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  • ユーザー通信 第182号 戦略としての「BCPのすゝめ」 8面

    ユーザー通信 第182号 戦略としての「BCPのすゝめ」 8面

    戦略としての
    「BCPのすゝめ」

     

    (前回より続き)

    企業間取引でいまや「必須」のBCP 
    ―全機工連 関西ブロック会議でテーマに

    以上をふまえ、出席者の発言による主な自社事例は、次のとおり(カッコ内は地区)。
     「大手の取引先からは必ずBCPについてアンケートがくる。できないとは回答でいないので、とりあえずは連絡網作成、本社とは別の場所でデータのバックアップはとっている」(福井)
     「災害支援型自販機を設置している。また防災倉庫を会社の外に設置している」(滋賀)
     「緊急連絡網は常に見直している。直近、防災グッズを50人分購入した」(播磨)
     「近隣河川の氾濫に備え、簡単に膨らむ土嚢を入手したい。避難経路と場所をハザードマップで確認している」(姫路)
     「営業所ごとの在庫の分散、緊急連絡網の整備を実施」(広島)
     「中小企業は社長個人に何かがあったときが一番のリスクなので、健康、体づくりに気をつけたい」
     「落下の危険がある看板類を外した」
     「緊急時の資金繰り、この1点に絞りたい。まず自分(経営者)を大事にしたい。自分が生きていれば復活もできるだろう」
     「岡山営業所が隣の延焼に遭い、高松営業所は水害、熊本営業所では社員の家が損壊、とひと通り経験し、まず保険をしっかりかけることが大事だと再認識した」
     「全社員の机に畳めるヘルメットを常備した」
     「自動販売機ベンダーとの交渉を早速行いたい」
     「まず各部屋への消火器、発電機、毛布類の配置を徹底した。災害時に一番大事なのは、やはりお金」
     (以上7件、大阪)。

     今回の会議のなかで、BCP=事業継続とは、後継者問題? かと思った・・・」旨の発言があった。
     業界にとっては、これこそ真のクライシス? 案外、言い得て妙だったかもしれない―。
     

     

     

  • 戦略としての 「BCPのすゝめ」  企業間取引でいまや「必須」のBCP  ―全機工連 関西ブロック会議でテーマに

    戦略としての 「BCPのすゝめ」 企業間取引でいまや「必須」のBCP ―全機工連 関西ブロック会議でテーマに

     3月11日といえば、東日本大震災の発生から6年となるが、1ヶ月前の2月9日、全機工連(全日本機械工具商連合会)の関西ブロック会議がシティプラザ大阪(大阪市中央区本町橋)で開かれた。
     折しも、その1週間後には、事務用品通販会社の倉庫火災が延々6日間続くニュースもあっただけに、今回の議題、「BCP(事業継続計画)について」は、否が応にも考えさせられるテーマとなった。
     事業継続計画=BCP(Business continuity plan)とは、「企業が、災害や事故などの予期せぬ事態の発生で危機的状況に陥った時、限られた経営資源で最低限の事業活動を継続、あるいは目標復旧時間内の再開を果たすために、事前に策定される行動計画」である。
     前西孝夫(エバオン会長)全機工連会長および大阪機械器具卸商協同組合理事長、河田徹(河田機工社長)関西ブロック長両名のあいさつ、全機工連 一條茂事務局長の報告、経営コンサルタント 平松直起氏の講演内容、そして会議出席者(卸商、直需店、関係者ら35名)の発言内容を総合すれば、次の通りとなる。
     
     BCPについて全機工連では、昨年10月の全国大会(東京大会)や、今年の年頭所感などでふれているが、その大きなきっかけとなったのが、昨年4月の熊本地震だった。
     熊本組合によれば、その際、事業継続計画活用の取り組み方いかんによって、復興の企業差が出たという。
     昨年はほかにも、茨城の水害、北海道の台風被害、鳥取地震、最後に新潟・糸魚川大規模火災など、災害が立て続いた。
     被災すればゼロからではなく、実質は、マイナスからの出発になってしまうのだが、大企業はともかく、中小企業にとっては、災害を想定したBCP策定の必要性を感じつつも、個々の会社で取り組む土壌が、なかなか出来ていないのが現状である。
     「Continuty」は継続の意味。継続のプランする―は10年前では、海外では多かったものの、日本ではほとんど出来ていなかった。
     だが最近の国内大手企業では、BCPを策定している企業と取り引きしようという、立派な「戦略」として考えられている。
     何か有事の場合、その会社が果たして復帰できるのか? などが取り引きの基準となり、ペナルティ制度を設ける会社も出現している。


