ブログ

  • ユーザー通信216号 5面:トラスコ中山 東西本社で賀詞交歓会開く

    トラスコ中山 東西本社で賀詞交歓会開く

    トラスコ中山は1月6日、新春恒例の賀詞交歓会を、東京本社および大阪本社にて開催した。

     

    東京本社の出席者は中山哲也社長はじめ12名、大阪本社では中井孝専務ら11名が、それぞれ来場者を出迎え、新年のあいさつを交わした。

    中山社長は、配布された社内報『はんどめいど』新春号のなかで、令和2年新春メッセージとして「奇創天外」の言葉を挙げ、「奇想天外を独創的なことと読みかえてみたいので『奇想天外』とした」とし、アイデアについて、例えば、次のように発信している。

    ―アイデアは大きいものだけではなく、小さなものまでどれも重要である。かつて、ある女性社員が言った「懐中電灯をもっと増やせば」のひとことで、LED化の波も追い風に、今では作業灯・照明用品は年間40億円のビジネスとなった。

    日常茶飯事の景色の中にも、ものすごいアイデアが潜んでいると思う。ちょっとしたアイデアが、奇創天外なアイデアにつながるかもしれない。

    今年も一人ひとりがアイデアの創出者になることを願う―。

  • ユーザー通信216号 5面:大機器協 新年賀詞交歓会

    大機器協 新年賀詞交歓会

    200社超のメーカー会員ら総勢700人が参集

    大阪機械器具卸商協同組合(大機器協)は1月8日、大阪市北区堂島浜のANAクラウンプラザホテル大阪を会場に、「令和2年 新年賀詞交歓会」を開催し、組合員、200社を超えるメーカー会員ら、過去最高を更新する総勢691名が参集した。

    主催者あいさつとして中山哲也理事長(トラスコ中山社長)は、昨年10月の全機工連大阪大会への参加・協力に感謝を示したあと、今年の予定として、5月12日の会員総会(ホテル日航大阪)、7月21日の親睦大ゴルフ大会(ジャパンメモリアルゴルフクラブ/兵庫県三木市)といった組合行事を告知し、参加を呼びかけた。

    また「我々流通のなかで困っている問題」として棚卸しをあげ、「棚卸しをやっかいにしているのが『1ダース入り』。ぜひ『10個入り』に直してほしい。1ダースの箱が例えば1235個あったら何個? 電卓がないとわからない!」と笑いを誘いながら要点をついた。

    「10個入りになれば棚卸しが非常に簡便になる。徐々にで結構なので、ダースを廃止して10個入りに、わかりやすい数字へとお願いしたい」と続けた。

    さらには、「できるだけ運びやすい、倉庫に在庫しやすく」と梱包容器の軽量化にも言及し、「いずれにせよ、各企業が知恵を絞って取り組む時代が来たのかなと思う」と述べた。

    そのうえで、「この場が皆様のビジネスチャンスを広げる場としていただければ」と活発な名刺交換、交流拡大を促した。
    続いて、アネスト岩田の壺田貴弘社長が、中国市場にまつわるエピソードなどを交えながらメーカー会員代表としてあいさつし、乾杯の発声を行った。

    また中締めでは、大機器協の古里龍平副理事長(ジーネット社長)が、「20・30歳代のボードメンバー(取締役)がいても、全然、不思議ではない時代」を取り上げ、ある総合団体の会長・副会長の人数や構成を引き合いに出しながら、「若い人とはいわないまでも、さまざまな考え方を持っている人たちが関与して、この業界がもっともっと日本の平均的な産業界のように発展するように、ぜひ心掛けていただきたい」旨話し、結びとした。

