比率が非常に大きかったので、航空宇宙産業やエネルギー産業、メディカルなど広い産業分野に構成を分散するよう、産業別マーケティングを実施している。
    そういう面では、「モノ」を売るのと同時に、使い方やツーリングといった「コト」のサービスもする。「モノ」と「コト」のセットで取り組んでいく時代になってきたということで、そういったチームをつくっている。

    新製品の売上高比率の最終目標は65%

    ― 活発化したマーケティング活動の成果

    木下 航空宇宙産業からの要求が非常に大きいのと、ティア2も含めたEVやハイブリッド関連での薄肉小物部品の加工が増えてきており、その高精度化への要求が大きい。
    それらに伴って、自ずと開発要求もアイデアも数多く出ることから、一昨年、昨年ともに約50件の新製品を送り出すという良いサイクルを生み出している。新製品(5年以内の発売)については、売上高における比率は65%が最終目標で、常にそれをキープしたい。

    ― 5G時代に向けて

    木下 5Gをはじめ、インダスストリー4・0やIoTなど含め、デジタル化、データ化は、やはり急速に進むだろう。一方では3Dプリンターが画期的な進歩を遂げているので、そこも含めたマーケティングが重要になる。今後、削り代(しろ)は減少していくので、仕上げ加工へのシフト強化など、すぐではないにせよ、そういった流れは注視していく。
    工作機械にはセンサーが付いており、工具の抵抗や振動は感知できるので、デジタルといっても工具へのセンサー内蔵といった話はまた別として、工具の使用量やコストなど全てがデジタル化されることにより、タンガロイが常に提唱してきた「生産性工具」が正しかったということが明らかになってくるのではないか。

    効率的な加工が「クリアにわかる」時代に

    ― 国内での「効率的な加工」の浸透具合

    木下 本社・いわき工場へは、昨年は国内から1000人超、海外からも約600人と来訪者・見学者が訪れており、お客様から「効率的な加工をしたい」という要求が明確に出てくるようになった。その傾向は特に昨年、一昨年で加速しており、やっと日本国内に浸透してきた感がある。コスト競争や多忙によるアウトプット増が必要だったり、働き方改革による必要性など、全てが「効率的な加工」に回り始めているのではないか。
    同時に、国内のお客様が「デジタル化」した考え方に変わってきているので、どんどんと新しい提案をしていきたい。そういう意味では「やりやすい」環境になってきている。在庫管理にしてもコストにしても、全てが数値で見られる時代になってきている中、ありがちな「過去の関係」だけではなく、「高価な工具でも使ってみればコストダウンにつながる」といったことが「クリアにわかる」時代になってきたということ。
    繰り返しになるが、「コト」を売るのは、結果的にはお客様のメリットになる提案なので、「モノ」を売るための「コト」のサービスを高度化したい。

    提案型・技術営業の成功者を横展開

    ― そんな時代の中で目指す「営業」スタイル

    木下 タンガロイの中でもトップセールスが共通して行っている行動パターンがある。どうやってお客様に提案するか、お客様の痒いところを見つけるか、といった観点でこれを分析し、そこからお客様の課題を「予知」して、ソリューションを提案することに重きを置いている。本当の提案型営業、技術営業の成功者を横展開するような感じになると思う。

    ― 「分析して、予知する」・・・とはAIそのものような ?

    木下 そうともいえるが、やはりそこに人間性を持たせていかなければならない。パターンにカッチリとはめるのではなく、それぞれの個性も含めて。併せて、新製品発売がさらに増えることも考慮し、タイムリーに技術教育を行い、工具メーカーとしてのハイレベルな提案営業、技術営業への転換を加速する。

    「自動化投資は却下しない」

    ― 工場設備の投資状況

    木下 一昨年以来、欠品や納期遅延といった大きな問題もなく推移できているのは、設備を頻繁に先行投資しているからであり、今年も継続していく。他社メーカーを見渡しても開発投資を加速しているが、その中でも先行し、もっと加速していきたい。特に「自動化投資に関しては却下しない」。増産投資は売れ行き次第の面もあるが、自動化投資は常に進めていけばよい。

