カテゴリー: ユーザー通信 WEB版

  • ユーザー通信237号 2面 DMG森精機、スパコン「富岳」をデジタルツインカットの計算処理に利用

    DMG森精機、スパコン「富岳」をデジタルツインカットの計算処理に利用

    DMG森精機(本社=名古屋市中村区、森雅彦社長)は、工作機械のテスト加工をデジタル化する『デジタルツインテストカット』の計算処理に、スーパーコンピュータ「富岳」を利用し高速化を実現した。

    今年2月より開始したデジタルツインテストカットは、実際の加工における工作機械の動的な稼働状態をコンピュータ上で再現し、サイクルタイムをはじめとする加工結果を算出する技術で、最短2営業日で加工結果を回答しており、ユーザーより好評を得ている。

    しかし、複雑な曲面で構成されるブレードや金型などは解析時間が長くなる傾向を持っており、そこで理化学研究所のスーパーコンピュータ「富岳」にデジタルツインテストカットを実装することによって、実際には8時間かかる加工を98%削減する10分で結果を算出することを可能にした。

    これにより加工結果を短時間で得られるとともに、従来のテスト加工で消費する工具、ワーク、クーラントが抑制でき、環境への配慮も可能になる。

    DMG森精機は今後もデジタルソリューションを通して、ユーザーの生産性向上とサステナブルな社会に貢献していくとしている。

  • ユーザー通信236号 1面 トップが語る 日本アイ・ティ・エフ 守口秀樹社長

    トップが語る 日本アイ・ティ・エフ 守口秀樹社長

    移転統合、海外と一体となったFC事業の成長/非エンジン・新分野への進出、デジタル技術でCS向上など・・・「新しい○○への挑戦」実践中

    DLCコーティングのリーディングカンパニー、日本アイ・ティ・エフ(本社=京都市南区久世殿城町/以下、ITF)にとって今年は、群馬・前橋工場に金型用DLCコーティングの技術移管と京都・梅津工場の久世本社工場への移転統合といった再編が続く転機の年となった。

    そんな同社について本紙では、7月号から4回にわたり特集的に紐解いてきた。森口秀樹社長のインタビューで掉尾を飾る ――。

    【聞き手=本紙・植村和人】(敬称略)

     

     

    ――そんな2021年のスローガンは『V2025元年 新しい〇〇への挑戦』

    森口 V2025とは当社の中期プラン(2021年から2025年までの事業計画)を指します。〇〇は文字通り「マルマル」で、その空白は社員それぞれが自分で考え埋めてほしいということです。このため、あえて○○としました。

    〇〇には「事業展開」や「販売手段」、小さくいえば「機能アップ」や「工数削減」、大きくいえば「新事業」や「デジタル活用」といった文字が入るのかもしれませんが、従業員がそれぞれの立場で新しいことに挑戦するきっかけになればと考え、今年のスローガンとしました。いずれにせよ、単年度で終わる話ではなく、この挑戦には継続的に取り組んでいきます。

     

     

    ――3つの社長方針

     

    森口 このスローガンのもと、
    【1】お客様に喜ばれる移転統合と海外と一体となったFC(ファインコーティング)事業の成長
    【2】開発技術の円滑な量産立ち上げと非エンジン・新分野への進出
    【3】デジタル技術によるCS向上、原価低減、品質安定化、新事業創出、を掲げています。

     

     

    ――【1】のうち、「お客様に喜ばれる移転統合」とは

     

    森口 梅津工場の久世本社工場への移転統合が7月に完了しましたが、最低限の目標はお客様に迷惑をかけずに、約束の納期どおりに従来の品質を供給することでした。

    この目標は計画どおりに事故なく安全に進みました。

    さらに「喜ばれる」という面では、工場統合を契機とした品質向上を目標としました。

    不良を低減し納期遅延を少なくすることでお客様の満足度を上げる、さらにはクリーン化による品質向上、量産部品のコントロールのし易さを目指しました。

     

     