  • ユーザー通信216号 5面:日本機械工具工業会 新年賀詞交歓会

    日本機械工具工業会 新年賀詞交歓会

    5G時代「つながる情報、つながるものづくり」に備える

    日本機械工具工業会は1月15日、第一ホテル東京(港区)で令和2年「新年賀詞交歓会」を開催し、正会員および賛助会員、来賓、OBら総勢290人が出席した。

    石川則男会長(オーエスジー社長兼CEO)は新年のあいさつとして、現下の景況よりも少し先の未来、将来の話に主眼を置き話を展開した。

    18世紀後半以降の第一次から現在の第四次に至る産業革命の変遷、概要にふれながら、「ロボット工学や人工知能、ナノテクノロジー、バイオ、IoT、3Dプリンター、自動運転等々、多岐にわたる分野でのデジタル化、それを後押しする5Gの時代になってくる」としたうえで、「多くの情報があふれる時代においては、一つ一つの単独した情報の価値は相対的に低くなり、つながったものでないと情報としての価値が生まれない」と説いた。

    「我々が生産している切削工具、耐摩耗工具等は、工具単独では顧客に選んでいただける最重要な要因にはなりにくく、5Gの時代においては、もっと総合的につながった形での商品・サービスを提供していくためにも、当工業会としては、他業界の皆様とさらに交流を広げ『つながる情報』『つながるものづくり』といった5Gの時代に備えていきたい」と続けた。

    来賓代表として、経済産業省製造産業局の玉井優子産業機械課長からの、「デジタル技術が製造業の位置付けを大きく変える時代になっていく」旨あいさつを挟み、続いて中村伸一副会長(三菱マテリアル執行役常務)があいさつに立った。

    東京オリンピック・パラリンピック、その後のJIMTOF開催について、「日本らしさ、日本のホスピタリティを全世界に知らしめるチャンスであり、当工業会においても、この二つのビッグイベントを通して、さらに活性化を図っていきたい」と決意を示し、乾杯発声の音頭をとった。

    宴席が進むなか、中締めでは岩田昌尚副会長(イワタツール社長)が、「我々は、世の中の変化を後追いするのではなく、イノベーションを進めていく工業会にしなければいけない。情報や力を一番持っているのは、ここに参集のメンバーであり、今年は当工業会から新しいイノベーションを創るようにしたい」と述べ、最後は参加者全員で威勢良く「エイ! エイ! オー!」と声を合わせ気勢をあげた(写真)。

  • ユーザー通信216号 3面:山善・メーカー合同賀詞交歓会

    山善・メーカー合同賀詞交歓会

    2020年経営スローガン ―
    私たちは 輝くあしたに向かって 自信と誇りと勇気を持って 「新しい」に挑戦しよう

    大阪会場に385社・790人が参集

    山善(本社=大阪市西区立売堀)は1月6日、大阪市中央区城見のホテルニューオータニを会場に、「2020 山善・メーカー合同賀詞交歓会」を開催し、385社・790人が参集した。

    新年のあいさつで長尾雄次社長はまず、「常日頃からワンチームで戦っている、最も大切な仕入先幹部の方々をお迎えでき、新年のスタートが切れることを、誠に頼もしく、心強く思う。本日から第4四半期が始まるが、残り3ヶ月を全社一丸となって、現在の公表計画である売上高5千億円、営業利益140億円に向かって、しっかりと取り組んでいく」として、概ね、次の旨述べた。

    ―米中貿易戦争の長期化や半導体市場の悪化等によって、世界全体で先行きへの不透明感が高まり、設備投資意欲が減退するなど、令和の新時代が幕開けした昨年、工作機械業界は「祭りのあとの静けさにつつまれた1年」だったとも評された。

    多分に漏れず山善でも生産財関連事業が停滞し、特に海外、なかでも中華圏では大きな痛手を被った。

    一方、消費財関連事業は、省エネや安心・安全需要の高まりに加え、消費増税の駆け込み需要を取り込むなど健闘したが、全社連結合計の実績としては、残念ながら厳しい状況が続き、第3四半期までを終えた。

    この新年の機会を活かして、足元から再点検をし、やるべきことをしっかりと確認し、第4コーナーの追い込みをかけていきたい。
    同時に、いまこそ原点回帰する絶好のチャンスだと社内では徹底している。なぜなら、こういう時にこそ頭を冷やし、柔軟にいろいろと見直しをして、足腰を鍛え直し、次に大きくジャンプできる力を養うためだ。

    いずれにせよ、私を含めた全員がセールス、全員参加の総力戦で、心機一転、取り組んでいく。

    今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催され、経済界にとっても好材料であり、生産財市場を取り巻く環境も少しづつではあるが、好転の兆しも見え始めている。