     東日本大震災で痛手を被ったのはデンソー系、つまり自動車産業が多かった。自動車メーカーの生産が滞るなどさまざまな影響があったが、ならば事前にBCPをしっかり策定し、その上での取り引きを円滑に行っていく、それが今後の企業としてのあり方ではないか。
     東日本大震災以降、こういった動き、「BCPの大切さ」が大手企業を中心に構築されていっており、いまやBCPを策定していなければ、サプライチェーンとして繋がっていけない・・・というところまできている。
     企業とはまず、「継続することが大事」。
     BCPは、自社(社内)向けの計画と対外的な計画に大別されるが、これが正しいという形式は存在しない。「相手方に理解いただける」というものであればOKである。
     「予期せぬ事態の発生」には、パンデミック(感染症、伝染病)やインフルエンザも最近では入ってきている。
     30人規模の会社で、例えば、インフルエンザで10人休めば運営が厳しなる。こういった際に、誰もが複数の仕事がこなせるようにローテーション制度を採る、また上司の代行ができる社員配置など、役割分担を機能させるのもBCP。
     「危機的状況」とは倒産である。阪神淡路、東日本・・・被災で倒産となったケースも多い。資金面カバーができない、客離れが進む、といったなか、東日本大震災では「3ヶ月で復帰」できるかどうかがポイントになった。
     併せて、企業間連携も大事な要素になってくる。
     以上のことから、BCPとは簡単にいえば、「何かあった場合に『ひと・もの・かね』をどのようにしていくかの計画をつくる」となる。
     さて、災害発生時の心配事となれば、直需店からすれば卸商からの商品供給の状況である。
     トラスコ中山では、営業拠点全国73ヶ所、物流センター全国19ヶ所の存在自体が、それこそリスク分散の象徴といえる。
     建物の免震構造や避難訓練の実施のほか、特筆すべき点では、東京本社の浸水対策(防潮板)は、津波はもちろん、所在する新橋は集中豪雨の可能性が非常に高いエリアであることにも起因する。また電気設備は、通常は地下に入る場合が多いが、浸水時に備え全て屋上に設置している。
     加えて、電力は2系統引き込みを実施、ビル窓の下にダンパーが入っており、夏場に空調が途絶えた際の自然空調を可能にしている。
      さらに、昼食用弁当は食中毒に備え、2~3社の複数業者から購入しリスク分散している。
     ジーネットでは、グループ会社合わせ百数十台設置のある飲料自動販売機業者に対し、良い条件の1社にまとめるコンペを実施したところ、こういった場合には、備蓄水・食料すべての提供、賞味期限の管理、安否確認の負担といった、さまざまな事柄をコストをかけずに出来てしまうことに、あらためて気付かされた。
     このことから、自販機ベンダーとの交渉を有効活用することを薦めながらも、「背伸びした危機管理は会社をおかしくする。諦めるところは諦めなければならない」とも説いた。
     

    (次回に続く)

     

  • 第8回『UMモールドフェア』アフターJIMTOF 主催者の植田機械 植田修平社長インタビュー

    第8回『UMモールドフェア』アフターJIMTOF 主催者の植田機械 植田修平社長インタビュー

    IoT推進の流れは大きいが・・・『人はもっと機械の前に立とう!』
    見どころは「機械単体の能力を引き出す技術、取り組み」

    2016年11月17日~22日にわたり、東京ビッグサイトで開かれた「JIMTOF2016」(日本国際工作機械見本市)に出展された最新鋭工作機械・機器が勢ぞろいし、『第8回 UMモールドフェア』として、1月27日(金)~28日(土)の2日間、インテックス大阪5号館(大阪市住之江区南港北)にて、植田機械の主催、(一社)日本金型工業会・(一社)金型協会・近畿鍛工品事業協同組合の後援により開催される。植田修平社長としては2度目の開催となる「第8回 UMモールドフェア」。今回に臨む思いを問うたところ、「西日本の皆さまに、JIMTOTOF2016に出展した各メーカーの最新機種・機器をご覧いただきたい、その場を提供したい」との基本は不変と即答した。過去最高となる14万7千6百人を動員したJIMTOF2016(以下、JIMTOF)だったが、植田社長は事後の感想を、「気持ち的に非常にプラスになりました」と話す。「今回のJIMTOFを見渡し、確かにIoT化、IoT推進は大きな流れではあるが、我々商社としては、もっと人が機械に近づいて、機械単体での能力を引き出す取り組みを見せなければ、差別化はできないと感じました」。
    IoTとなれば一見、どんどんと人が離れていくイメージだが、逆に、「結局、機械を使うのは『人間力』。人がもっと機械の前に立ち、もっと機械に近づくことによって、何ができるのか? をPRしていきたいと思いました。それがお客様にとっての差別化に、また商社として情報提供の差別化にもつながる。当社の得意とする分野、生きる道は、その方向です」と続ける。つまり、今回のUMモールドフェアでは、「単体機の能力を引き出す技術や取り組み」が見どころだと捉えている。そのうえで、「そういった意味では、当社は固有機械への『情報提供』を懸命に行っていきたい。欲している情報を提供できるステーションであり続けたい。当社の仕事は間違いなくその部分。『我々はなぜ必要とされているのか?』ということを、UMモールドフェアにご来場の方々、また出展社の皆さんとも共有していきたい」とする。
    関西では「アフターJIMTOF」展としてすっかりおなじみとなっているUMモールドフェア。そもそもはJIMTOFの開催が東京集中に転じた(2000年以降)ことがきっかけとなり、関西以西の方々に、「それなら我々が大阪で何とかしましょう!」との「心意気」から企画され、スタートした。以来、「複数でいっしょに来て、落ち着いて見られる」「まとまっており、非常に見やすい」と評価する声が相次ぎ、出展機器の「選りすぐり感」も増すなか、今回で足掛け16年、第8回の開催を数える。

     


     

  • 第7回 私だけのスカウティングレポート

    第7回 私だけのスカウティングレポート

    第7回
    私だけのスカウティングレポート

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    タンガロイ
    木下聡社長

    「開発者」比率は全従業員の10%

    IMC流「枠を超えた発想を持つ」に学ぶ

    英語教育など「自前」の人材育成も「長い目でのブランディング」


    【リード】
     JIMTOF2016で、『倍速切削』を実現する最新イノベーションを提案したタンガロイ(本社=福島県いわき市好間工業団地)。出展ブースにて、木下聡社長に同社の「人材」にまつわる話(戦略、採用、育成など)をランダムに聞いた。
     2008年のIMCグループ入りから丸8年。タンガロイの過去・現在をふまえながら、木下社長は、「企業風土の変革が完了しつつある」と口火を切った―。