    ― コンペティターの状況を見て

    木下 中国の工具メーカーが力をつけてきている。業界としてはこれまで、先進国メーカー、日系メーカーによる切磋琢磨だったが、その中に中国サプライヤーが出現してきた形だ。大規模投資をしており、品質も向上していると感じる。

    ― 国内シェアの実感

    木下 私自身はあまりシェアは気にしないのだが、「タンガロイのファンは増えている」実感がある。それは新しい提案をして、一度でも良い経験をした方が増えているということ。ヘンな言い方だが、シェアの増やし方にはいろいろな方法がある。だが、タンガロイの商品に魅力を感じていただけるお客様の数を少しでも増やしていくことが重要だと思う。

     

  • ユーザー通信 214号:1面関連記事:アパレル業界の「慣習」への疑問から生まれたエフテクト製品

    1面関連記事:アパレル業界の「慣習」への疑問から生まれたエフテクト製品

    近年は人手不足が顕著な物流現場において、特にアパレルや雑貨では入荷検品として、開梱後のバーコードスキャンおよび数量検品により多く人手を必要としながら手間と時間を要していた。

    RFIDの物流活用では、未開梱の状態でICタグを読みとることができ、即時入荷計上が掛けられる。各物流工程での運用に即した製品群を多岐に渡って展開するエフテクト製品(※1面参照)を導入するユーザーが垂直立ち上げ的に広がったのもうなずける。

    ではなぜ、アパレル業界での導入、引き合いが多いのか? それは同業界の「慣習」にエフテクトゲート発想の源泉があったからだ。

    というのも、知らない者からすれば驚くばかりなのだが、アパレル業界では一つの什器中の商品点数が、例えば、伝票上では100となっていても、実際の入り数が102や103、逆に95や96だっという場合が少なくなく、むしろ「過不足があたりまえ、ふつう」と聞く。多ければ返品する、足りなければ「早く送ってこい!」と催促する。大抵は過不足があり、定数が入っていない、定数の概念がないのがアパレル業界での慣習だとか。文字通り、「ふたを開けてみないとわからない」世界らしい。

    アパレル業界の物流では、こういった「一連の流れ」に非常にコストがかかっていたが、「ここに人手がかかるのはおかしいでしょ?」から生まれたのがエフテクトゲートである。ICタグをゲートに通すことによって、その数量や商材の合否を機械的に自動化できるシステムの誕生となった。

  • ユーザー通信 214号:工作機械の精度も「愛」も復活させる小林機械

    工作機械の精度も「愛」も復活させる小林機械

    中古機械業界の新機軸 ―「圧巻」のマシンプラザ

    「工作機械は『同じ物がつくれる』ので、その意味ではリユースに向いているのではないか」―こう話すのは、小林機械の小林良文社長。

     

    「例えば部品加工で、機械の価格に関わらず、中古であろうが新品であろうが、加工して納める部品には変わりはない。新品の2千万円の機械で加工しようが、中古の5百万円の機械で加工しようが、2千円の仕事は2千円で買ってもらえる。工作機械こそ中古ビジネスには向いていると思う」と続ける。

    同社は群馬県館林市を本拠に、中古工作機械の販売・買取を、ほぼ「専業」とし、中古機械業界の中にあっては、そのイメージでも実績でも一線を画している。

    その旗艦となっているのが、本社機能も併せ持つ「東日本マシンプラザ」の存在だ。2010年11月に、それまで周辺に点在していた倉庫を延床面積4400㎡に集約し、2年後の13年10月には一部2階建ての新展示棟(延床面積5200㎡)を増設した。

    50t・20tクレーンも配備し、かなりの大型工作機械なども扱っている。2階には工具・道具類、周辺機器を集めている。

    マシンプラザの姿は、同社のホームページや一部資料での写真で目にはしていたが、実際目の当たりにすると、そのスケールは「圧巻」のひと言、なおかつ、本当に「キレイ」だ。