    半導体市場の明るさが見えつつあり、自動化・省人化への投資需要も底堅く、その要求は日を追うごとに強くなっていると考える。
    また、5Gや自動運転などが実用化、本格普及に向けて、一段と加速している。

    そんななか、2020年の経営スローガンは、「私たちは 輝くあしたに向かって 自信と誇りと勇気を持って 『新しい』に挑戦しよう」とした。

    難しい漢字や熟語を排除してシンプルに、経験の浅い若い社員にも徹底しやすく、市場や時代の変化に柔軟に、積極的に対応、進化し、常に「新しい」への挑戦を表している。

    一方、決して変えてはならないことは、仕入れ先の皆様方と山善との信頼関係、つながりであり、そして常に現場を歩き、生きた情報を的確につかむことでもある。

    最後に、メーカーの皆様には、明日を変える技術を生みだしていただき、市場をワクワクさせる、そんな新商品・新技術を提供いただければ幸いである―。

    続いて、メーカーを代表し、ファナックの稲葉清典専務があいさつに立ち、「自動化・ロボット化における需要の加速に、市場の強さがある」と追随。

    「そういったなか、山善様におかれては、自動化・ロボット化のエンジニアリング技術を深め、新しい顧客に注力していくと聞くにおよび、ぜひともこの機に、さらに連携を深めさせていただければと思う」と述べ、乾杯発声の音頭をとった。

  • ユーザー通信216号 2面:OSG 全国合同賀詞交歓会 切削工具「単独」から、周辺技術・機器、アフターサービスを『つなぎ』価値創出へ

    OSG 全国合同賀詞交歓会

    切削工具「単独」から、周辺技術・機器、アフターサービスを『つなぎ』価値創出へ

    20年度 売上高1290億円・営業利益185億円見込む

    オーエスジー(本社=愛知県豊川市本野ヶ原)は1月24日、OSGアカデミー内ゲストハウスにて、「2020年OSG全国合同賀詞交歓会」を開催し、卸売代行店・特約代理店、関係者らが参集した。

    あいさつに立った石川則男社長はまず、「上半期までは非常に好調だったが」という前年度・2019年11月期の決算にふれ、連結売上高は1269億6400万円(対前年度比3・4%減)、営業利益は195億5400万円(同13・2%減)、経常利益は197億1900万円(同12・7%減)、親会社株主に帰属する純利益は136億8600万円(同7・0%減)と、減収減益を報告した。
    今年度・20年11月期の業績予想については、「上半期は在庫調整のため、当社製造部門の稼働率が低めになることを想定し」連結売上高は1290億円、営業利益は185億円と、増収ながら減益を予想する。

    「このように20年度のスタートは大変厳しいものとなったが、良くない話はここまでとして、ここからは少し明るい未来の話を」と転じ、「5Gと産業革命」を切り口に、概ね、次のように説いた。

    18世紀半ばに始まった第一次産業革命から、現在私たちが生きる社会に至る変遷を紐解くなかで、現在の第三次産業革命は1990年代から普及し始めたインターネット抜きには語れないが、このインターネット革命の次の先にあるものが、デジタル革命といわれる第四次産業革命である。

    ロボット工学、人工知能(AI)、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、IoT、3Dプリンター、自動運転など様々にわたる分野において、大きな技術革新が実用化される時代といわれるなか、通信速度を飛躍的に速める5Gの技術が、今まさに始まっている第四次産業革命を牽引するということだが、では、第四次産業革命と5Gによって、どんな時代になるか。

    非常に多くの情報が溢れる時代になるだろう。ありとあらゆる情報が一気にダウンロードされたりする世界。そうなれば、一つ一つ、単独の情報の価値が必ずしも高くなくなり、情報とは「つながる」ことが重要になってくる。つながった情報を活用することができれば、はじめて情報には大きな価値が生まれる時代になるだろう。

    我々が製造する切削工具でも単独での価値は、お客様に選択いただける最重要な優先順位にはならない可能性が高くなる。もっと総合的につながった形での商品とサービスが真の価値を生むものと思われる。

