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  • ユーザー通信 214号:工作機械の精度も「愛」も復活させる小林機械

    工作機械の精度も「愛」も復活させる小林機械

    中古機械業界の新機軸 ―「圧巻」のマシンプラザ

    「工作機械は『同じ物がつくれる』ので、その意味ではリユースに向いているのではないか」―こう話すのは、小林機械の小林良文社長。

     

    「例えば部品加工で、機械の価格に関わらず、中古であろうが新品であろうが、加工して納める部品には変わりはない。新品の2千万円の機械で加工しようが、中古の5百万円の機械で加工しようが、2千円の仕事は2千円で買ってもらえる。工作機械こそ中古ビジネスには向いていると思う」と続ける。

    同社は群馬県館林市を本拠に、中古工作機械の販売・買取を、ほぼ「専業」とし、中古機械業界の中にあっては、そのイメージでも実績でも一線を画している。

    その旗艦となっているのが、本社機能も併せ持つ「東日本マシンプラザ」の存在だ。2010年11月に、それまで周辺に点在していた倉庫を延床面積4400㎡に集約し、2年後の13年10月には一部2階建ての新展示棟(延床面積5200㎡)を増設した。

    50t・20tクレーンも配備し、かなりの大型工作機械なども扱っている。2階には工具・道具類、周辺機器を集めている。

    マシンプラザの姿は、同社のホームページや一部資料での写真で目にはしていたが、実際目の当たりにすると、そのスケールは「圧巻」のひと言、なおかつ、本当に「キレイ」だ。

    さらに16年1月、近隣の本庄市に展示棟3棟と事務所棟を合わせた延床面積約1万4200㎡の「マシンプラザ本庄」を開設し、門形加工機とベッド研磨も導入するなど、小林機械では機械の販売・買取だけでなく、細部にわたり、徹底したメンテナンス、修理といったアフターケアに注力しているのが特長。自社雇用の職人によりキサゲ作業も行っている。
    さらなる強みは保証精度、「精度を復帰させる」ことにある。同社では新品と同様の検査方法を実施している。

    「新品でも最初の保証精度が違うので、元々の差がある。そういった中でユーザーは購入する機械を選ぶのだが、用途や精度に合わせて買う『段階』がある。その範疇でユーザーの機械がどの段階に位置するかとなれば、当社で精度復活させた中古機械は、メーカーの新品と遜色がない程度に仕上がったりもする」。

    そんななか、中古機械の世界から見た日本の製造業を、小林社長はこう見ている。

    「いまの若手から中堅のオペレーターたちは、機械を丁寧に使うことを教えられていない。使いっぱなしの機械が多い。ここでもう少しきちっとと切り粉を落としておけば・・・とか思うことも多く『使って、壊れて、また新しい機械を買う』という流れになっており、もったいない。丁寧に使えば長く使える。その分、自分の給料にも返ってくるわけだから。

    そういう『機械に対する愛』が少ない気がする」。

    その「愛」を再び込めているのが、小林機械のマシンプラザだともいえるだろうか。

  • ユーザー通信 214号:ダイジェット工業 上期決算発表

    ダイジェット工業 上期決算発表

    減収減益も「継続的な設備投資推進」を強調
    切削工具の新製品比率が35%に上昇

    ダイジェット工業は11月8日、2020年3月期(第94期)第2四半期の決算発表を行い、同日、シェラトン都ホテル大阪(天王寺区上本町)では、国内営業部の福井正徳部長と営業部営業企画室の有吉倉則室長が決算説明会に臨んだ。

    連結売上高は46億7600万円(対前年同期比8・7%減)。このうち国内向けが27億6500万円(同6・2%減)、海外向けは19億1千万円(同12・2%減)となった。

    海外向けの地域別では、北米が4億1400万円(同4・8%減)、欧州が5億1千万円(同12・1%減)、アジアが9億6200万円(同14・3%減)、その他地域が2300万円(同33・8%減)となり、なかでも、アジアにおける中国だけに絞れば18・3%減と最大のマイナス比率となっている。

    この結果、連結売上高に占める輸出の割合は、前年同期に比べ1・5ポイント減の40・9%となった。

    これを受け福井部長は、「ある程度の想定内ギリギリ」と表現したうえで、「このような景気の下降局面に際しては、従来の考え方なら出費、投資は控え対応するところだが、ここ数年、生産性向上(自動化・無人化)のために積極的に進めてきた設備投資を、ここでトーンダウンさせるわけにはいかない。次の上昇局面に向け乗り遅れることのないよう、こういった局面でも継続的な設備投資は推進する」との見解を示した。