    ――それに続く「海外と一体となったFC事業の成長」とは

     

    森口 ITFは基本的に国内事業を手掛けてきましたが、親会社である日新電機は海外でFC事業を展開しています。

    海外の事業は日新電機の単独出資ですが、国内のITFは日新電機51%と住友電気工業(以下、住友電工)49%の共同出資と、それぞれ事業の成り立ちが異なります。

    従来はどちらかといえば住友電工が軸となってきた事業ですので、比較的、国内は住友電工の技術と住友電工向けの仕事がメインでした。

    ところが海外は住友電工を目指した仕事ではなく、自分自身で仕事を獲得しなければならなかったという歴史的背景があります。

    このように成り立ちが違った結果、得意とする商品に違いが現れ、国内でお客様にその性能を高く評価頂いている金型用DLCコーティングを、海外ではこれまで積極的には展開していませんでした。

    この考え方を変え、国内で当社の強みとなっている金型用DLCコーティングの海外展開を、まず中国からスタートさせました。

    今後、タイ、ベトナムでも始めていきます。

     

     

    高性能が定評ITFのDLCコーティングに新機軸

     

    ■ 前橋に加え海外でも展開スタート
    ■ EV用途で「かなりおもしろい特性が期待できる」

    前橋工場での業容拡張が順調に進展「技術陣の頑張り」で金型用DLC技術を計画通りに京都から移管

    新領域として純増を期待する事業とは・・・

     

    森口 現在、欧米と中国を中心に急激なEV化が進んでいます。

    今後EV化によりエンジン生産が減少すると当社の事業にも悪影響の出ることが懸念されます。

    一方でEV化によって車体の軽量化が進むと、アルミ材料の採用が増加すると考えられます。

    このため、アルミの加工に適したDLCに強みのある当社にとっては売上増加が期待できます。

    また、EV化されても減速機のギアは減りません。減速機用のギアはDLC部品としての見方、取り扱いができ、ギアへのDLCコーティングの採用を期待しています。

    DLCコーティングによるギアの性能向上については、既に機械学会で発表していますが、次のような優れた効果があります。

    まず一つは疲労限の向上です。疲労限が向上するとより大きな荷重に耐えることができますので、ギアの小型化が可能となります。

    そして小型化は減速機の軽量化につながります。

    また、潤滑性が向上して摩擦抵抗が小さくなりますので、エネルギー損失を削減できます。

    軽量化とエネルギー損失の削減はEVの駆動力である電池の消耗抑制につながりますので、EV用ギアとDLCコーティングの相性はとてもいいと感じています。

    このようにかなりおもしろい特性がDLCには期待でき、EV時代にも必要とされる技術であり、新領域として純増を期待しています。

     

     

    ――『開発技術の円滑な量産立ち上げと非エンジン・新分野への進出』を要約すれば

     

     

    森口 これまで当社が得意とするDLC量産部品は、バルブリフター、ピストンリング、といったエンジンに関係する部品へのコーティング加工がメインでしたが、これからは非エンジンといった、いわゆるSDGs(持続可能な開発目標)に通じる動きへの取り組みが必要となります。

    ちなみに年内を目途に、SDGsを意識した2030年までの新しいカンパニービジョンをつくる動きを始めました。

    SDGsをもっと身近なもの、自分のものとして取り組む社内の雰囲気づくりが目的です。

     

     

     

    装置メーカーならではのIoT化を推進

     

    ――『デジタル技術によるCS向上、原価低減、品質安定化、新事業創出』を要約すれば

     

    森口 ITFは装置メーカーでもあるという特長を活用します。

    国内のコーティング企業で装置を内作し販売する会社は限られているだけに、当社の大きな強みといえます。

    その意味で当社は、装置と併せてのIoT化を進めやすい環境であり、すでに自社の全てのコーティング装置に社内開発のソフトウエアを実装してIoT化を実施済みです。

    これにより、傾向管理によるトラブルの未然防止、部品交換等での余分な補修をなくすといった観点での活用を行っています。

    装置製造・販売では、平滑なDLCの成膜技術装置である『MF720』(※左上記事参照)を開発、今年5月に新聞発表し、販売および受託加工を6月から開始しています。

    これはEV時代においてもトラックなどディーゼル用途でのエンジンは残っていくと予想される中で、ディーゼル用ピストンリングへのDLC化の流れに対応したものです。

    この潮流に乗るべく、その用途で必要とされる厚膜DLCを平滑に成膜できる装置を開発しました。

     