    【本文】
     ―IMCグループ会社となりタンガロイ「らしさ」は変わった?
     木下 変わりましたね。人の問題も含め、結果的にはすごく良かったと思っています。「言われてやる」人ではなく、自分から「何をやりたい」という姿勢へ、8年が経過し、ほぼ完了しています。
     元々は日系企業として、それこそ「どっぷり」と日本文化の中で生きてきましたが、輸出が65%を占めるなか、「真面目に、素直に」取り組む日本人の良い面は守りつつ、「アグレッシブにチャレンジする」姿勢に変わりました。いまではまた、ピラミッド的な体制ではなく、役職で人を呼ばないフラットな組織となっています。私も社長ではなく「木下さん」ですから。
     ―企業風土の変革では当初、腸捻転のような時期もあった?
     木下 そうですね、難しかったと思います。私は2014年に社長に就任したので、変わりかけていたのを少し変えただけですけど、当初はやはり語学(英語)と「考え方」の問題がありました。何かにつけ素直に「はい」というのは日本人の良さでもありますが、そうではなく、「自分からアグレッシブに提案していく必要性」へとマインドを切り替えるには、少し時間がかかったと思います。
     ―マインドの切り替えは、元々タンガロイの人材にその素養があったのか、それともIMCの方針が強力だったのか?
     木下 どちらかといえば、6対4の割合でIMCの方針ですね。正直、最初は「強制」だと思いました。ですが、結果的に世界のマーケットで成功しているメーカーの方針、行動は間違っていないと、ある時期に信じ始めたのです。
     製造方法においても、かつてのタンガロイでは自動車メーカーのような1個流しでしたが、いまはロット生産になっていますし、工具材料で勝負していたISOインサートなど、そうではなく、「枠を超えた発想を持つべき」だと学びました。そのなかで、日本人の精密さや真面目さが完成度を高めています。
     輸出が98%を占めるイスラエルの企業には、世界で活躍していくなかでの「商売の上手さ」と、「自分たちで差別化できるものはどんなものでも開発し、それをつくるのが製造」だという姿勢が宿っています。我々にも、「開発は枠を超える、製造はそれをなんとかつくらなければならない」という企業文化が息づき、回り始めました。

    企業成長のベースは「良い製品の開発」

     ―人材の構成面で、企業文化が変わった象徴は
     木下 開発者の構成比率がどんどんと増えていることです。人員として全従業員(1500名強)の約10%、開発に関する投資額は売り上げに対し約5%です。「良い製品を開発する」ことは企業成長のベースになるので、「良い発想が眠らないように」しています。これが企業文化が変わった大きな要素です。
     開発、製造や販売含め、いろいろなことにチャレンジしたいとの思いは過去からあったと思いますが、旧来は(やりたくても)そういう企業文化ではなかった。それを実現化させてあげるように導く。人は成功体験をすれば「またやろう」となりますから。
     ―良い意味で「調子に乗る」ということですね。
     木下 実際に、若い人材が何億円の売り上げをつくるような製品を開発し、成功体験をしています。製造部門は開発されたものを、どれだけコストパフォーマンス良くつくるかをミッションとします。

    開発陣は「平均年齢28歳」の若さ

     ―開発部門の平均年齢、トレーニングについて
     木下 特に開発陣は若く、平均年齢は28歳くらいです。機械系技術者のトレーニングは自社(自前)で、工作機械を使っての実践など、1年をかけて行います。実際にマシンで切削工具を使うことにより、お客様の立場に立って考えられるようになる。このことが発想を生むと思っています。
     いま、学生のカリキュラムには、「自分で工具を使う」がもう入っていない。そういったなかでどうしていくのか? お客様のなかでも「工具技術者」の数が減ってきているので、工具メーカーがそこまでサポートをしていかないと、実際の、本当の意味での切削工具の使い方がわからない状態です。

    自動車メーカーへの駐在で「人材育成」

     ―自動車メーカーへの駐在は、現在でも続いている?
     木下 はい、これも人材育成のひとつといえます。お客様の現場で2~3年働き、調達の仕事も手掛けますが、エンジンや足回りの加工、カイゼンやラインオフを行うことにより、また成長する。そのあとに当社の開発部門に戻す。
     逆に、開発で実績が出たあとに、自動車メーカーや航空宇宙産業メーカーに在籍し、そしてまた開発に戻る。これはお互いのメリットになっています。
     ―この方針は昔も今も変わらず
     木下 むしろ、かつてよりも「深く」なってるといえます。それは技術サポートも含めた、マーケティング活動を重要視しているからです。

    「人はスピードで成長する」

     ―IMCグループのマーケティング活動、特に、コンペティター追随の「速さ」には定評がある
     木下 コンペティターの情報収集は日々、技術者にアナウンスしており、「それ以上の、超えるような」製品を開発する動機づけはしています。製品開発では、かつて、2~3年かかっていたところ、いまでは半年くらいでほぼ開発できるようになっています。世の中はスピードの変化も激しいですし、やはり人材も、スピードというもので成長していくとの思いはあります。
     また、トライ&エラーではなく、3Dプリンタの活用など、解析技術を使い始めたことも速さにつながっています。そこが差別化できない限りは企業存続はできません。開発に関しては投資を続けていきます。