    さらに16年1月、近隣の本庄市に展示棟3棟と事務所棟を合わせた延床面積約1万4200㎡の「マシンプラザ本庄」を開設し、門形加工機とベッド研磨も導入するなど、小林機械では機械の販売・買取だけでなく、細部にわたり、徹底したメンテナンス、修理といったアフターケアに注力しているのが特長。自社雇用の職人によりキサゲ作業も行っている。
    さらなる強みは保証精度、「精度を復帰させる」ことにある。同社では新品と同様の検査方法を実施している。

    「新品でも最初の保証精度が違うので、元々の差がある。そういった中でユーザーは購入する機械を選ぶのだが、用途や精度に合わせて買う『段階』がある。その範疇でユーザーの機械がどの段階に位置するかとなれば、当社で精度復活させた中古機械は、メーカーの新品と遜色がない程度に仕上がったりもする」。

    そんななか、中古機械の世界から見た日本の製造業を、小林社長はこう見ている。

    「いまの若手から中堅のオペレーターたちは、機械を丁寧に使うことを教えられていない。使いっぱなしの機械が多い。ここでもう少しきちっとと切り粉を落としておけば・・・とか思うことも多く『使って、壊れて、また新しい機械を買う』という流れになっており、もったいない。丁寧に使えば長く使える。その分、自分の給料にも返ってくるわけだから。

    そういう『機械に対する愛』が少ない気がする」。

    その「愛」を再び込めているのが、小林機械のマシンプラザだともいえるだろうか。

  • ユーザー通信 214号:ダイジェット工業 上期決算発表

    ダイジェット工業 上期決算発表

    減収減益も「継続的な設備投資推進」を強調
    切削工具の新製品比率が35%に上昇

    ダイジェット工業は11月8日、2020年3月期(第94期)第2四半期の決算発表を行い、同日、シェラトン都ホテル大阪(天王寺区上本町)では、国内営業部の福井正徳部長と営業部営業企画室の有吉倉則室長が決算説明会に臨んだ。

    連結売上高は46億7600万円(対前年同期比8・7%減)。このうち国内向けが27億6500万円(同6・2%減)、海外向けは19億1千万円(同12・2%減)となった。

    海外向けの地域別では、北米が4億1400万円(同4・8%減)、欧州が5億1千万円(同12・1%減)、アジアが9億6200万円(同14・3%減)、その他地域が2300万円(同33・8%減)となり、なかでも、アジアにおける中国だけに絞れば18・3%減と最大のマイナス比率となっている。

    この結果、連結売上高に占める輸出の割合は、前年同期に比べ1・5ポイント減の40・9%となった。

    これを受け福井部長は、「ある程度の想定内ギリギリ」と表現したうえで、「このような景気の下降局面に際しては、従来の考え方なら出費、投資は控え対応するところだが、ここ数年、生産性向上(自動化・無人化)のために積極的に進めてきた設備投資を、ここでトーンダウンさせるわけにはいかない。次の上昇局面に向け乗り遅れることのないよう、こういった局面でも継続的な設備投資は推進する」との見解を示した。

    製品別の売上高を前年同期比で見れば、焼肌チップが21・2%減(4億9800万円)、耐摩耗工具が13・0%減(6億1700万円)となるなか、切削工具は5・7%減の35億5400万円と他に比べ踏みとどまった感がある。

    有吉室長は切削工具について、「売り上げの金額よりも伸び率を重視するなかで、ショルダーエクストリーム(高能率高送りカッター)、タイラードリル(座ぐり加工用ドリル)、スウイングボールネオ(刃先交換式ボールエンドミル)といった製品の販売が順調に推移している。新製品(発売後3年以内)の比率は5ポイントアップし、全カタログ商品中の約35%まで上昇してきている」と現況を説明した。

    続けて、「金型加工向けに長らく『高硬度材加工』をキーワードにしてきた自負はあるが、発売から10年経過したような古参もある。コンセプトは踏襲しながらも、同業他社の攻勢もあるなかで、いま一度テコ入れのため新製品を投入し、競争力を高め、さらに拡販に努めたい」とも強調した。