     

    ――前橋工場の現況、事業拡張の進捗状況

     

    森口 ほぼ当初計画どおりの売り上げ目標(従来比20~30%増)を達成、技術陣が頑張ってくれました。

    売上計画の数字通りに進むかどうかは、技術的に性能がしっかり発揮されることが重要なので、最初からどういった技術を久世工場から移管するか計画的に検討し、きっちり仕事を行うことで、順調に技術移管できました。

    久世工場の技術を前橋工場に移管し、品質が仕様通りに発揮されるのを確認した上で、お客様にも性能評価いただけたことで順調に進んできたということです。

    実力発揮は自動車部品の需要回復あってこそ

    前橋工場は生産能力的にも自動車部品を主体としてきたので、そこが回復しなければ本当の意味で前橋工場は実力を発揮できません。

    しかし、新型コロナの感染拡大や半導体不足などの影響で自動車の生産は低調であり、完全に回復するにはしばらく時間がかかりそうです。

    そこで、前橋工場にDLC金型技術を移管し、金型向けの地場需要をしっかり獲得して事業拡張することを考えました。

    お客様にとっては納期短縮などメリットを感じていただき、我々としてはそれを売りに新たなお客様を開拓する戦略です。

    性能競争力的に優れている当社のDLCコーティングを試してもらえば、効果を感じていただけるので、間口を広げるよう努力していきます。その手段が積極的な展示会出展です。

    幸い、現在は新型コロナの感染が収束しており、今がチャンスだと思い、拡販活動に注力しています。

    さらに近日中に当社ホームページをガラリと一新します。

    前橋工場での金型向けDLCコーティング加工ができるようになったことをアピールするほか、そのことを記念したキャンペーンの実施にも取り組んでいきます。

     

     

     

  • ユーザー通信236号8面 リアル展示会の回帰 ――MECT2021

    リアル展示会の回帰 ――

    「ユーザーとともにリアル展示会の価値をつくりだす」(オークマ 家城社長)

    「MECT2021」に68,929人来場
    『メカトロテックジャパン(MECT)2021』が、10月20~23日にポートメッセなごやで開催され、4日間で68,929人が来場した。

    2019年展の来場者数は90,244人だったが、今回は緊急事態宣言こそ解除されたものの、依然コロナ禍を警戒する状況下に変わりはなく、平時での開催に比べての2割5分減は次善の結果ではないだろうか。

    20日の開会式で出展者代表としてオークマの家城淳社長は、「コロナ禍では本物と接することの大切さを痛感した。

    リアル展示会の回帰が新たな展示会の始まりになる。

    ユーザーとともにつくりだすリアル展示会の価値を感じてほしい」とあいさつした。

     

     

     

     

     

  • ユーザー通信236号7面 工場見学動画配信視聴会」を実施 MSTコーポレーション(奈良・生駒市) 大器機協

    「工場見学動画配信視聴会」を実施 MSTコーポレーション(奈良・生駒市) 大器機協

    会場で視聴会に参加、ライブ配信を視聴、後日限定配信を視聴、の三択

    大阪機械器具卸商協同組合(大機器協/中山哲也理事長=トラスコ中山社長)は10月26日、昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中止した企業見学会を、今年は新しい試みとして「工場見学動画配信視聴会」というスタイルで実施した。

    今回の動画には、ツーリングメーカーのMSTコーポレーションが協力し、奈良県生駒市の本社工場を舞台に、工場見学動画を配信した。その視聴方法は三択で、

    ①リアル視聴会として当日に会場(ジーネット本社)で動画配信視聴会に参加(定員50名)