    重要さ増すメーカー営業としての技術教育

     ―営業マンの人材育成について
     木下 国内の営業職(国内の営業マンの人員構成比は全従業員比8~9%)については、他メーカーより多い人員を配置していますし、技術者協力をしています。単に商品を届けたり、値段交渉といった「かつての商売スタイル」ではなく、本当の提案型セールスエンジニアになるための人材教育が必要です。
     「切削工具はもっと難しくなってくる」なか、お客様の工具専門知識をフォローするため、提案営業を推進するためには、営業マンが「メーカー営業としての技術者」でなくては困ります。そのため、新製品が出るたび、頻繁に、技術営業の研修を施しています。実際に営業マンも旋盤やマシニングセンタの前に立ち、新製品を学んでいます。
     ―提案=「生産性を上げる」ですね
     木下 そう、1・5倍、2倍のアウトプットを出すことにより「信頼関係」が結ばれます。eコマースでの購入では「自己責任」が先に立つ。営業の技術教育は年間通じ多くの回数を実施しているが、これからも非常に重要になってきます。
     ―対象は
     木下 全員です。新入~2、3年目までの社員は月2日の合宿にてケーススタディを実施。3年目以降の社員は新製品の特長や使い方、産業別に対するアプリケーションなどをマスターします。いわき本社工場と名古屋工場で、エンドミルならエンドミルが折れるまでといった、そういった実体験が大事です。

    「日本人が居て、役に立つ国と立たない国」

     ―海外の人材戦略
     木下 海外には750名がいますが、うち日本人は10名です。欧州には日本人は居ませんが、これもマーケティングの考え方からで、「日本人が居て役に立つ国と役に立たない国がある」からです。タンガロイは現在、海外に27の現地法人を擁していますが、全ての社長が現地の人です。
     日本メーカーの工具は世界で一番だと思います。だからこそ、ターゲットが海外の日系企業ではなく、現地企業をターゲットにしたとき、日本の工具をローカル企業に使っていただければ、まだまだマーケットは日本メーカーでカバーできるとの考えからです。日本ではあまり使われない工具でも、世界に出してみれば使われる。そういった情報を得て開発につなげる。こういうマーケティングの展開には現地の人が適任だからです。

    新卒より主流になりつつあるキャリア採用

     ―新卒採用について
     木下 今春は20名強の採用でした。来年度は少し減らす予定ですが、その間、それ以上にキャリア採用を行っています。そのあたりにも「外資系の考え」が浸透してきています。かつては主流だった「新入社員を育てる」ことは、それはそれで重要であり継続しますが、いろいろな産業、業種での経験を活かし転じてもらえる人を探しており、年間10~20名は採用しています。
     海外ではキャリア採用の方が主流ですから、だんだん日本も変わってきたということです。キャリア採用ではさまざまなアクションの取り方があるので、いろいろな企業文化を経験した方で、「タンガロイがいい」と思ってくださればありがたい。
     ―キャリア採用では英語は必須?
     木下 タンガロイのなかで海外とのコミュニケーションは英語なので、英語は話せた方がいい。なお、当社では1名、日本語は話せないネイティブの米国人を英語教育担当として採用しており、社内で「自前で」英語教育を行っています。
     近年では、このJIMTOFブースのような設計や、広告など全て「自前」で、ブランディングをつくりあげています。自前の人材育成も、「長い目でのブランディング」ということです。

  • ユーザー通信179号 年末~年初は「アフターJIMTOF」へ

    ユーザー通信179号 年末~年初は「アフターJIMTOF」へ

    年末~年初は「アフターJIMTOF」へ

    植田機械『UMモールドフェア』(来年1月)など商社・メーカー各地で催す

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     14万7千6百人を動員し、「JIMTOF2016」が終了した。「2年に一度」の恒例ながら、業界の流れは、「アフターJIMTOF」へと向かう、
     商社・ディーラーでは、工作機械・ソフトウェアの総合コーディネート商社、植田機械(本社=東大阪市長田東、植田修平社長)は、来年(平成28年)1月27日(金)~28日(土)の2日間、インテックス大阪(大阪市住之江区南港北)5号館で、第8回『UMモールドフェア』を開催する。
     関西では「アフターJIMTOF」として、すっかりおなじみのUMモールドフェアは、「世界に通用する国内製造業のものづくりのあり方を、じっくり見直すことができる」工作機械、ソフトウェア、測定機器などの展示、実演を提供する。
     今回は▽機械・装置関係27社▽CAD/CAM/CAE関係11社▽ツーリング、治工具関係、測定関係16社▽精密金型部品加工6社▽その他11社の計71社が出展を予定している。
     なお、本紙次号(2017年1月・新年号)では詳細、見どころなど、特集記事の掲載を予定している。
     また、広島県下、備中・備後、瀬戸内海エリアをカバーする有力機械工具商社のマルヨシ(本社=広島・府中市府川、金野博旨社長)は、こちらも恒例の『AFTER JIMTOF 2017』を、2017年3月3日(金)~4日(土)の2日間、福山ビッグローズ(広島・福山市御幸町)にて、今回はハイテクノロジー、ハイパフォーマンス、ハイクオリティの3点をコンセプトに開催する。
       □ □ □
     一方、メーカーでは、ヤマザキマザックが『JIMTOF2016 アンコールフェア』として、12月9日(金)~10日(土)の2日間、ワールドテクノロジーセンタ(岐阜・美濃加茂市蜂屋町)を中心に、次世代加工技術と切削技術を融合させたハイブリッドマルチタスキングマシンをはじめ、JIMTOFで発表した新技術、新製品を再び公開する。
     このほか、タイトルに冠こそしていないものの、自ずと「アフターJIMTOF」的な色合い、意味を持つこととなるプライベートショーが控える。
     三菱電機は、テーマそのものを踏襲するかのような、「Manufacturing Tomorrow‐未来のものづくり」をテーマに、二次元ファイバレーザ加工機など最新技術、ものづくりへの新提案を多数紹介する『三菱電機メカトロニクスフェア(MMF)』を、12月中旬~来年1月中にかけ開催する。
     12月9日(金)~10日(土)の2日間、来年1月に開所10周年を迎える西日本メカトロソリューションセンター(兵庫・尼崎市長洲西通)で口火を切り、12月15日(木)~16日(金)の名古屋製作所・FAコミュニケーションセンター(名古屋市東区矢田南)、来年1月26日(木)~27日(金)の東日本メカトロソリューションセンター(さいたま市南区沼影)へと続く。
     国内主要都市における地域密着型のプライベートショーの開催に注力するDMG森精機は、4月の金沢開催に続き、12月15日(木)~17日(土)の3日間、中国エリア最大規模の『DMG MORI 岡山 プライベートショー』をコンベックス岡山(岡山市北区大内田)にて開く。
     三井精機工業の恒例、『MTF(MTSUI TECHNICAL FAIR)』は今回、来年2月がスタート。
     ▽2017年2月7日(火)~8日(水)=本社工場(埼玉県比企郡川島町)▽2月14日(火)~15日(水)=名古屋会場(ポートメッセなごや/名古屋市港区金城ふ頭)▽3月7日(火)~8日(水)=大阪会場(花博記念公園鶴見緑地「水の館」/大阪市鶴見区緑地公園)がその日程。