    一方、連結営業利益は2億4700万円(前年同期比42・5%減)、経常利益は2億3700万円(同48・4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億4900万円(同48・8%減)となった。

    設備投資の効果が利益面で貢献

    このように前年同期比では減少しているものの、売上高でほぼ同等だった2016年上期に比べれば、営業利益で132%、経常利益で171%、純利益で204%と伸長しており、福井部長は「設備投資による生産性改善(自動化・無人化が進む)が確実に貢献している。特に三重事業所における成果が大きい」と言及した。

    なお、通期連結業績予想は修正せず、5月10日に公表した売上高101億円、営業利益5億円、経常利益5億円、親会社株主に帰属する四半期純利益3億5千万円を据え置いた。

  • ユーザー通信 214号:DMG森精機 決算説明とハイライトをライブ配信

    DMG森精機 決算説明とハイライトをライブ配信

    売上高4850億円・営業利益370億円に年度業績予想を修正
    補修部品・サービス受注続伸/完全な受注生産へ邁進中

    DMG森精機(本社=名古屋市中村区)は11月7日の12時30分より、森雅彦社長による2019年度第3四半期決算発表のようすをライブ配信した(同社HPにてオンデマンド配信中/11月末現在)。

    1~9月のハイライトとして約40分間にわたり決算概要、事業環境や重点施策等について説明した。

    全社受注は3211億円で前年同月比では22%減だが、業界平均は30%減であり、比較的持ち堪えていると見ている。この背景には、例えばスペインからメキシコへの工場投資等、日本やドイツからの工場進出に限らず、全世界で万遍なくさまざまな工場のトランスプラント(海外現地生産工場)を受けていることが、一定の受注確保に効いていると考えている。

    売上高は昨年来の受注残もあり3493億円。対前年同月比1%減とほぼ同額で推移。営業利益は286億円(同22%増)。

    世界最大の工作機械見本市「EMO 2019」(9月、ドイツ・ハノーバー)では、ますます進展している自動化、デジタル化を表現することができた。

    5軸化・複合化・システム化といった3つの大きな変化により、1台当たりの受注金額が前年度比6%増。

    現在、顧客は買い控えの傾向にあるが、既存設備はかなりの稼働率を保っており、それに関わる補修部品やメンテナンスのためのサービス受注が、前年同期比7%増と続伸している。

    これは、コンスタントな新卒採用から工場で研修を受けたサービスマンを現場に送り込む、また通年採用で他業種からきたサービスマンを6ヶ月程度の研修期間を終えて、各フロントへ送り込むというサービスマンの維持および増員が、ここにきて功を奏していると考える。

    顧客とのコミュニケーションをより密にし、互いに無駄を省き、さらなる高稼働率を達成するために、ドイツおよび日本でWebによる情報共有サービス「my DMG MORI」を開始している。

    一部機種を除き、かなり複雑なシステム化が増えており、これに対応すべく、無駄なネットワーキングキャピタル(運転資本)を削減するために「完全な受注生産」へと邁進中。
    年度業績予想を修正し、売上高は円高にもより目減りするため従来の5千億円に対して4850億円程度となる見込み。営業利益については元々の目標であった360億円を確実に確保し、さらに370億円強を見込む予定。これら数字は受注残が5ヶ月程度分あることから、確実に達成できる数字だと考える。

    見本市の役割―「中原製作所プライベートショー」を紹介

    また森社長は「見本市の役割」にも言及。最近頻繁に説いている「見本市(パブリック)よりも自社展示会(プライベートショー)の重要度が増す」旨強調し、「今後もまめに各地域で最低年に1回は展示会を行い、お客様とのつながりを強化していきたい」とするなか、8月末に2日間行われた岡山市の「中原製作所プライベートショー」について紹介した。