    オーエスジーは皆様とともに、切削工具だけではなく、周辺技術、周辺機器をつなぎ、そしてアフターサービスまでをつなぎたいと考えている。

    オーエスジーは工作機械メーカーではないので、工作機械のアフターフォロー、特にメンテナンス等はできないわけだが、ユーザー様が期待するその機械の生産性、CPUやコストパフォーマンスといったものは、工具メーカーのオーエスジーとして最後の最後までフォローさせていただく。20年はそんなオーエスジーを目指したいと思う ―。

    次に、特約代理店を代表して、山善の長尾雄次社長があいさつに立ち、「オーエスジー様は昨年11月決算が減収減益の結果だったとはいえ、2年前の業績とニアリーイコールの数字という高いレベルで推移されており、厳しい当業界のなかにあって、大変な頑張りであると頼もしく思う」と述べた。

    新春を祝う鏡開きに続き、テヅカの三橋誠社長は、このところ励んでいるという自らの断捨離になぞらえ、流通の在庫負担、メーカーの生産管理、それぞれにとって、「新製品ですでに代替した商品、当世風でない商品は、なるべく早く統廃合、整理をしていただいたほうが、合理的な販売と製造ができるのではないか」と言及しつつも、恒例となっている自身の「乾杯のあいさつも、そろそろ整理させていただければ・・・」とユーモアを交えた言葉を添え、乾杯発声の音頭をとった。

    交歓会の中盤には、オーエスジー 硬式テニス部「オーエスジーフェニックス」の選手6名と大沢二朗常務が監督として登壇した。
    大沢常務は、「我々のポリシーは、仕事を第一優先、そしてテニスも一生懸命。昨年は最高の成績を上げることができた」とあいさつし、選手各自を紹介した。

    「やるべきことをやっていく年」(大沢専務)

    中締めでは、「これまで景気の谷を9回も経験してきた」旨を織り交ぜ、山下機械の山下隆蔵会長があいさつ。次いで最後に、オーエスジー 大沢伸朗専務が閉会のあいさつを行った。

    「私としては久々に景気の谷を経験しているところで、こういう時こそ『あたり前のことを真剣にやる』とあらためて感じており、まさに今、そういった部分が問われるのだと思う」としたうえで「(営業の)プロとはなんだ?」にふれた。

    「営業の凄い人とは、涼しい顔をして、何気なく、凄いことをしてくる人」とし、「クレームの謝罪訪問した際でも、帰り際には先方がにこやかになり、手土産までいただいてくる」といったような事例を紹介しつつ、「やるべきことをやっていく年、次への飛躍につなげる年にすべきだと思っている。引き続き皆様のご尽力のもと、この厳しい局面をしっかりと乗り切っていきたい」旨、締めの言葉とした。

  • ユーザー通信216号 1面:2020年工作機械受注額見通しは「1兆2千億円」

    2020年工作機械受注額見通しは「1兆2千億円」

    1月9日に都内のホテルニューオータニで開かれた日本工作機械工業会(日工会)の新年賀詞交歓会で、飯村幸生会長(東芝機械会長)は2020年の工作機械受注額を「1兆2000億円」との見通しを示し、「いまは目先の受注に一喜一憂せず、各社のありたい姿に向けて、なすべきことをやり遂げる時期」と述べた。

    一昨年は空前の1兆8千億円を超える受注額を記録し、勢いそのままに昨年(19年)も受注環境は一定の高水準を維持する(1兆6千億円)と見込んだものの、実勢では、米中貿易摩擦の長期化に加え、世界各地の景気後退が設備投資の下押し圧力となり、19年の受注総額は年間修正見通しの1兆2500億円に未達、下回る水準に留まったと見込まれる。

    そんななか飯村会長は、「政治・経済状況、地政学的緊張感等、世界の政治経済の行方が見通しづらい状況にある」としたうえで、外需については、「欧米では米中貿易摩擦の影響や先行き不透明感から、総じて軟調に推移、またアジアでも生産拠点が中国からシフトしている国や中国経済への依存度が比較的低い国からの受注は持ち直していくと見込まれる。また内需では、自動化・省力化投資が見込まれ、半導体製造装置では5G関連の投資も、一部期待される」との見解を示した。