    ②当日オンラインでのライブ配信を視聴

    ③後日、期間限定でのYoutube配信を視聴、という参加方法が採られた。

    MSTコーポレーションの溝口春機社長による、「工場とオフィスは全て、ライブショールームという位置付け」との案内から始まる38分間の動画では、概ね次の内容がナビゲートされた。

    ▽ツールホルダには、「手になじむ」「しっかり掴む」「振れ精度が良い」といった3つのデザイン要素がある。

    ▽無人化・自動化工場を強調した製造工程の紹介。

    ▽「工場内のキレイさがダントツだった」ことが入社の志望動機だったと振り返る製造部マシニング担当の女性社員のインタビューや、見学は「包み隠さず全部見せる」稀な工場であり顧客を招きやすく、理解も得られやすいといった男性営業社員の声を通じ、5Sに安全(Safety)を加えた「6S活動」への取り組みの効果を紹介。

    ▽この6S活動を同社発信で業界の標準にしたい、との思い。

    ▽その他、展示会と同じレイアウトで商品を並べる「模擬展示専用フロア デポ」、「昔の工場と比べて良くなったこと」、現在40名体制で取り組むグラファイト受託加工、等々に工場内で各人が言及、紹介した。

  • ユーザー通信236号7面 ダイジェット工業、 半期決算

    ダイジェット工業、 半期決算

    輸出割合が27・9%増加し49・9%に

    ダイジェット工業(本社=大阪市平野区、生悦住歩社長)は11月5日、第96期(2022年3月期)第2四半期の連結業績を発表した。

    売上高は38億2100万円、営業損失は1億7500万円、経常損失は1億7100万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は2億4百万円。

    このうち、売上高における国内販売は前年同期比9・7%増の19億1400万円。輸出は同27・9%増の19億7百万円となった。輸出の地域別では、北米向けが前年同期比37・6%増の4億6百万円、欧州向けが同30・7%増の5億1700万円、アジア向けが同24・1%増の9億6900万円、その他地域向けが同24・8%減の1400万円となり、この結果、連結売上高に占める輸出の割合は、前年同期に比べ3・8ポイント増加し、49・9%となった。

    製品別では、焼肌チップが前年同期比22・6%増の3億4100万円、切削工具が同21・8%増の30億4400万円、耐摩耗工具が同10・1%増の4億2800万円となった。

    なお同社では「収益認識に関する会計基準」等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、第2四半期の売上高は1億2300万円減少。

    前第2四半期において当該会計基準を適用したと仮定して算定した売上高に基づき、同説明内における前年同期比較を実施している。

    また通期業績予想については、新型コロナウイルス感染症の再拡大や半導体を始めとする部品不足による生産活動停滞の影響を受け、売上高、利益面ともに5月13日に公表した当初の予想(売上高92億円、営業利益3億円、経常利益3億円、親会社株主に帰属する当期純利益2億4千万円)を下回る見込みとなった。

    その上で、売上高83億円、営業利益1億5千円、経常利益1億5千万円、親会社株主に帰属する当期純損失1億円と、11月5日付で修正している。

  • ユーザー通信236号6面 山善、 第2四半期決算 工作機械受注額が過去最高水準に迫る

    山善、 第2四半期決算 工作機械受注額が過去最高水準に迫る

    総じて顕著な回復が見られた国内機械事業

    山善(本社=大阪市西区)は11月10日、第76期となる2022年3月期第2四半期(2021年4月1日~9月30日)の連結業績を発表した。

    なお同社は今期から収益認識の変更をしており、前年同期比(%)については記載せずに説明している。

    売上高は2385億5200万円、営業利益は74億8700万円、経常利益は74億6400万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は56億1300万円。

    通期の連結業績予想については、8月11日に上方修正し、売上高4900億円、営業利益130億円、経常利益130億円、親会社株主に帰属する当期純利益90億円としている。

