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  • ユーザー通信190号 アフターマーケット A

    ユーザー通信190号 アフターマーケット A

    OSGグループ「アフターマーケット」体制の名タッグ
    オーエースジーコーティングサービス & 青山製作所
    『再研磨+コーティング』のパッケージングで世界展開

    オーエスジーグループではここ数年、再研磨、再コーティングなど、いわゆる「アフターマーケット」シェアの世界中への拡大をめざし、体制を強化している。その旗手となるのが、オーエスジーコーティングサービス(OCS/愛知県新城市有海)と青山製作所(愛知県豊川市一宮町)の「名タッグ」といえる。

    オーエスジーコーティングサービス
    昨年新設の関東工場が順調稼働
    新膜種 厚いDLC『IGUSS』登場!

    11月の決算期を目前に、売上・利益ともに「今期は好調だった」と彦坂光義社長。
    切削工具業界の好景況に加え、昨年2月に立ち上がり、今年9月頃から順調稼動に入った関東工場(営業所併設/群馬県太田市)の存在をあげる。
    「比例して、受注も順調に伸びている。競合の多い地域での後発となったが、既存のお客様の近くに工場を設けることにより、デリバリーの面など課題をクリアし、シェアを少しでも広げられればと思っている」。
    対応する膜種については、ほとんどをカバーできるが、「量によって本社工場と分けて、最大限を効率的にアウトプットできるように考慮する」とし、本社、関東ともに今後の設備増設も視野に入る。
    また、新膜種の開発においては、一昨年秋に発表し、OSGの「Aブランド」新製品『A‐スレッドミル』などにも採用されている新コーティング『イージアス』が、「おかげさまで浸透してきている」とするなか、さらに新しいところでは、『アイグス』という膜厚なDLCコーティングが、今年3月から登場している。
    「従来のDLCコーティングの膜厚よりも厚い0・8μmとし、寿命的にもう少し延ばしたい、という要求に応える」。(硬さ6000Hv、摩擦係数0・1、応用例=アルミニウム合金用工具、スリッター刃、摺動部品、パンチ)。
    来期(17年12月~)について彦坂社長は、直近の中国出張で耳にした、「中国の景気はあと2~3年は続く、と確信に満ちた言葉だった」を引用しながら、「比較的、悪い要素はない」と見通す。
    その中国は、OSGのコーティング拠点があるうちのひとつ。アメリカなどは、OSG内部のコーティング処理が中心になっているが、公表しているなかでは、「韓国、中国、台湾、メキシコの方向性は『外販』に注力。なかでもメキシコの頑張りが目立つ」と彦坂社長は、OSG上席執行役員グローバルコーティング担当として話す。
    このように、海外でコーティング処理拠点を持つOSGの体制は、他の工具メーカーにはない特長といえる。
    そんな「アフターマーケット」体制の強化に再研磨はつきもの。OSGが強化する特に穴あけ工具では、「ドリルはメーカーに戻さない限り『同じ顔』にはならない。その『流れ』にはコーティングも必然となってくるため『再研磨+コーティング』のパッケージングで考えた世界展開をしている」。
    そういった現場体制が整うことにより、「新品工具のシェアも上がってくる。この好循環を回していこうが、基本的な考え」だと続けた。

  • ユーザー通信189号 Vol.02 センス・オブ・MECT「逆説の見本市」を考える

    ユーザー通信189号 Vol.02 センス・オブ・MECT「逆説の見本市」を考える

    国内最大級の工作機械見本市『メカトロテックジャパン (MECT)2017』が、10月18日(水)~21日(土)の4日間、名古屋市港区のポートメッセなごやで開催される