    ND社は1兆1千億円を予想

    一方、月刊誌『生産財マーケティング』の版元であり、展示会『メカトロテックジャパン』の主催者であるニュースダイジェスト社(樋口八郎社長/以下、ND社)は、1月10日に名古屋市内のキャッスルプラザで開催した恒例の『FA業界新年賀詞交歓会』の場で、20年の工作機械受注額を、こちらは「1兆1000億円」と予想した。

    メーカー、商社、関連団体・企業から総勢752人が詰めかけるなか、ND社の八角秀編集長による「2020年業界展望」のなかで、その内わけを内需4500億円(昨年比10・0%減)・外需6500億円(同11・0%減)とした。

    「20年は内外需とも需要回復に向けた好材料に乏しく、それぞれ昨年比で約10%程度下押しすると考えられる。自動車、半導体関連産業などの主要顧客は技術開発や設備投資に対する関心は失っていないものの、国際政治の行方や最終消費者の需要動向を把握し切れておらず、設備の発注に踏み切らない状況にあるゆえ、景気が底打ち反転した際の反動増は、力強く急激になる可能性がある」と考察する。

  • ユーザー通信216号 1面:海外と国内で「文化の違い」がにじむ3Dプリンター市場の事情

    海外と国内で「文化の違い」がにじむ3Dプリンター市場の事情


    1月29~31日、東京ビッグサイトで行われた、国内最大級の3DプリンティングとAM技術の総合展「TCT JAPAN 2020」には、3日間で4万7692人が来場した。

    日本ではまだ2回目の開催だが、海外では25年以上にわたり世界5ヶ国・地域で展開されてきており、この「差」の答えはそのまま、セミナー「国内3Dプリンター市場の動向」(矢野経済研究所)で、まさに浮き彫りになった。

    2018年11月の時点で予測した、19年度国内3Dプリンターの出荷台数は、前年比1・1%増の9500台となっており、実際に現在の肌感覚では予想よりも多く、1万台を超えていると見られ、市場は今後も緩やかな成長が見込まれる。

    ただ、ワールドワイドの視点では、日本の市場は世界市場のおよそ3%前後ということに変わりはなく、日本の3Dプリンター市場は、依然、世界と比較し「遅れている」といわざるを得ない。

    装置や材料の性能・機能は放っておいてもどんどん良くなっており、まずは3Dプリンターを活用した国内の成功事例が伝播することが必要で、それなくしては爆発的勢いで日本の3Dプリンター市場が成長することは難しいと考えられる。

    何より、海外の事例と比較して国内の事例が少ないという一因には、「文化の違い」が大きいと考えられる。

    日本は「秘密主義」の傾向にあるが、海外は事例を公開することで課題を共有し、「別の誰かが、その課題を解決してくれる」ということを期待して公開する傾向にあるという。自社だけで課題を解決するよりも、早く、そして安く解決につなげることができるからだ。ただし、この文化を日本で真似ることは難しいだろう―と「断言」するシーンがセミナーでは見られた。

  • ユーザー通信215号_9面_デジタル加工のドアオープナー デジタル加工の現時点 <後編> 河田洋一氏インタビュー

    デジタル加工のドアオープナー デジタル加工の現時点 <後編>

    河田洋一氏インタビュー

    サンドビック・コロマント(本社=名古屋市名東区、山本雅広カンパニープレジデント)が押し進める「デジタル加工ソリューション」について、本紙前号(2019年12月号)では、同社デジタル加工製品担当の河田洋一氏による「全体像」の説きを〈前編〉として取り上げた。引き続き今回は、河田氏自身が表彰の場に臨んだ、日本機械工具工業会(以下、JTA)の令和元年度・技術功績大賞受賞製品『Silent Toolsプラス』の解説にフォーカスし〈後編〉としてお届けする―。

    ―デジタル工具としてサイレントツールを選んだ理由

    河田 サイレントツール(防振工具)そのものは40年以上前からありますが、今回新たに、工具の中にセンサーを直接内蔵することによって、加工中のびびり振動などのデータをモニタリングし、見える化しましょうという製品がSilent Toolsプラスです。