    これは、各地方のDM森精機ユーザーの現場自体を会場とし、DMG森精機の「顧客同士」が情報交換をし、機械購入を検討するプライベートショーで、中原製作所設備のDMG森精機の機械8台、DMG森精機からの貸出機2台を展示した(ちなみに中原製作所は約150台の工作機械を擁するという)。

    森社長は、「メーカーが製品の良さをアピールするより、お客様自身がいろいろと説明することによって、より説得力のある商談を行えるようになってきている。今後は2ヶ月毎くらいにお客様の工場で展示会を行っていきたい」とも示唆した。

  • ユーザー通信 214号:立花エレテック 上期決算発表 減収減益も「好調期のなかの減速期」

    立花エレテック 上期決算発表

    減収減益も「好調期のなかの減速期」

    電機・電子技術商社のリーディングカンパニー、立花エレテック(本社=大阪市西区)は11月8日、2020年3月期第2四半期(2019年4月1日~9月30日)の連結業績を発表した。

    米中貿易摩擦の長期化で中国市場が大きく落ち込むなか、国内経済にも景気の減速感が高まっている市況下、売上高は838億3300万円(前年同期比7・1%減)、営業利益は30億2100万円(同6・4%減)、経常利益は31億5700万円(同11・7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は22億4200万円(同7・6%減)の減収減益となったが、渡邊武雄社長は、「好調期の中の減速期」と表現した。

    セグメント別に前年同期比で見れば、FAシステム事業が売上高で7・4%減の489億1300万円・営業利益で6・9%減の21億4400万円、半導体デバイス事業が売上高で13・6%減の239億3千万円・営業利益で31・5%減の6億2200万円と、主力2事業であるFAシステム事業と半導体デバイス事業が影響を受けた。

    このうちFA機器分野では、国内建設需要の好調を受けて配電制御機器は堅調に推移したものの、半導体製造装置、電子機器組立て関連が冷え込み、セットメーカーの設備投資が大きく低迷したことにより、プログラマブルコントローラー、インバーターが低調に推移、また産業機械分野のレーザー加工機および製造ライン向け自動化設備も減少した。
    半導体デバイス事業も同様の背景から低調に推移したが、施設事業は首都圏では再開発案件や物流施設、関西では病院施設やインバウンドによるホテル需要が増加するなか、要員の先行投資による対応力の面で成果が現れ、業績は拡大した。

    ほか、MMS(メタル・マニュファクチャリング・サービス)分野は部材加工品が大きく伸長し、なかでも立体駐車場向け金属部材および流通向けラックビジネスが大きく寄与し、さらにEMS(電子機器受託生産)分野はプラットホーム可動柵の案件が好調に推移した結果、その他事業全体の売上高については、前年同期比15・9%の増加(23億9千万円)となった。

    なお、通期の連結業績予想については公表済みの、売上高1830億円、営業利益67億2千万円、経常利益70億6千万円、親会社株主に帰属する四半期純利益48億6千万円を据え置いた。

  • ユーザー通信 214号:三菱電機 西日本のレーザー・放電加工機需要は前年同水準で推移

    三菱電機 西日本のレーザー・放電加工機需要は前年同水準で推移

    三菱電機は11月19~20日の2日間、兵庫県尼崎市の西日本ソリューションセンターにて、「メカトロニクスフェア(MMF) 2019 in 西日本」を開催し、目標としていた、放電加工機・レーザー加工機等の受注・成約・内示(5億円)を達成した。

    会期初日の午前には、同社FAシステム事業本部の氷見徳昭産業メカトロニクス事業部長、三竹宏メカトロ事業推進部長、関西支社の山本雅英産業メカトロニクス部長が出席し、産業メカトロニクス事業の概況説明が行われた。

    このなかで西日本を統括する山本部長は、「前年度比で3割減ほどで推移していると感じているなか、今期前半は放電、レーザー加工機については前年とほぼ同水準であり、レーザーでは建築部材の鋼材加工向けを中心に、また放電では高いシェアのバックアップにより、比較的、健闘しているといえる。商談に長期化の傾向があるが、これはお客様の資金繰りの悪化ではなく、この状況の様子見の段階だと思われるため、こういった展示会や企画等で導入意欲を促進していきたい」と直近の市況を語った。