    主催のニュースダイジェスト社(名古屋市千種区内山、樋口八郎社長)、共催の愛知県機械工具商業協同組合によれば、今回の展示規模はリーマン・ショック前の2007年展に次ぐ1933小間で、前回展の1915小間を上回り、今年国内で開催される工作機械見本市としては最大となる。
    出展者数は457社・団体。うち全出展者の16・8%にあたる77社(前回69社)が初出展し、会場内に展示される工作機械、各種装置は376台。また、1190点の新製品(1年以内に発表されたもの)が展示される予定(※いずれも8月31日までの集計)。海外からの参加は23カ国・地域を数える。

    毎回、世界最先端の技術での実演加工に挑戦する主催者コンセプトゾーン(企画展示)では、新市場として期待される「宇宙」にスポットを当て、宇宙ベンチャーの取り組みを紹介するとともに、最新の人工衛星に向けた部品加工など、宇宙市場で必要とされる加工技術を会場内で披露する。
    また、主催者企画のセミナーでは、トヨタ自動車、マツダ、ボーイングらが、それぞれの分野から、ものづくりの今後について講演する。
    なお、1987年にスタートしたMECTは奇数年に開催。今年で通算16回目の開催、そして「30周年」を迎えた。

     

    さて、このように今年もMECT(メカトロテックジャパン)の季節がやってきた。が、いきなり他業界の話に転じて恐縮だが、出版業界では今年、日本最大の「本」の見本市、「東京国際ブックフェア(TIBF)」の開催が「休止」となった。

    TIBFは1994年から開催され、昨年で23回を数えていた。スタートが90年代なので、感じ方にもよるが、それほど「歴史」を覚えるものではないのかもしれない。だが、存在としては、当業界でいえば「JIMTOF」に該当するものだ。

    それだけに、この報は非常にショックだった。国内における出版不況は言わずもがな、そのため年々、急速に活気を失っていたTIBFだけに、「いよいよ」「ついに」といった声が多い。今回はあくまで「休止」「見送り」であり、主催社・共催団体は再開を目指しているという。
    だが、結果的には事実上、先進国である日本に「本の見本市」が存在しなくなったという情けない事態を嘆く向きが多い。
    その「ショック」に同感するわけだが、ブックフェア自体の存在意義を左右したのが、電子出版の登場、普及にもあったようだ。「本」そのものより、ライセンス、コンテンツ・マーケティングなどがテーマ性を強め、「読者謝恩」が薄らいできていた。
    前置きが長くなったが、「テーマ性」における『逆説の見本市』ということだ。

    MECTはフェア自体のテーマは謳っていないものの、それにあたるコンセプトゾーンでは今回、「宇宙」を挙げている。また、日替わりのセミナー「自動車」「航空機」とも合わせた、この3つがテーマといえる。

    昨年のJIMTOFをはじめ、昨今の展示会でのテーマといえば、必ずIoT、AI、ロボット、インダストリー4・0、スマートファクトリーといったところが乱舞するものだが、MECTでも、もちろん、出展各社のブースでは、そういった展開は盛んだろう。

    だが、MECTのテーマ自体としては、あくまで自動車・航空機・宇宙であって、それらにまつわる「加工」である(=現場謝恩、ユーザー謝恩)。フェアそのものとしてのテーマ性に、IoTやAIなど(=電子書籍)にふれなかったのは、「あえて」ではないのかもしれないが、こういったところに、MECTという見本市の「粋」、「機微」を感じる―。

     

  • ユーザー通信189号 Vol.01 センス・オブ・MECT

    ユーザー通信189号 Vol.01 センス・オブ・MECT

    三菱マテリアルは「メカトロテックジャパン2017」で、高品質・高性能な切削工具を、「応える」「叶える」「超える」をコンセプトに、多彩なソリューションをわかりやすく展開、紹介する。
    そんななか、今春発表した新たな商品ブランド「DIAEDGE浸透のチャンス到来!」だと、同じく今春より営業本部長に就いた、中村伸一執行役員 加工事業カンパニーバイスプレジデントは手ぐすねを引き、次のように話す。

     