    同日午後、大阪証券取引所での長尾雄次社長の記者会見の内容は、概ね次のとおり。

    設備投資については、グローバルな経済活動の再開に伴い多くの事業者における稼働率が上昇し、全般的に工作機械等の受注が伸長している。

    国内の個人消費ついては、テレワーク等に関連する消費財の需要が継続した。住宅関連でも新設住宅着工戸数が持ち家を中心に好調に推移していることや、住宅設備機器の需要も好調だった。

    セグメント別では、生産財関連事業における国内機械事業は、総じて堅調な回復が見られた。

    これは営業活動における、国内での事業再構築補助金を始めとした各種補助金の提案等で活発に動いたことが好材料のひとつとなっており、上期(4~9月)の国内外を合わせた工作機械の受注額は過去最高水準に近い状況だった。

    国内機工事業も、このような工作機械の動向に伴って工場の稼働率が向上したことで、切削・補要工具等が伸長した。

    海外生産財関連事業については、中国、アセアン、北米支社では自動車や半導体産業等を中心に設備投資が活発に行われ、台湾支社では半導体やIT機器産業におけるEMS企業(生産工程などを主体的に請け負う会社)の設備投資が活発であり、海外4支社とも工作機械の受注および販売が伸長した。

    その結果、生産財関連事業の売上高は1512億7700万円となった(参考値として前年比24・2%増)。

    今後の見通しについては、周知のように半導体や部品不足、物流網の停滞等が懸念されており、グローバルなサプライチェーンの混乱も散見されている現在の足元であり、当社としてもこれを注視していく必要がある。

    「DX認定事業者」に選定、発電事業へ参入

    一方では、日本を含めた世界各国で「デジタル変革」と「グリーン社会の実現」を促す政策が打ち出されている。山善においてもこの変革の波をチャンスと捉えており、「DX基本戦略」に沿った施策を進める中で、10月には経済産業省より「DX認定事業者」に選定された。

    さらに、発電事業者として太陽光発電システムを設置し、発電したクリーンな電気を顧客に販売するPPA(Power Purchase Agreement) モデル事業にも参入した。

    このように、デジタル変革とグリーン社会の実現に向けた施策を着実に実行していきたい。持続的成長へ向けた重点的かつ大胆な投資に積極的に取り組み、こうした事業を通じて、社会に役立てるよう貢献していく。

     

  • ユーザー通信236号6面 タップ生産工場で植物由来廃食用油利用の実証実験中 オーエスジー

    タップ生産工場で植物由来廃食用油利用の実証実験中 オーエスジー

    全国初環境対応、八名工場より横展開拡大中

    オーエスジー(本社=愛知県豊川市、大沢伸朗社長)は、世界最大のタップ生産工場である八名工場(愛知県新城市)にて今春より、全国初となる植物由来の廃食用油を利用した工作機械による各種加工の実証実験を開始している。

    スタートは、タップの前工程での荒ねじ転造加工などにおいてテストし、切削工程での検証に進む。

    これは、豊橋市に本社を置く斎藤塗工店(板橋正浩社長)のテスト依頼に応える形で、八名工場の一部を利用して実証実験を開始したプロジェクトで、八名工場 製造技術担当の乗松顕太朗氏によれば、「各種改良を重ねながら、実証実験を進めるなかで結果は良好であり、加工における工具品質にも特に問題はない」と解析している。

    さらに、このプロジェクトを推進するオーエスジー 大沢二朗常務は、「安価で大量に使用している鉱物油から全てが置き換わることは難しいが、今後、鉱物油の使用を少しずつ減らし、廃食用油の再生利用を進めることで、環境にやさしい取り組みに挑戦したい」と豊富を述べる。

    日本政府は2050年までに温室効果ガスを実質ゼロ(カーボンニュートラル)とする目標を打ち出していることから、鉱物油に比べ若干のコスト増とはなるものの、オーエスジーでは、廃食用油のリサイクル活用による鉱物油の使用量削減という形で、微力ながら貢献できるものと考えている。