    センサーを使って加工をモニタリングしようというアイデア自体はサンドビックが最初に提唱したわけではなく、すでに実用化されています。特に工作機械メーカーでは機械に様々なセンサーを搭載しているので、加工のモニタリング自体は新規性のあるものではありません。

    ですが、機械のセンサーから実際に加工が行われている刃先までの距離が短ければ問題なくデータは取れると思いますが、工具や加工によっては、機械のセンサー搭載部分から刃先までの距離があるため、はたして機械に搭載しているセンサーで実際の加工データが正確にモニタリングできるだろうかという疑問があり、より刃先に近い部分にセンサーを入れる必要がありました。その意味でサイレントツールは、工具の突き出しが非常に長いため、センサー搭載に適していたわけです。


    ―話が工具に集約されていると前回の「全体像」に比べ、随分とユーザーにもとっつきやすく、理解しやすい

    河田 そうですね、工具の切り口となれば、ユーザー様にはわかりやすく受け止めていただいているようで、サンドビックのデジタル加工製品といえば、イコール、Silent Toolsプラスだと思われているフシがあります。もちろん間違ってはいませんが、実はそれ以外(ソフトウェアなど)もあります、と説明する機会も多いです。

    ―主な加工用途

    河田 常時モニタリングの必要があるユーザー様が対象になるので、高価なワークを加工されていたり、失敗のできない加工をされるユーザー様となれば、やはり航空機関連が多いです。また、センサーはあまり小さい工具では内蔵できないので、ある程度大きな工具に限定されてしまい、必然的に加工物も大きくなることからも、航空機関連が最もSilent Toolsプラスにマッチすると思います。

    いまのところ製品品目も限られており、対象となるユーザー様も多いとはいえませんので、どちらかといえばドアオープナーというか、デジタル加工製品で具体的に何ができるのかを見せるツールとしての役割もあります。

    ―JTA技術功績「大賞」受賞製品

    河田 センサーを内蔵した工具は既存製品にはなかったこともあり、そういった新規性の高さをJTAから評価いただき大賞を受賞することができました。デジタル加工という新たな分野を工作機械だけではなく、他メーカーも含めた切削工具業界全体に新たな道、可能性を切り拓いたというところも評価いただけたのだと思います。

    ちなみに、技術功績賞は従来からあったのですが、その中でも最優秀なものを表彰する「大賞」は昨年度から新たに設立されましたが、昨年度は該当する製品がなかったため、サイレントツールPlusが「初選出」ともなりました。

    ―「デジタル推し」の今後

    河田 サンドビックはこれからも「デジタル推し」ではありますが、デジタルだけで独立した売り上げをつくっていこうという考えではなく、基本は切削工具メーカーですので、従来から販売している切削工具がビジネスの中心になるのはこれから先も変わりません。あくまで主役は切削工具であり、デジタル加工製品によって従来ビジネスとの相乗効果を得るというのが狙いです。

  • ユーザー通信215号_10面_新春インタビュー タンガロイ 木下聡社長

    新春インタビュー タンガロイ 木下聡社長

     

    「プレーイングマネージャーであり続けたい」
    「モノ」売りから「コト」売りへ
    「航空宇宙産業」「ツーリング」の専門チームが躍動し実績伸長

    タンガロイ(本社=福島県いわき市)の木下聡社長に今年も新春インタビューに臨んでもらった。締め括りには「プレーイングマネージャーであり続けたい。社長という肩書きではあるが、自身で市場を回って世間の要求を聞くこともあるし、開発にも携わりたい。若い人たちとも話したい。そういう面でプレイヤーでいたい」と2020年の「個人的な志」にもふれた木下社長は、2019年度の概観と成果、新製品開発、「効率的な加工」、営業スタイル、設備投資について、次のように述べた ー。