     

  • ユーザー通信178号 オールザッツ JIMTOF2016 part2

    ユーザー通信178号 オールザッツ JIMTOF2016 part2

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     史上最大の規模で、『JIMTOF2016(第28回 日本国際工作機械見本市』(主催者=日本工作機械工業会、東京ビッグサイト)が、10月17日(木)~22日(火)の6日間、開催される。
     会場の東京ビッグサイト(東京・江東区有明)には新たな展示棟の東7・8ホールが誕生し、約1万2千㎡の展示面積が増加した。拡張された総展示面積10万㎡全館を、はじめて利用するがJIMTOFとなる。
     今回展には、世界21ヶ国から969社が出展、5518小間はJIMTOF史上最大となった。

    海外からの出展が前回より65%増える

     なかでも、海外からの出展社は前回比65%増の143社、全体比率で約2割を占める。なお、新棟の東7ホールが海外出展社ゾーンとなる。
     目標来場者数は14万人(過去最高は2008年の14万2千人)、うち海外からは1万1千人の来場を見込む。
     10月5日、メルパルク東京(東京・港区)では主催者側の記者会見が開かれ、日本工作機械工業会の石丸雍二専務理事と東京ビッグサイトの及川繁巳常務は、見どころや展望について、概ね、次の旨を語った。
    *  *  *
     IoTを活用した生産体制、インダストリー4・0(第4次産業革命)、自動化、これらの複合技術―と、世界の製造現場ではさまざまな新しい動きが始まっており、ITを存分に活用した「つながる工作機械」が、新しい技術の展開となっている。
     こういった新しい技術の「潮流」に遅れることなく、また、時代に先駆けて新しい技術開発を行っていかなければならないと強く感じる。
     先頃、ノーベル医学・生理学賞を受賞した大隅良典栄誉教授(東京工業大学)は、「人がやらないことをやる、地味なことでも着実にやり続けること」この2つが大事だと説いているが、工作機械の技術開発においても、日本が世界に先駆け、世界がやっていないことを着実にやり続けることが、非常に重要な要素であると強く考える。
     今回のテーマは、「ここから未来が動き出す」(The future starts hera)。
     ぜひ、「新しい工作機械づくりの潮流」を感じていただきたい。
    *  *  *
     また、9月の米・シカゴでの「IMTS」でも、IoTを意識した展示が目立ったことをふまえ、「IoTを工作機械ユーザーがうまく活用できるか否かにより、勝ち負けが左右されるかもしれない、そんな、IoT時代のJIMTOFの位置付けとは」との質疑に対し、「IoTに対して各社はどういったソリューションを提供し、しのぎを削るのか。その意味では、非常にエポックメイキングなJIMTOFになる」と応答した。
     ほか、世界から工作機械関連の研究者、技術者が集う、「国際工作機械技術者会議(IMEC)」や、恒例の全国から学生約600名を集めての「工作機械トップセミナー」など、各種講演、セミナー、企画展示といった併催行事。加えて、より多くの来場意欲を喚起するため、マッチングシステム完備による商取引機会の創出策などの充実ぶりが伝えられた。

    飲食・休憩など来場者サービスも向上

     ちなみに、新棟の東8ホールには、特設レストラン「JIMTOF Kitchen」がオープン。屋内外には計2千5百人分の休憩所を増設するなど、来場者サービスの向上が図られた。
     会場内はブース、通路のみならず、毎回、食事処の「長蛇の列」は万人共通の喫緊の課題だったため、この取り組みは何より嬉しく、ありがたい―と、最後は、強い来場者目線で語ってみた。
     

     

     

     