  • ユーザー通信236号5面 OKK、ベストセラー機 「VMシリーズ」をリニューアル 受注から出荷までリードタイム短縮、操作性向上

    OKK、ベストセラー機

    「VMシリーズ」をリニューアル
    受注から出荷までリードタイム短縮、操作性向上

    OKK(本社=兵庫県伊丹市、森本佳秀社長)は、同社の看板機種である立形マシニングセンタ「VMシリーズ」をモデルチェンジし、『VM43RⅡ』『VM53RⅡ』『VM76RⅡ』として発表、このうちVM53RⅡは、10月に名古屋で開催されたメカトロテックジャパン(MECT)に出展した。

    2011年に「VM Rシリーズ」としてリニューアルしVM53Rを発表、その後VM76R、VM43Rへと展開を進め、2020年までに約3600台の出荷実績がある。

    特長でもある高い機械剛性によって得られる切削能力により、幅広いユーザー層に使用されているが、機械の短納期化が要求される現在において、受注から出荷までのリードタイム短縮が課題となっていた。

    このような市場の要求に応えるべく、機械構成要素(モジュール)として生産が可能となるように設計レベルでの見直しを進め、リードタイムを従来比で約2/3程度に短縮し、部品の共通化とともに操作性の向上も図っている。旧モデルのVM Rシリーズからの主な強化点は、次のとおり。

    ■操作性が容易な構造

    ▽日常点検機器の位置を機械背面に集中させることで保守作業を容易化

    ▽評価を得ていた接近性が旧モデルからさらに向上(VM53RⅡではVM53R比A/B寸法10㎜縮小)

    ▽正面扉は天井部まで大きく開口。旧モデルでは天井部にあった干渉物(扉開閉のレール)もなくし、クレーンでのワーク積み降ろしもスムーズに

    ▽旧モデルから正面扉の邪魔な格子をなくし、窓部を大幅に拡大。機内にはLED2灯を標準装備し、段取作業や加工中の機内確認を容易化。

    ■本体剛性の向上

    ▽コラム-ベース結合部の幅を大幅拡大。

    コラム単体剛性の大幅アップにより、さらなる高レベルな機械剛性を実現(VM53RⅡではVM43R比コラム-ベース結合部寸法1・5倍)

    ▽№50ギヤ仕様主軸への冷却構造の強化。旧モデルより採用している主軸ベアリング冷却、ヘッド側面冷却に加え、ヘッド前面にも冷却油を循環させる構造を追加。

    ■熱変位対策を強化

    OKK独自の環境熱変位補正「ソフトスケールCube」を標準採用。

    ■主軸仕様の向上

    主軸端面は、2面拘束主軸(BTT)を標準装備。

    標準主軸仕様を最大6千回転(15/11kW)主軸から最大8千回転(18・5/15kW)主軸へと仕様アップ。

    ■工具最大長さを向上

    VM53RⅡは380㎜(旧モデルは350㎜)。

  • ユーザー通信236号4面 「スペースサステナビリティ」案件が目白押し アストロスケール 宇宙大特集

    「スペースサステナビリティ」案件が目白押し アストロスケール 宇宙大特集

    持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ)除去サービスを含む軌道上サービスに取り組むアストロスケールホールディングス(本社=東京都墨田区、創業者 兼 CEO=岡田光信氏)は直近、「スペースサステナビリティ」に由来した成果を次々リリースしている。

    ■NZ政府と宇宙の安全性などMOU締結

    ニュージーランド政府のビジネス・イノベーション・雇用省(MBIE)と、デブリの軽減や軌道上サービスを含む宇宙の安全性と持続可能性の分野で協力するためのMOU(覚書)を締結した。

    同MOUは、長期的なスペースサステナビリティに貢献するために共同の技術開発や研究を含む一連の活動を行うことに焦点を当てている。

    ■英国宇宙庁の研究プログラムに選定

    低軌道上の非協力物体2機の除去研究を検討する、英国宇宙庁(UKSA)のプログラムに選定され、この既存デブリ除去(ADR)研究プログラムのフェーズ0-Aは、英国政府が2025年までに達成を目指す大規模ADRミッションを主導する土台となる。