  • ユーザー通信 214号:安田工業 青少年の健全育成で地域貢献 『YASDA 少年サッカー大会』開催

    安田工業 青少年の健全育成で地域貢献

    『YASDA 少年サッカー大会』開催
    ————- 待望の3年ぶり開催に10チーム参加し賑わう———–

     

    安田工業(本社=岡山県浅口郡里庄町、安田拓人社長)が主催する少年サッカー大会(U‐12)第4回『YASDAカップ』が11月10日、岡山県浅口市の寄島三ツ山スポーツ公園で開催された。

    大会の目的は、同社として「地元に何か貢献できることはないか」との考えから実施に至り、2016年に第1回を開催した。しかしその後は、17・18年と2年続けて台風の影響により、残念ながら中止となっていた。

    そんななか、今年は見事な晴天のもと3年ぶりの開催が実現。午前9時から終日にわたり、全10チーム(里庄FC、鴨方SSS、金光JSC、笠岡FC、笠岡中央SS、井原FC、矢掛FC、芳井SSC、アルコバレーノFC、ラファーガFC)参加のもと、予選リーグに続き、順位決定戦が行われた。

    その結果、矢掛FCが優勝。準優勝は井原FC、第3位が鴨方FCの上位順位となった。また個人表彰(監督推薦)では、最優秀選手賞には矢掛FCの佐藤旬くん(小学6年生)が選出され、各チームからそれぞれ1名の優秀選手賞10名が選ばれ、表彰された。

    将来のリクルーティング? にも馳せる思い

    大会事務局を務めた安田工業の大室成弘総務課長は、「私は人事担当(採用)でもありますので、5年後か10年後かは分かりませんが『YASDAカップに出場しました!』という子が、当社に応募してきてくれたら、こんなに嬉しいことはないと思っています。私の密かな楽しみにしております」と後日談を披露し、こういった形での地域との繋がりに思いを馳せていた。

    なお、安田工業は「地域貢献・青少年の健全育成」という意味ではほかにも、遊びのオリンピック『WAZA‐One GP』(ワザワン グランプリ)に設立協賛企業として、「ものづくりの危機を感じている地元の技術系企業」のホーコス、ローツェ、キャステム、アドテックプラズマテクノロジーとともに名を連ねている。

    子どもたちに活力高揚の場を提供することが重要と考え、遊びの技を競う世界大会を日本で行なうことを提唱し、10年以上実施されているワザワンGPは、5種類(紙ヒコーキ、ベーゴマ、めんこ、ビー球、紙とんぼ)の昔ながらの遊びで技を競う。

    福山市のビッグ・ローズ(広島県立ふくやま産業交流館)を会場とするワザワンGPは、2020年は1月26日(日)の開催を予定している。

  • ユーザー通信 214号:日本アイ・ティ・エフ、コーティングセミナー

    日本アイ・ティ・エフ、コーティングセミナー
    「DLCならアイ・ティ・エフ」に自負 ―― 大原社長

    芝原氏(前社長)・菅沼氏(前常務)両顧問らが3テーマを講演

     

     

    日本アイ・ティ・エフ(本社=京都市南区久世殿城町/以下、ITF)による年末恒例の「コーティングセミナー」が11月8日、大阪市北区の梅田スカイビルにて開催され、ユーザー、商社、関係者ら90名が参集した。

    タイトルの英文表記は今回も、「Catch the Stars of Stars!」を3年連続で踏襲し、今年は「パイオニアだからできること」と訳すなか「3本立て」の講演が催された。

    その講演に先立ち、あいさつに立った大原久典社長の話もまた、「4本目の講演」かと思えるほど、端的に同社コーティング技術の歴史、経緯そのものがわかる内容となった。

    大原社長はまず、「今年6月に芝原前社長からバトンを受け、ITF設立以来8代目、令和初の社長に就任し、身が引き締まる思い」と前置きしたうえで、住友電気工業(親会社)からの出向で1985(昭和60)年のITF設立から当初4年間にも携わっていた大原社長は、「20人中の一技術部員として、久世の地でコーティング装置と格闘していた」と立ち上げ当時を振り返った。