  • ユーザー通信177号 オールザッツ JIMTOF2016 part1

    ユーザー通信177号 オールザッツ JIMTOF2016 part1

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    オールザッツ ジムトフ


    今年これまでの当業界の展示会を、パブリック、プライベート問わず概観する限り、来月に迫ったジムトフ2016もまた、「IoT」「インダストリー4.0」「スマートファクトリー」「工場の見える化」「ロボット」「機電融合」・・・といったキーワード、見せ方が「百花繚乱」だと予想される。


    そんななか、「今年のジムトフで、見たいこと」について、かねてより、ほかの展示会場などで取材、ストックしてきた声をランダムに列記してみた。


    ● ジムトフでしかお目にかかれないような海外メーカーの切削工具を見たい。
    ● 切削工具、機械ともども、各社が昨年発表した新製品の中で特に力を入れられた製品の「その後の評価」を見たい。
    ● 産業で見れば航空機産業がトレンドだが、マーケットが狭い。やはり、自動車関連にまつわるところを集中的に見たい。
    ● 新製品、新商材を問わず、製品そのものよりは、今までに遭遇したことのないような「メーカー」を見たい。
    ● 切削工具メーカーの「IoT」への、実用化を見たい。
    ● 昨今、ドリルやエンドミルの新製品が発表されても正直なところおそらく、驚愕するような効果はないと考える中、「コーティング」の改善、革新ぶりを見たい。
    ● おそらくどこを見ても「コラボ、コラボ、コラボ」の見せ方だろうが、それぞれのコラボをしっかり見たい。
    ● 工作機械関連のツーリングを「研究」目線で見たい。
    ● 前回もそうだったが、キャプトはじめ、工作機械の新機種に搭載してのツーリングのアピールが目立つと思うので、工作機械メーカーのブースを集中的に回り、「一挙両得」的に見たい。
    ● ユーザーによる切削工具の内製化が著しいようだがこの動きについて、また、拡大していく可能性について、工具メーカーのとらえ方、姿勢を見たい。
    ● 常連組ではない、切削工具で、「アウトロー」的な出展者を見てみたい。
    ● 切削工具では目玉はないのではと推測しているが、「シュミレーション」というキーワードが盛んに出てくる中、よくわからない、その「実感」を見たい。
    ● 65歳以上が25%以上を占める世の中を考えると、やはりロボットか。労働人口減少を考えれば、先々もロボットメーカーは「大丈夫」。その「大丈夫さ」を見たい。

     

  • サンドビックユーザー「光陽機械製作所(広島県福山市)」

    サンドビックユーザー「光陽機械製作所(広島県福山市)」

    141SV1 例えば、チョコレートは1兆円産業といわれるが、その内、5千億円はバレンタイン市場だといわれる。それを鑑みれば、食品自体の市場は元より、取り巻く機械産業も含め、その市場規模はとてつもなく広く、大きいとの察しがつく。

     

     

    写真:「ステンレスが大半」の加工を支えるサンドビック製切削工具

     

     そんな中のひとつに、食品加工機械メーカーの光陽機械製作所(広島県福山市)がある。
     バームクーヘン焼機、巻きせんべい自動充填機、ピザソース塗布機・・・と、同社の製品群をザッと見ているだけでも、正直「楽しい」。製造できる食品例でも、シュークリーム、ロールケーキ、プリン、蒲焼・焼鳥タレ、コンビニのおにぎり、レンジ麺、食べるラー油等々と続くから、なおさらだ。
     このような菓子類、パン類などの「注入・充填・塗布・絞り」といった、製造・加工作業を効率化できる機械、装置の製造・販売を手掛ける同社は、特に「充填」分野への特化で、業界内での地位を揺るぎないものとしている。
     元々は、さほど競合他社は多くないとのことだが、「最近では塗布、絞りなどの分野のニーズも増えてきているが、やはり、充填分野のニーズは比較的多いので、特化した中での同業他社の追随が増える中、競争は激化している」と近況を話す、同社機械課の小畑伸夫氏。
     そんな中、「当社製のカートリッジポンプが、ここ10年以上、高いシェアを取っており、どちらかといえば『追われる』立場」だと続ける。
     「当社製のポンプは『分解・洗浄性』に優れた構造を採用しており、これが長く評価されているポイントだと思う」と自社の特長に触れるが、何よりの「強み」として挙げるのが「自社製造」という点だ。
     「大体が委託生産で、製造工場、加工現場を持っている他メーカーは少ないと聞いている。その点、自社製造の当社では部品供給などのスピードも速い」。
     業界でも稀少な「自社製造」の現場では現在、NC旋盤2台、複合旋盤1台、マシンニングセンタ2台(以上、ヤマザキマザック製)、横中ぐり盤(東芝機械製)が軸となり活躍しており、「特殊な刃物というよりは、基本的な旋盤チップをメインに使っている」という切削工具は、サンドビック製が多くを占めている。
     かつては、複数の国内他社メーカー製が主流だったが、「ユーザーさんからの『短納期、コストダウン』といった要求の高まりを考慮したとき、やはり、切削スピードが不可欠となってくる。だからといって、周速を上げれば良いというものではなく、刃持ちも良くなければ困る。そういった追求をしていくうちに、サンドビック製品に行き着いた」と、導入経緯を語る。
     約10年前、NC旋盤の新規導入時に「加工能力がアップすると思う」と、出入りの機械工具販売店から、併せて提案を受けたのが最初のきっかけ。以降、急速にサンドビック製品の使用シェアは増していった。
     「短納期、コストダウン」に跳ね返る追求をした結果の採用だったが、当初、製品の「割高感」という世間的なイメージに対しては、やはり、気にかかったとも振り返るが、「そういった面よりも『お客様にしっかりとした製品を提供したい』という意識が凌駕している」と言い切る。
     また、サンドビック製品の優位性は、食品関係「だからこそ」のバックボーンによるところも大きい。それは「ステンレス加工」が大半だということだ。いわゆる「錆びない」など「食品衛生上」ステンレスが使われるのは必須だ。  「鉄系材料に比べ、切粉処理が難しい。穴あけにしても、巻き付きやすい。穴ぐりでも、出てこない。当然、刃物の寿命が悪くなるなど、とにかく『ロス』が多い」。
     以前は「あまり、むちゃはできない」と、切削スピードや送り速度を落とすなど「苦戦していた」が、現在、旋削用チップ(2025、1125など)、肩削り用カッター『コロミル390』、正面フライスカッター『コロミル245、345』、刃先交換式ドリル『スーパーUドリル』、溝入れ用チップ『Q‐カット』等々を日々、駆使する中、「明らかに効率が上がった」というサンドビック製品に対し、「『注入』分野では、穴ぐりが重要。細物・小物ワークが多いので、小径のレパートリーをさらに充実させてほしい」との要望も付け加えながら、「刃先の信頼性を感じている」と絶賛する。  近頃のテレビ番組では、食品メーカーの製造工程に「潜入」し、バラエティ化する傾向が多く見受けられる。それらを見るにつけても、「お客様からの提案は尽きない」(小畑氏)との言葉にはうなずくばかりだ。今秋、新たな機械棟が稼働予定であり、ますます「強み」に拍車がかか
    ユーザー通信141号(2013.9.1)掲載