    ― 2019年(12月期決算)の概観

    木下 中国とインドが精彩を欠いたものの、逆に欧米が少し伸びたことによりマイナスを埋め切れ、全体的には若干のマイナスで推移した。国内についても3~4%程度の減で、全体では5%程度の減で終えたと見ており、一昨年までの繁忙さから「落ち着いてきている」と表現したい。
    中国は予想以上に良くなかったが、他は意外に健闘し留まれたのかなと思う。切削工具は日々の消耗品なので、工作機械の投資に比べれば、まだまだ物の流れは続いている。自動車の減産など業種によってのマイナス要素はあるが、航空宇宙産業は対前年比で30%増と大きく伸長した。

     

    ― 航空宇宙産業向けが伸長した背景

    木下 タンガロイの開発では産業別の開発も行っている。これまで航空宇宙産業でのマーケットシェアはさほど強くなかったが、2年前に「航空宇宙産業グループ」を新設し、開発とマーケティングも含めた取り組みが実績につながっているのだと思う。
    また併せて、ツーリング専門のチームも新設した。5軸マシニングセンタでの加工がますます増える中で、効率的なツーリングを組むことは容易ではない。特に航空宇宙産業向けの部品は削り代(しろ)も大きく難しい部品も多い。そういう中で様々なシミュレーション、解析をしながらツーリングを組んでいくチームであり、お客様からの要求は一昨年の100件から昨年は200件超えと倍増している。

     

     

    ― 専門チームにもたらされる要求

    木下 工具とはリリースするだけでは効率的な使い方がなかなか叶わないので、例えば、お客様のワークの3Dモデルを見ながら対応を考えるのも工具メーカーの仕事だと思う。このようなロジカルな解析を元にツーリングを組んでいく。元々は航空宇宙産業向けに始めたが、自動車産業や自動盤向けなど、意外と様々な要求があることがわかり、チームをボリュームアップした。
    タンガロイの需要先はこれまで自動車産業の比率が非常に大きかったので、航空宇宙産業やエネルギー産業、メディカルなど広い産業分野に構成を分散するよう、産業別マーケティングを実施している。
    そういう面では、「モノ」を売るのと同時に、使い方やツーリングといった「コト」のサービスもする。「モノ」と「コト」のセットで取り組んでいく時代になってきたということで、そういったチームをつくっている。

    新製品の売上高比率の最終目標は65%

    ― 活発化したマーケティング活動の成果

    木下 航空宇宙産業からの要求が非常に大きいのと、ティア2も含めたEVやハイブリッド関連での薄肉小物部品の加工が増えてきており、その高精度化への要求が大きい。
    それらに伴って、自ずと開発要求もアイデアも数多く出ることから、一昨年、昨年ともに約50件の新製品を送り出すという良いサイクルを生み出している。新製品(5年以内の発売)については、売上高における比率は65%が最終目標で、常にそれをキープしたい。

    ― 5G時代に向けて

    木下 5Gをはじめ、インダスストリー4・0やIoTなど含め、デジタル化、データ化は、やはり急速に進むだろう。一方では3Dプリンターが画期的な進歩を遂げているので、そこも含めたマーケティングが重要になる。今後、削り代(しろ)は減少していくので、仕上げ加工へのシフト強化など、すぐではないにせよ、そういった流れは注視していく。
    工作機械にはセンサーが付いており、工具の抵抗や振動は感知できるので、デジタルといっても工具へのセンサー内蔵といった話はまた別として、工具の使用量やコストなど全てがデジタル化されることにより、タンガロイが常に提唱してきた「生産性工具」が正しかったということが明らかになってくるのではないか。

    効率的な加工が「クリアにわかる」時代に

    ― 国内での「効率的な加工」の浸透具合

    木下 本社・いわき工場へは、昨年は国内から1000人超、海外からも約600人と来訪者・見学者が訪れており、お客様から「効率的な加工をしたい」という要求が明確に出てくるようになった。その傾向は特に昨年、一昨年で加速しており、やっと日本国内に浸透してきた感がある。コスト競争や多忙によるアウトプット増が必要だったり、働き方改革による必要性など、全てが「効率的な加工」に回り始めているのではないか。
    同時に、国内のお客様が「デジタル化」した考え方に変わってきているので、どんどんと新しい提案をしていきたい。そういう意味では「やりやすい」環境になってきている。在庫管理にしてもコストにしても、全てが数値で見られる時代になってきている中、ありがちな「過去の関係」だけではなく、「高価な工具でも使ってみればコストダウンにつながる」といったことが「クリアにわかる」時代になってきたということ。
    繰り返しになるが、「コト」を売るのは、結果的にはお客様のメリットになる提案なので、「モノ」を売るための「コト」のサービスを高度化したい。