    今回のMECTでは、新製品を含め、部品加工を重視した製品展示への注力はもとより、当社が今春発表した商品ブランド『DIAEDGE(ダイヤエッジ)』への一新を、パブリックに、大々的に披露する初の場となるので、どのように展開していくかを説いていきたい。
    この間、もちろん、商社様、販売店様個々へ説明に上がっているが、不特定多数への打ち出しという意味ではまだ不十分。まずは、自分たちの足元からということで、製品PRに関わる冊子から始めて梱包への展開計画など、徐々に進捗させているのが現状。
    当社が最も大事にしているのが「お客様視点」。今まで、そのインパクトを伝えきれていなかったとの思いもあり、新しいロゴも含め、あらためて、その思いをブランドに込めた。

    私は、5月に開催したMSM(三菱拡販戦略会議)の際に、指針を「ダイヤエッジな営業を目指して走る」と表現したが、言い換えれば、「お客様の懐に入る」ということ。今期これまででは、直需営業で成果の芽吹きが目立っているが、これは何か特別な手法があってのことではなく「積み重ね」によるもの。万遍なくではなく、メリハリをつけた配分が、WinWinな関係を築いている。

    そんな中で、新たなブランドのもと「お客様、ユーザー様のパートナーとなり、ともに成長し、技術革新による生産性向上のお手伝いを目指している」旨、きっちりと打ち出していきたい。

    ただ、そうはいっても、すべてのお客様に対し、非常に深いレベルで応えていくには限界がある。その意味では、エリア的に活発な自動車産業、航空機産業との関係構築に、さらにフォーカスしていきたい。
    新製品では、海外でのEMO、国内でのMECTを照準に、自動車産業、航空機産業をターゲットにしたアイテムが多く出揃う。
    また、ブースの演出でも、従来どおり産業別の展開で「わかりやすさ」を強調するほか、商品ブランド変更に伴い、従来のブルーとホワイト、マイルド(曲線的)な基調から、レッド&ブラックに変更するなど、ブースデザインはシャープなイメージに仕上がる。

    そういった中で、当社が大切にする「信頼」や「お客様とともに成長する」という視点で、切削工具単体ではなく、周辺を含めたソリューション提案を、どんな形でアピールしていくかがキーとなる。

    例えば、工具の組み合わせによって、どれだけ生産性が向上するかなど、お客様の「琴線に触れる」ような訴えかけが非常に大事であり、力を注ぎたい。
    いまやどの他メーカーでも提案していることだが、その「違い」をどう感じていただけるか。単なる提案に留まらず、お客様が「何を成し遂げたい」のかを十分にヒアリングしていく。

    今年6月に岐阜製作所内にオープンした「中部テクニカルセンター」(以下、TC)の紹介においても、ユーザー様には「実際に体験していただき、取り組んでみたいことの一部が、実現できつつある」をアピールし、ファンの加速化を促したい。実際、TCの稼働状況はかなりタイトなスケージュル状況で、多忙を極めている。

    今期の販売目標を、前年比4%増(指数)と掲げているが、足元の業績、景況については他メーカー同様、おかげさまで好調に推移している。その要因として、半導体業界の活況、東南アジア方面でのインフラ整備の進捗に加え、自動車生産に大きなマイナスがないことが挙げられる。

    このように、日本から世界へ、世界から日本へと、さまざまな動きがあるなかで、統一的なブランドを持つことは非常に有意義であり、「ダイヤチタニット」などこれまでの当社商品ブランドの変遷とは違い、DAIEDGEは「世界展開」していくためのブランドといえる。

     

     

  • news-「SteadylineRに大径加工対応工具を追加」

    news-「SteadylineRに大径加工対応工具を追加」

    セコ・ツールズ

    SteadylineRに大径加工対応工具を追加

     

     