    同研究プログラムは「COSMIC」(コズミック)と呼ばれ、アストロスケールは衛星2機の捕獲を目指すこのADRミッションを主導し、民間世界初のデブリ除去技術実証衛星『ELSA-d』(エルサディー)ミッションで培った機能を活用する。

    ■大型デブリ除去実証の打上げ事業者決定

    打上げサービスと宇宙システムの世界的リーダーであるRoket Lab社(ロケットラボ)との、商業デブリ除去実証衛星『ADRAS-J』(アドラスジェー)の打上げ契約を締結した。

    ADRAS-Jは、世界初の大型デブリ除去等の技術実証を目指す、JAXAの商業デブリ除去実証プロジェクトフェーズⅠの契約相手方として選定、契約締結されている。

    打上げは2022年度内に、ロケット『Electron』(エレクトロン)にてニュージーランドのマヒア半島で行われる予定。

  • ユーザー通信236号4面 スペースデリバリープロジェクト」 Space BD 宇宙大特集

    「スペースデリバリープロジェクト」 Space BD 宇宙大特集

    「商社能力+絶対的技術力」が成し得る独自のサービス

    「宇宙の新しい使い方」を連打していく(永崎社長)

    宇宙産業における総合的なサービスを提供する宇宙商社Ⓡ、Space BD(本社=東京都中央区)は10月19日、宇宙ビジネス拠点「X-NIHONBASHI TOWER」(日本橋室町)にて、「スペースデリバリープロジェクト ~RETURN to EARTH~ 」JAXA対象品引渡し報告会を開催し、プロジェクトに参加する国内の研究機関・民間企業6組と、技術提供した協力企業4社が出席した。

    JAXAから事業者選定を受けた、Space BDのみが提供できるサービス

    スペースデリバリープロジェクトとは、ISS(国際宇宙ステーション)「きぼう」日本実験棟の中型曝露実験アダプタ (ⅰ-SEEP)に搭載する新たな小型簡易曝露実験装置(ExBAS)を活用したプロジェクトで、Space BD主導で広く参加団体を募り、対象品の選定から打上げ、地上回収までのあらゆるサポートを遂行する。

    第1弾となる今回は、民間企業や研究機関など計10組から集めた、研究用素材、写真、イラストなどの様々な対象品を、2021年度内に国際宇宙ステーションの補給船で輸送し、 船外実験プラットフォームにて約6ヶ月のあいだ宇宙空間に曝露する。その後ISS船内に回収、補給船で地球に再輸送し、顧客の元に戻す予定となっている。

    同プロジェクトの特徴は、JAXAから事業者選定を受けたSpace BDのみが提供できるサービスを活用し、宇宙に打ち上げた物品が手元に戻ってくる点にあり、「RETURN to EARTH」とサブタイトルが付いた。

    この報告会のオープニングで、Space BDの永崎将利社長は、概ね、次の内容を軸にあいさつとした。

    「このユニークなサービスは、研究用途に限らず、記念品や教育目的に至る広がりを持たせた点では、世界初ではないかと考えています。そして、我々は宇宙商社と称していますが、メンバーの1/3がエンジニアである点も特徴であり、これらから成る、当社独自のサービスです」。

    「さらに、部品レベルから技術的な観点でもプロジェクトマネージャーとして直接手掛けることが可能なため、価格面でも世界的にかなり競争力のあるサービスであると認識しています」。

    「当プロジェクトの第二弾、第三弾はもちろんのこと『宇宙の新しい使い方』という事例をたくさんつくっていきます。それが宇宙産業の裾野の拡大と発展につながり、日本初の我々が世界で存在感を持つ、ひとつの切り口になると思っています」。

    次にあいさつに立った、JAXA 有人宇宙技術部門 きぼう利用センターの土井忍氏は、「今回、様々なサンプル等の引渡し報告会を迎えられることをJAXAとしても大変喜ばしく思っています。