    提案型・技術営業の成功者を横展開

    ― そんな時代の中で目指す「営業」スタイル

    木下 タンガロイの中でもトップセールスが共通して行っている行動パターンがある。どうやってお客様に提案するか、お客様の痒いところを見つけるか、といった観点でこれを分析し、そこからお客様の課題を「予知」して、ソリューションを提案することに重きを置いている。本当の提案型営業、技術営業の成功者を横展開するような感じになると思う。

    ― 「分析して、予知する」・・・とはAIそのものような ?

    木下 そうともいえるが、やはりそこに人間性を持たせていかなければならない。パターンにカッチリとはめるのではなく、それぞれの個性も含めて。併せて、新製品発売がさらに増えることも考慮し、タイムリーに技術教育を行い、工具メーカーとしてのハイレベルな提案営業、技術営業への転換を加速する。

    「自動化投資は却下しない」

    ― 工場設備の投資状況

    木下 一昨年以来、欠品や納期遅延といった大きな問題もなく推移できているのは、設備を頻繁に先行投資しているからであり、今年も継続していく。他社メーカーを見渡しても開発投資を加速しているが、その中でも先行し、もっと加速していきたい。特に「自動化投資に関しては却下しない」。増産投資は売れ行き次第の面もあるが、自動化投資は常に進めていけばよい。

    ― コンペティターの状況を見て

    木下 中国の工具メーカーが力をつけてきている。業界としてはこれまで、先進国メーカー、日系メーカーによる切磋琢磨だったが、その中に中国サプライヤーが出現してきた形だ。大規模投資をしており、品質も向上していると感じる。

    ― 国内シェアの実感

    木下 私自身はあまりシェアは気にしないのだが、「タンガロイのファンは増えている」実感がある。それは新しい提案をして、一度でも良い経験をした方が増えているということ。ヘンな言い方だが、シェアの増やし方にはいろいろな方法がある。だが、タンガロイの商品に魅力を感じていただけるお客様の数を少しでも増やしていくことが重要だと思う。

     

  • ユーザー通信 214号:1面関連記事:アパレル業界の「慣習」への疑問から生まれたエフテクト製品

    1面関連記事:アパレル業界の「慣習」への疑問から生まれたエフテクト製品

    近年は人手不足が顕著な物流現場において、特にアパレルや雑貨では入荷検品として、開梱後のバーコードスキャンおよび数量検品により多く人手を必要としながら手間と時間を要していた。

    RFIDの物流活用では、未開梱の状態でICタグを読みとることができ、即時入荷計上が掛けられる。各物流工程での運用に即した製品群を多岐に渡って展開するエフテクト製品(※1面参照)を導入するユーザーが垂直立ち上げ的に広がったのもうなずける。

    ではなぜ、アパレル業界での導入、引き合いが多いのか? それは同業界の「慣習」にエフテクトゲート発想の源泉があったからだ。

    というのも、知らない者からすれば驚くばかりなのだが、アパレル業界では一つの什器中の商品点数が、例えば、伝票上では100となっていても、実際の入り数が102や103、逆に95や96だっという場合が少なくなく、むしろ「過不足があたりまえ、ふつう」と聞く。多ければ返品する、足りなければ「早く送ってこい!」と催促する。大抵は過不足があり、定数が入っていない、定数の概念がないのがアパレル業界での慣習だとか。文字通り、「ふたを開けてみないとわからない」世界らしい。

    アパレル業界の物流では、こういった「一連の流れ」に非常にコストがかかっていたが、「ここに人手がかかるのはおかしいでしょ?」から生まれたのがエフテクトゲートである。ICタグをゲートに通すことによって、その数量や商材の合否を機械的に自動化できるシステムの誕生となった。

PAGE TOP