    セコ・ツールズ(本社=東京都大田区南蒲、靏久達也社長)は、『Steadyline』防振工具システムに直径60mmと80mmの旋削/ボーリングバーを追加した。
    チューニングなしですぐに使用でき、大径および深穴加工の生産性がさらに向上する。
    大径のバーは、石油ガス用途のほか、工具突出し部が最大600mm、径60mmのバー、または突出し部が最大800mm、径80mmのバーを必要とする一般的な被削材加工に最適。
    Steadyline 大径旋削/ボーリングバーにはBA接続部が装備されており、BAアダプタにGL50旋削ヘッドを取り付けられる。
    セコ・ツールズが特許を取得した汎用GL 接続部には、ポリローブテーパ面の取り付け部を備え、高いセンタリング精度、100%の繰り返し精度、すばやい工具ヘッド交換を実現する。GL接続部を使うことで、同じバーで固定および回転加工の両方に対応できる。
    Steadyline工具の高度な防振システムが、バーに伝わる前に振動を吸収する。旋削バーを取り付けると、工具をリセットせずに工具ヘッドを取り付け/再取り付けできる。
     

  • news-難削材の高能率加工を実現『CoolStarシリーズ』

    news-難削材の高能率加工を実現『CoolStarシリーズ』

    三菱マテリアル 難削材の高能率加工を実現『CoolStarシリーズ』

    三菱マテリアル 加工事業カンパニー(本社=東京都千代田区大手町、鶴巻二三男カンパニープレジデント)は、難削材加工用マルチクーラントホール付き制振エンドミル 『CoolStarシリーズ』の販売を開始した。 優れた冷却効果を発揮する6枚刃スマートミラクルマルチクーラントホール付き制振エンドミル「VQ6MHVCH」と「VQ6MHVRBCH」(ラジアスエンドミル)のCoolStarシリーズ。 主な特長は次の通り。 ①各切れ刃に複数のクーラント供給穴を配置し、穴位置を最適化したことにより、優れた冷却効果を発揮し、高能率加工を実現。 ②(Al,Cr)N系「スマートミラクルコーティング」は、熱の膨張と収縮に強く、ステンレス鋼やチタン合金などの加工時(航空機部品など)において耐摩耗性が大幅に向上。 ③独自の表面処理技術「ZERO-μサーフェース」は、平滑面とシャープな切れ刃を両立させることにより、切削抵抗の低減と切りくず排出性を大幅に向上。 型番は、エンドミル外径Φ10.0mm~Φ20.0mm。「VQ6MHVCH」4型番、「VQ6MHVRBCH」10型番。