    この取り組みについて、Space BD様に打診から1年以内に、このような形でReady to Flightの段階に来られたのは、商社としての能力プラス、下支えする絶対的な技術力にも裏打ちされて成し得たことだと考えます。

    このような形で、引き続き、勢いをもって、このプロジェクトが発展していくことを期待しています」と追随した。

    ISS上にあるExBAS(船外曝露実験設備)とは、縦30㎝ほどの牛乳パックサイズで、柱の表面には布などの素材やステッカー(サイズ=69×68×5㎜)を取り付け曝露を行い、柱の中には指輪、時計、靴などの小物類(サイズ=70×70×200㎜)の浮遊を行った後、地球に持ち帰ることができる。

    搭載対象品の用途としては、放射線や無重力、真空、原子状酸素などの宇宙環境が素材・微生物などにどのような影響をもたらすかを調べる「研究開発」。宇宙旅行や宇宙飛行士募集が盛り上がりを見せ、宇宙をテーマとした新たなストーリー構築が可能となる中、これまでにない付加価値創出の実現を基にしたPR活動を行うことで認知獲得を期待する「マーケティング」。

    生徒自身が打上げる物品を製造することで、宇宙への打上げ・曝露・回収に必要なプロセスを学ぶ、あるいは宇宙教育プログラムの実施に伴う記念品利用といった「教育」、の3つに大別される。

    アロンアルファ、宇宙へ―

    京都大学、福岡工業大学、そして国内外の民間企業がプロジェクト参加ユーザーに名を連ね、今回は、工業用ダイヤモンド、木材試験体とポリイミド樹脂、生体有機物剛性と微生物、QRコードを刻印したアルミ板、有名人がサインした紙の束、等々が対象品として選定された。

    そんな中、今年発売50周年を迎えている瞬間接着剤の代名詞「アロンアルファ」のメーカー、東亜合成を代表し報告会に出席した安藤裕史氏は、「アロンアルファで接着したサンプルが宇宙に行って、無事、接着したまま手元に戻ってくる日を楽しみにしています」とコメントした。

    ちなみに質疑応答で今回の実験を機とした将来的な狙いを問われた安藤氏は、会社として実際的な計画は未定としながらも、「昔のアニメで見た、宇宙空間で穴が開いた時に埋まるピンクの玉のような接着剤をつくりたい」と個人的な夢を挙げた。

    そして、「アマビエ」も宇宙へ―

    さらに、搭載対象品には、Space BDオリジナルの取り組みとして、新型コロナウイルスの完全収束を願い、疫病退散キャラクターとして名高い妖怪「アマビエ」を描いたアルミ板と、社員の氏名と座右の銘を記した社員証を、他の対象品とともに宇宙空間に打上げる。

    このアマビエを描いたアルミ板は、9月6日に神奈川県藤沢市の江島神社にて祈祷を受け、地上に戻ったあとには同神社における奉納と展示を予定している。

    一方、プロジェクト協力企業の中には、本紙読者である生産財ユーザーや業界にとってはおなじみの、機械メーカーや切削工具メーカーとのコラボ、共同プロジェクト等に積極的な、由紀精密(神奈川県茅ケ崎市)が参加している。

    宇宙機器の製造実績が豊富な由紀精密には、JAXAとの共同開発による、ExBASの側面部分に各対象物を固定するための枠板製造が委託された。

    報告会に出席した由紀精密の平野融氏は、「当社は微細加工を得意とする中、普段は宇宙関連や医療など様々な分野にチャレンジする姿勢が、Space BD様と共鳴できたと思います。宇宙機器へのこれまでの関り、培ってきたノウハウを駆使して製造しました」と話した。

    なお、スペースデリバリープロジェクトの今後の展開については、「地上で創れない味わい」、「耐久性・強靭性の証明」、「宇宙タイムマシン構想」、「宇宙イベント企画」をベースに、早くも2号機以降でも新たな利用の可能性拡大が示唆されている。

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