    続けて、「当社は昭和末期に誕生し、平成の30年間を経て『DLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)コーティングならITF』とのポジションを築けた。当時はこのようになろうとは思いもしなかったが、90年代に開発していたDLCが日産自動車に採用され、クルマの燃費を向上させたことが、2000年代初頭の非常に大きなトピックだった」と述懐した。

    そのうえで、「当時は水素を含んだDLCが主流だった。そこに水素を含まないDLCを開発、登場させてから16年経つが、現在でもITFの主力商品であり、特に工具と金型における長寿命化には、かなりの自負がある」と続け、「このように、製造ラインの原価低減や製品の差別化、高性能化に寄与するコーティングの進化は、ユーザー様の知恵と声を反映させ、成長してこれたからこそであり、日頃のご愛顧に感謝したい」旨述べた。

    そして本題の講演では第一部として、前社長の芝原和人特別顧問による「『仕事の流儀』と『目指した会社』」、また前常務の菅沼直敏常任顧問による「グローバル化の名の下に(海外駐在員のエトセトラ)」をテーマとし、両顧問各々の経験や知識に基づいた内容が語られた。

    「新しい職場は2年間で卒業」(芝原氏)

    ITFの社長を8年間務めた芝原氏は、「親会社(日新電機)で8回、ITFで4回、計12回の異動経験を持つ」という。そんななか、入社以来40年で培われた仕事の流儀として、概ね、「新しい職場は2年間で卒業」、「『決める』ことが非常に大切」、「「その次は、その次はと『考えぬく』習慣」等を挙げた。
    「最初の事業部とITFを除けば、各部署には約2年の滞在だった。これだけ異動すると2年で部署を変わることに慣れてくる」。
    1ヶ月目は職場の様子を観察、2ヶ月目は実際に考えたアイデアや仕組み(会議の中身や進め方)を試す、3ヶ月目にどんな職場・組織に仕上げるかを描く、4ヶ月目には実行し、2年後に良い職場にして卒業・・・と事例を示しながら、「終わり方を決めないと卒業できない。自分がいなくても組織が活性化した状態が継続できるには、人の育成、組織の成長は欠かせない」などを説いた。

    「グローバリゼーションの本質」(菅沼氏)

    続いて、職歴の中で海外関係の仕事に携わる機会が多かった菅沼氏は、海外駐在員のエピソードなどを交えながら、「グローバリゼーションの本質がわかって説明されるケースとそうでない場合がある。グローバル化には必ず何らかの制約があるとの前提が理解として必要」と強調した。
    加えて、「現地で『いい顔』をして安請合を連発する」、「聞きかじった部分、自分が理解できた部分、そんな重要でない部分を報告書に書いたりする」、「『ああいうお客様をもっと増やせ』という」、「『ここはいいところ』と駐在員の前で連発」等々を、「日本からの出張者に時として悩まされる」こととして紹介した。

    DLC膜の最新応用と可能性―「未来の自動車部品」のターゲット

    さらに第二部として、同社技術開発部 執行役員の三宅浩二氏が「DLC膜の最新応用と可能性」をテーマに、DLC膜の特徴と製法、DLC膜の自動車部品や機械・工具・金型などへの応用展開、最新のDLC応用技術、生産技術改革などについて解説した。

    このうち、最新のDLC応用技術では、「未来の自動車部品のターゲット」として、電動車両部品においては、軸受(すべり、転がり)、ギア、電動ウォーターポンプ、水素摺動部品が電動化に伴い、従来より厳しい、新たな摺動環境におかれ、また「電装部品の小型軽量化、高出力・高効率、EV化により使用条件がますます過酷になり深刻化するといわれている」ことから、ベアリングへやギアへのDLC膜適用、DLC膜による水素脆化抑制、ローラー試験での摩擦係数の比較等々への取り組みなどを説明した。

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