  • 測定環境あっての高精度工作機械 「基準」をつくり続けてきた歴史あり

    測定環境あっての高精度工作機械 「基準」をつくり続けてきた歴史あり

    「故郷は測定」
    三井精機 工作機械工場

    測定環境あっての高精度工作機械
    「基準」をつくり続けてきた歴史あり

    工作機械は、空調や基礎、照明といった環境面で、厳しい管理のもと生産されるのは周知のとおり。
    三井精機工業(本社=埼玉県比企郡川島町八幡、奥田哲司社長)の工作機械工場(精機棟)では、その最たるが「精密測定室」となる。
    当然ながら、「高精度な工作機械をつくるためには、高精度な測定が必要」。例えば、1μmの精度を正確に測るためには、測定器には0・1μmの精度が要求される。
    「まずは、測定する環境から」が、世界的に航空機関係への納入実績の多さを物語っているともいえる。
    それもそのはず、三井精機は元々、測定器の生産からスタートした会社(1928年創業)。ブロックゲージやマイクロメータからはじまり、親ねじやスタンダードスケールなどの「基準」をつくり続けてきた歴史がある。測定を知り尽くしている会社だからこそ、高精度工作機械の生産が可能というわけだ。
    コンプレッサ、工作機械のみならず、現在でも測定機はつくり続けている。ねじのリードを高精度・高能率に測定可能な「レーザー式ねじリード測定機」だが、実はいまの世の中に、高精度なねじリード測定器は、ほとんどないそうだ。
    三井精機のポリシーは、1μmの精度のつくり込み。ものによってはそれ以下となる。では、その1μmの評価をどうするのかというとき「確認する方法」、つまり、測定室や測定器、技能、評価の方法が非常に大事。精度はさまざまだが、「基準と測り方」がしっかりしていなければならない。
    このように、測定器の生産、長さの基準などに携わる源流だからこそ、「測定環境あっての高精度。故郷は測定」といえる。
    ちなみに、長さの基準となる、ものさし「標準尺」(メートル原器)の生産・販売も、かつては手掛けていた。目盛りが切ってあり、かなり精度が高く、他社工作機械メーカーにもよく販売していた。
    また、ジグボーラーには台形ねじが入っているが、併せて、この標準尺が入っており、目盛りを光学的に千分割して、位置決め精度を出していたようだ(1975年頃まで)。
    なお、ジグボーラーについては、土台がしっかりしているので、ジグボーラー自体の精度が非常に高く、削ったワークに対する測定器にもなる。そのため、ジグボーラーベースの三次元測定機もあったという。
    精密測定室は、基礎を周囲から完全遮断し、パイル+3m厚さのコンクリートで振動に対しても万全に対策している。また、恒温工場の中にさらに内部建ての構造になっており、温度の安定性がこの工場の中で最も高く、20℃±0・1℃に保たれている。
    温度管理でいえば、現在でこそ、どの工作機械メーカーでも温度管理を行っているが、三井精機は「戦前」から行っている。温度管理の重要性を認識するという意味では歴史は古い。
    一方、機械を納入するユーザー側では、温度管理を徹底的に行っている工場は、まだ多いとはいえない。
    そこでよく出るのが、「機械を使う環境が、自然と同じ温度変化をしているのに、温度管理して機械をつくっても意味がない」といった話。
    だがそれは、「大きな間違い」だ。メーカーが温度管理をせずに、精密な機械がつくれるわけがなく、「きさげ」からして狂ってしまう。土台がしっかりとできていなければ、例え、温度管理を徹底行しているユーザーでも、機械を適切には使えない。温度変化の傾向が分かっていればこそ、補正の入れ方も決まってくるからだ。
    温度でいえば、最近、精機棟では照明のLED化と太陽光発電の導入が進んだことにより、「温度管理的にも、費用的にも良くなった」と文字通り、明るい話題が追随した。

  • 切削工具にも「キャラバン・セールスの機微」

    切削工具にも「キャラバン・セールスの機微」

    切削工具にも「キャラバン・セールスの機微」

    皆さんは、『動くスーパー』なるものを記憶しているだろうか。
    40年ほど昔、団地の敷地内やベッドタウンでよく見かけた光景で、主に食材、生鮮品を積み込んだマイクロバスや軽トラックが顧客の住む近くまで出向き、店舗展開する小売スタイルだ。
    「移動販売」や「移動店舗」とも呼ばれるが、ここではあえて『動くスーパー』とベタに呼称したい。
    高齢化社会、過疎化、町から小規模スーパーの撤退が続く昨今、この『動くスーパー』が再び脚光を浴び、ニースが高まっているという(その市場規模は280億円とも)。
    いわゆる「行商」、正式な流通用語では『キャラバン・セールス』となるが、いま、切削工具メーカーによっては、このキャラバン・セールスでの成果を、非常に重要視する向きもある。
    メーカーは、機械工具販売店が選定し顧客(主に中小工場)に訪問し、例えば、昼休みの駐車場などを利用し、専用車内に積んできたドリルやエンドミルなどを広げて「店」をオープンし「即売」する。
    当日持ち込む「オーダーメニュー」は、前もって顧客と念入りに打ち合わせし、予めリクエストされたものだが、「プラスα」となる新製品などの展開が、「あれも! これも!」と購買意欲を掻き立て、数字を積み上げる。
    このように「心理的に売れる」のが、キャラバン・セールスの醍醐味であり、また、よく理解しておくべき「趣旨」だと、この活動で大きな成果を上げた関西地区のある販売店はいう。
    「趣旨とは、見てもらうのではなく、あくまで『買ってもらう』ということ。最初は正直『昭和の商売? こんな古臭い・・・』と思ったが、1件行けば1時間では終わらない。次から次に『これ何ですか?』となる。元々『ドン引き』していて『絶対に買わないよ』と身構えていたユーザーが、実は一番買っていたりする」。
    これを全国希望で行えば「侮れない」数字になることは察しがつく。
    前出の販売店が続ける。「この活動が成功する度に、メーカーも我々も、互いに士気が上がるので、販売店側からすれば、なんとなく『そのメーカーさん贔屓』になってくるのが心情というもの」。
    切削工具にも、キャラバン・セールスの「機微」を探ることができる。
    (画像はイメージです)