  • ミツトヨ製三次元測定器ユーザー「友栄精密(大阪府富田林市)」

    ミツトヨ製三次元測定器ユーザー「友栄精密(大阪府富田林市)」

    139mitsutoyo2 友栄精密は各種機械部品、試作品などの加工・制作を単品から量産まで対応し、何より、材料手配から切削加工・熱処理・表面処理・研削加工・型彫・ワイヤ放電・仕上げ加工・検査といった、生産全工程を「一貫生産」、「一社完結」する体制を最大の強みとしている。

     

     

     


    写真:スクロールの制度測定

     試作では空調器用精密部品、光学部品、水力ポンプ部品、自動車部品、機械部品、また量産加工では半導体用部品が取扱製品となるが、この強みは同社にとっては、兼ねてより「あたり前の仕組み」であり、昨年秋に出展した「関西機械技術要素展」では、また新しい顧客を引き寄せる大きな要因ともなった。しかもその企業は「お膝元」ともいえる場所に所在する、世界有数のアウトドアスポーツ用品会社(※ウィキペディアによる表現)だ。
     「灯台下暗しというか・・・正式な取引までには時間も要したが、このような大手さんでも『旧来の外注のお抱えでは、ものづくりは変わらない』との意識で、常々、新たな外注先を探している。それに当社が叶ったということで、まだまだ『困り事』が多いのだなと実感している」。
     そんな同社が位置するのは大阪南部の富田林市。多くのプロ野球選手を輩出した高校野球の名門校や、日本最大級と称される花火大会など、ある意味「稀有な存在」が目立つ同市だが、友栄精密もまた同様。
     その筆頭格が「スクロール加工」であり、この仕上げ加工が出来るのは「関西に2、3社しかない」というから、まさしく希少だ。
     「入社当時(25年前)は、開発品の仕事で、某空調器メーカーへの、完全に『一社依存型』だったが、そのメーカーが拠点を中国、タイに移すに連れ、自社開発に切り替えたことで、一気に仕事がなくなった」。
     時は折りしも、大手家電メーカーの再編期でもあった。だが、これが奏功する。
     「自社開発が手一杯となった親会社メーカーが、当社のスクロール加工技術に白羽の矢を立てた。その後はやはり、冷熱関係での電機メーカーにも取引を拡大するなど、当社が『生まれ変わった』のがこの時期(2002年)でもあった」。
     こういった変遷からも、スクロール加工の外注が育たなかった原因のひとつは、メーカーでの内製が多かったためとの背景が伺い知れるが、また別に「測定能力が必要」とも指摘する。
     「スクロール加工には高精度保証の裏付けが必須。かつては、渦巻部輪郭精度は±10μmの時代だったが、今では、その精度は±4μmの世界。加工はもちろん、測定にも非常にノウハウがいる。お金は生まないが、保証はしてあげないといけない(笑)」
     同社では、量産対応型複合加工機『SuperNTY3』(中村留精密工業製)など、昨年だけで総額約2億5千万円の設備を投資したが、その中では、ミツトヨ製三次元測定器『Crysta‐Apex S544』も導入され(*ミツトヨ製検査設備は全9台所有)、研削部門として99年にグループに加わった、トキワ精工(大阪市西成区)内に、現在は設置されている。
     「対顧客のみならず、製品をつくるための自社設備精度の維持、把握にも効果を発揮している。もちろん、精度保証が出来ることにより、様々な受注が伸びているのは確かだ」。
     現在、同社は「難形状」「高精度」「難削材」(チタン、アルミなど)を3本柱とするが、「大阪府内で、なんでもかんでも削れるところは少ない」と繁木工場長。Crysta‐Apex S544の存在もまた、その自信に拍車を掛ける。  尚、設備投資では11月にも5軸MC『DMU85monoBLOCK』(DMG製)の新規導入を予定している。この様子を「設備投資は、以前は3年に一度の更新がやっとだったが、ここ5年では、新会社をつくったのと同じようなもの。リーマンショック後、『ドサ回り』のように、1ヶ月で30~40件を新規営業し、情報が豊富になったことや『宝くじに当たったような仕事』などもあったことなど、すべてに甲斐があった」と最後は、営業部長兼任の顔も覗かせた。
    ユーザー通信139号(2013.7.1)掲載