  • サンドビック コロマントカンパニー 『コロターンプライム』

    サンドビック コロマントカンパニー 『コロターンプライム』

    今月の焦点

    サンドビック コロマントカンパニー
    『コロターンプライム』

    拡散希望!「逆引き加工」―低切込み角の「プライムターニング」が可能


    「旋削加工の常識を変える」「旋削史上最大のイノベーション」―など、4月1日の全世界一斉発売の前から、内外でその期待値も非常に高かった、サンドビック コロマントカンパニー(本社=名古屋市名東区上社)の新製品『コロターンプライム』。

    イベントラッシュのこのシーズン、5月にはMEX金沢、東芝機械やオークマのプライベートショーなど、各地の展示(カタログ設置)で、「考え方はおもしろいね」「いろいろ考えるね」「単純な発想なんだけどね」と説明に聞き入る来場者のなかで、確実にその存在感を高めていた。

    そんな声のなかのひとつ、


    「なんでもかんでも、こっち(※)から送ればいいってもんじゃないんだね」


    の言葉どおり、コロターンプライムは、独自形状のチップとホルダにより、従来、(※)押し加工が中心だった旋削加工に、「プライムターニング」という新たな旋削方法で一石を投じるもの。

    プライムターニングとは、従来とは逆方向の「引き加工(バックターニング)」「引き上げ端面加工」を行うことにより、高送りによる高生産性加工とチップの長寿命化を図る加工方法。

    従来の加工方法では、チップのノーズR付近に切削熱や加工負荷が集中していたのに対し、低切込み角のプライムターニングでは、チップの切れ刃に切削熱と加工負荷が拡散される。

    従来の押し加工では切りくずの厚さは、切込みに対してコンマ1送れば、そのままコンマ1の切りくずが出てくる。
    だが、逆引きをすることにより角度が付くので、コンマ1の送りでも、切りくずの厚み自体は非常に薄く、「皮をむくような感じ」で高送りすることができ、その分、スピードを上げることができる。

    これらにより、チップの長寿命化と大幅な高送り加工が可能。


    「外径の立壁までの加工時、切りくずかみが解消できる」(来場者の声)。


    このように、逆引き加工に特化した革新的な工具 コロターンプライムは、まったくのオリジナルで、現状、同業他社にはない形状となっている。

    チップ(ポジ・チップ)の形状は2種類。

    刃先角度35度/3コーナー使用/逃げ角6度の「CP‐A」タイプが9型番。刃先角度80度(先端角度40度)/2コーナー使用/逃げ角6度の「CP‐B」タイプが6型番。

    専用ホルダはキャプトタイプが12型番、角シャンクタイプが20型番。

    ホルダにはクーラントを刃先まで供給できる内部給油機構を採用。

    刃先を確実に冷却し、チップ寿命延長を実現する。
     

  • メカロックが濾過装置『キャンドルフィルター』拡販へ

    メカロックが濾過装置『キャンドルフィルター』拡販へ

    台湾№1メーカーの「本格的超硬フィルターシステム」

    今秋のMECTに出展、実機を初披露

    研削油の濾過装置については、切削工具メーカーや再研磨メーカーらの工具研削盤導入に伴い、機械メーカーが推奨する製品やシステムが「付帯」されるといった流れは鳴りを潜め、ここ10年ほどは、いわゆる「ユーザー指定」による濾過装置の導入が7~8割を占める。
    これからも強まるであろうこの傾向のなか、拡販に名乗りを上げるのが、台湾・ユニマグ社の『キャンドルフィルター』だ。
    ユニマグ社は、80数年の伝統ある台湾ではナンバーワンのフィルターメーカー。専業であらゆるフィルターを扱っている。
    キャンドルフィルターについては、2010年頃から世界での普及実績を持つものの、特に競合が激しい日本市場にはこれまで、あえて身を投じていなかったというが、2年前からは、日本での輸入・販売元をメカロックが手掛けている。
    メカロックは茨城・守谷を本拠に、中部営業所(名古屋)も構え、国内での導入実績も積み上げてきているなか、「今秋のメカトロテック ジャパンに出展し、実機(CFT‐1)を初披露する」と石田音幸社長。
    「システムとしては、逆洗式で、キャンドルといわれるフィルターが最大の特長。本当に微細な濾過が行える。なおかつ、数万枚の膜が積層するフィルターは、約10年間交換の必要性がない大容量」と特長を続ける。
    これらをふまえ、日本市場での拡販においては、「超硬の濾過は皆さん、本当に非常に困っている。正直、濾過装置自体に『完璧なもの』はない。だが、キャンドルフィルターの構造は超硬に向いている。まさに『本格的超硬フィルターシステム』との表現が符合する」と、最もアピールしたい点を表現する。
    適用機械は、超硬工具研削盤や放電加工機など。キャンドルフィルターの仕様は9タイプ。
     

  • ユーザー通信183号 かながたがたり ―金型語り

    ユーザー通信183号 かながたがたり ―金型語り

    かながたがたり ―金型語り

     

     

    若園精機(岐阜県養老町)
    『INTERMOLD2017』で投じる業界初の試金石
    出展目的は、1に「金型メンテナンス」、2に「高度スキャニングサービス」、3つめは『4つの穴』あけます―
    リーマンショック覚めやらぬ2009(平成21)年に、岐阜県下で最初のHERMLE(ハームレ/独)社の5軸マシニングセンタを導入した、養老町の若園精機(若園明人社長)。
    若園拓馬専務はいまもって、「これが当社のターニングポイントだった」と繰り返すなか、今回が5度目となるINTERMOLD出展を機に、また新たな試金石を投じようとしている。
    ダイカスト金型製作、サイズの大きい総削り出しによる試作品製作など、50年以上にわたり金属加工(切削・接合)に特化した実績をもつ若園精機は、今回の「INTERMOLD2017」に出展する目的を3つ挙げている。
    1つめは、昨年の同時期に本紙で取り上げた「金型メンテナンス」。
    2つめは、FARO Edge(ファローエッジ)ポータブルアーム3次元測定器(非接触測定器)を用いた高度スキャニングサービス(金型修理前後のデジタイジング形状データ)。
    そして新たに3つめとして、「金型の底面にラング社製クランプシステム用のボルト穴をあけさせてほしい」とPRする。
    一見、「どういうこと?」と考えてしまうのだが、「金型やワーク材の設置面に4つの穴を追加することによる段取り時間の大幅短縮」とでも表現できるだろうか。会場では、その実加工例の展示を予定している。
    ハームレ社製5軸MCの販売・技術サポート・アフターサービスを手掛ける愛知産業(本社=東京都品川区東大井、井上博貴社長)は、LANG(ラング/独)社の製品を、5軸加工における最適なクランピングシステムとして推奨しており、若園精機でも5軸MC『C40U』とともに、半ばセット的にラング社製品を導入した。
    わずか3㎜の掴み代で驚異の把握力を実現、スピンドルヘッドとの干渉が少なく接近性に優れる等々をふれこみとするラング社のクランピングシステムに対して、若園専務は初歩的なメリットとして、「ラング製品が機械に搭載してあるだけで、金型を載せた際に平行を見なくてよい。置けばそのまま加工できる」と実感はしていたものの、「正直、現場にあっても気付かなかった『良いもの』を、ようやく見つけることができた」旨を、次のように語る。
    「当社では、年間1400~1700パーツの、類似はしていても全て異なるものをつくっており、同じものはない。そう考えれば、C40Uの加工ストローク(X:850㎜×Y:700㎜×Z:500㎜)内でワーク形状がさまざまに変化しても、ラング製品で対応できるシステムを選定したことに、最近、気がついた(笑)」。
    その「最近の気付き」に至るきっかけは、「とある欧州での展示会で発表されていた、非常に大型のクランププレートを昨年春先に、日本で初めて導入したこと」だったと振り返る。