  • シギヤ精機製作所製ユーザー「和光技研工業( 愛知県)」

    シギヤ精機製作所製ユーザー「和光技研工業( 愛知県)」

    138shigiya1 「B787」の商業運航再開が、目前と言われている。自動車関連を中心とした国内の加工現場の回復が、じりじりとしか進んでいない状況を見ると、航空機関連産業の活性化につながる情報は喜ばしい話だ。特に、工具メーカーにとっては、関心事が高い。
     愛知県刈谷市の和光技研工業は、各種金型の設計製作を行う金型事業部を中心に、ドリルやリーマなどの穴加工工具、特殊工具の設計製造販売を行うツール事業部、生産ライン上の各種治工具や専用機部品の設計製作を行う工機事業部など、ものづくりにかかわる幅広い事業を行っている。
     ツール事業部では、1982年から超硬工具の外販を本格化。再研磨業と並行しながら特殊工具の新作販売を 

    写真:シギヤ精機製作所「GPV-10・20」

     かつての主要顧客は、自動車産業が中心だったが、「特殊工具」の製造実績を増やす中で、顧客が多様化。現在では、航空機関連ユーザーに向けた工具の開発が中心となってきているという。
     工具の供給を通じて、長らく遅れてきた「『787』の製造の本格化が間近だと感じる」とツール事業部の伊藤司部長は言う。
     「国内の各重工メーカーさんは、航空機の増産体制を整えつつある。各社そろって月産7~10台体制になると噂されている。当然、工具需要は拡大すると思われるが、工具メーカーとしての供給責任があり、設備の増強は課題となっている」
     現在、同社が生産する工具の中で、航空機関連向けが占める割合は、50%程度。注文頻度の低いものまで含め、総アイテム数としておよそ150種類あるといい、月平均では60種類弱製造しているという。単純計算で平均をとってみると、1ロット20本程度になるという。中には100本程度ロットの纏まるものもあるというから、逆に、1桁単位での注文も少なくない。特殊工具の製造に強い同社ならではの、段取り替えが非常に多い現場だ。
     「ここ最近、忙しい毎日が続いている」と生産①グループの福島新悟GL(グループリーダー)は話す。
     「当社の強みは培ってきた技術を生かしてニッチなニーズの特殊工具を作れる点。ロー付け工具も多い。最近では、Φ175㎜のTスロットカッターが例。スチールシャンク芯の部分に超硬部材をハメ込んでロー付けするのだが、寸法が厳しい上に、何度も焼入れする必要があって手間がかかる。もちろん超硬チップもロー付けするわけで、作業者の技量に掛かる工具の代表格と言える。このような手離れの悪いものが多いために、生産性の改善に向け、新しい設備を探し始めていた」
     どうしても手間がかかる作業が多い現場で生産効率を上げるには、ボトルネックとなっている工程を見つけ出し、手間のかからない作業の自動化や工程短縮がカギとなる。同社では、海外製のローダー付きの工具研削盤を用いて、ロットがまとまった工具製造の24時間体制は整えているものの、工具製造の前段取りである「ブランク」の製造工程で苦しんでいた。
     「ブランクの加工は、従来から、汎用機を用いて行っていた。これでは、人が居る時間しか加工ができない。自動化を考えながら設備の選定をしていたところに、シギヤ精機製作所さんの『GPV‐10・20』を知った」  ある展示会で小さな立形研削盤の前に人だかりができていたことを、伊藤部長が思い出して引き合いを出したのだという。
     紆余曲折を得て導入されてきた「GPV」を目にして、担当のオペレータとなった同事業部の佐田有祐さんの第1印象は「小さいな」。
     「従来使っていたものと比べると、その小ささに驚いた。我々のようなキャパに上限がある工場では、設置スペースは非常に大事な要素。仕事が増え、物が増えると置く場所がなくなっていく。特殊品が多い仕事柄、汎用機をゼロにするわけにはいかず、機械の台数も増やさざるを得ない。最初、他社のNC機を導入したが、そのメーカーさんで一番小さなものであっても、工場に来るとやはり大きい。そのような中で、シギヤさんの『GPV』はすっきりとしていて、非常に良いと思った」
     いざ使い始めると、使い勝手も問題がなく、精度も安定していた。
     「機械そのものの能力は高いと思う。立ち上げのときも、最初の4日ほどのトレーニング期間を終えると、すぐに順調に稼働し始め、寸法も安定していた」
     「自動化を考えると、使い勝手のよさそうな機種だと思う」と福島GL。「ロボットと『GPV』複数台を組み合わせれば、かなり効率的にブランクの加工を行えるようになる。ただ、スタッフの平均年齢が30代半ばの若い職場で、各人のスキルアップが課題。汎用機の知識があっても、それをNC化する中で、勘違いなどがある。『GPV』でも、短尺ワークの加工ではなかった芯ブレが長尺ワークの加工で出てきて課題となっている。仕様を変更することで解決するとは考えているが、技術的に解決できる道も探りたい。シギヤさんは、NC機でも『マイスターハンドル』を付けた汎用機仕様の『GPH』シリーズなども開発されており、職人がとっかかり易いNC機械の開発をされている。当社の問題解決にも、サポートを期待したい」
    ユーザー通信138号(2013.6.1)掲載

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