    ハームレ機のみならず、5軸機ユーザーでラング製品を使っているユーザーは多いという。
    「CADモデルどおりのものが、機械上で加工できる」と若園精機でも単品購入も多く、予算次第では3軸MC用にも揃えたい意向もあるなど、ハームレ機の使い手には、ラング製品をプラスαで購入するケースが多い。
    「『丸い』同業他社製品とは、そもそも形状が違う。金型とはすべて『四角形』からはじまるもの。ラングは全て四角いプレートの積み重ねで、テーブルの定盤にそのまま敷くような金型に沿ったプレート形が基本。目に見えてランナップが豊富であり、治具だけでここまで扱っているメーカーはないと思う。専業メーカーならではの選択肢が多く、うれしい限り」と評するとおり、若園精機では現在、約20製品をそろえる。
    このように、数年前に始まるラング社クランピングシステムの導入が、結果的には始祖? 遠縁? となり、ダイカスト金型などへ少し加工を行うだけで、ラング社クランプシステムへの対応ができ、もちろん、ワーク側へのダメージはないうえ、コストダウンなどメリットが提供できるといった新たな取り組みに臨む。
    自社で金型設計し、型を鋳造業者におさめていたりする場合は、「底面に穴を4つ設けるだけで金型加工が楽になる」ということだが、実際はどこも手掛けてはいない。
    「そこをやってくれ、というニーズがある。鋳造系、ダイカスト系、全ての金型には必ず底面に、結構、穴があいている。どのみち、固定するための穴もあけているのなら、プラス4ヶ所の穴をあけさせてもらえれば(ラングユーザーにおいては)完全に『ルール化』ができる」。
    同社がメインとするダイカスト金型のメンテナンスにおいて、「どこでつくったのか分からない金型でも、底面を見てラング用の穴があいていれば、どの機械でも選ばずに載せることができ、楽だなと思う」と続ける。
    若園専務はリーマンショック以降、外へ出る機会が多くなり、金型、治具、工具、機械に関しさまざまな局面に接しているが、「金型の上部あたりにまつわる訴求は多いが、こういった『下(底面)の部分』についてPRをしているのは見たことがない」と話す。
    ハームレ5軸機&ラングクランピングシステムに最初にふれた、リーマンショック直後の時期、顧客の大手メーカーからは、「もっと無駄なく速い加工方法はないか? 速く加工できコスト削減になる製品形状の工夫は? など提案を求められていたが、その頃は5軸機導入への端境期でもあり、システム自体を熟知していなかったので、当時はまだ、手を上げて言えなかった・・・」と述懐する。
    「どこもやっていないということは、的外れなのかもしれないが」と前置きしつつも、「先述のとおり、年間に手掛ける1400~1700のパーツ全ての裏にこの穴があいていれば、加工は革命的に速くなる」と、いわば「業界初」の試みに意欲をのぞかせる。
     

     

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