    製品別の売上高を前年同期比で見れば、焼肌チップが21・2%減(4億9800万円)、耐摩耗工具が13・0%減(6億1700万円)となるなか、切削工具は5・7%減の35億5400万円と他に比べ踏みとどまった感がある。

    有吉室長は切削工具について、「売り上げの金額よりも伸び率を重視するなかで、ショルダーエクストリーム(高能率高送りカッター)、タイラードリル(座ぐり加工用ドリル)、スウイングボールネオ(刃先交換式ボールエンドミル)といった製品の販売が順調に推移している。新製品(発売後3年以内)の比率は5ポイントアップし、全カタログ商品中の約35%まで上昇してきている」と現況を説明した。

    続けて、「金型加工向けに長らく『高硬度材加工』をキーワードにしてきた自負はあるが、発売から10年経過したような古参もある。コンセプトは踏襲しながらも、同業他社の攻勢もあるなかで、いま一度テコ入れのため新製品を投入し、競争力を高め、さらに拡販に努めたい」とも強調した。

    一方、連結営業利益は2億4700万円(前年同期比42・5%減)、経常利益は2億3700万円(同48・4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億4900万円(同48・8%減)となった。

    設備投資の効果が利益面で貢献

    このように前年同期比では減少しているものの、売上高でほぼ同等だった2016年上期に比べれば、営業利益で132%、経常利益で171%、純利益で204%と伸長しており、福井部長は「設備投資による生産性改善(自動化・無人化が進む)が確実に貢献している。特に三重事業所における成果が大きい」と言及した。

    なお、通期連結業績予想は修正せず、5月10日に公表した売上高101億円、営業利益5億円、経常利益5億円、親会社株主に帰属する四半期純利益3億5千万円を据え置いた。

  • ユーザー通信 214号:DMG森精機 決算説明とハイライトをライブ配信

    DMG森精機 決算説明とハイライトをライブ配信

    売上高4850億円・営業利益370億円に年度業績予想を修正
    補修部品・サービス受注続伸/完全な受注生産へ邁進中

    DMG森精機(本社=名古屋市中村区)は11月7日の12時30分より、森雅彦社長による2019年度第3四半期決算発表のようすをライブ配信した(同社HPにてオンデマンド配信中/11月末現在)。

    1~9月のハイライトとして約40分間にわたり決算概要、事業環境や重点施策等について説明した。

    全社受注は3211億円で前年同月比では22%減だが、業界平均は30%減であり、比較的持ち堪えていると見ている。この背景には、例えばスペインからメキシコへの工場投資等、日本やドイツからの工場進出に限らず、全世界で万遍なくさまざまな工場のトランスプラント(海外現地生産工場)を受けていることが、一定の受注確保に効いていると考えている。

    売上高は昨年来の受注残もあり3493億円。対前年同月比1%減とほぼ同額で推移。営業利益は286億円(同22%増)。

    世界最大の工作機械見本市「EMO 2019」(9月、ドイツ・ハノーバー)では、ますます進展している自動化、デジタル化を表現することができた。

    5軸化・複合化・システム化といった3つの大きな変化により、1台当たりの受注金額が前年度比6%増。

    現在、顧客は買い控えの傾向にあるが、既存設備はかなりの稼働率を保っており、それに関わる補修部品やメンテナンスのためのサービス受注が、前年同期比7%増と続伸している。

    これは、コンスタントな新卒採用から工場で研修を受けたサービスマンを現場に送り込む、また通年採用で他業種からきたサービスマンを6ヶ月程度の研修期間を終えて、各フロントへ送り込むというサービスマンの維持および増員が、ここにきて功を奏していると考える。

    顧客とのコミュニケーションをより密にし、互いに無駄を省き、さらなる高稼働率を達成するために、ドイツおよび日本でWebによる情報共有サービス「my DMG MORI」を開始している。

    一部機種を除き、かなり複雑なシステム化が増えており、これに対応すべく、無駄なネットワーキングキャピタル(運転資本)を削減するために「完全な受注生産」へと邁進中。
    年度業績予想を修正し、売上高は円高にもより目減りするため従来の5千億円に対して4850億円程度となる見込み。営業利益については元々の目標であった360億円を確実に確保し、さらに370億円強を見込む予定。これら数字は受注残が5ヶ月程度分あることから、確実に達成できる数字だと考える。

    見本市の役割―「中原製作所プライベートショー」を紹介

    また森社長は「見本市の役割」にも言及。最近頻繁に説いている「見本市(パブリック)よりも自社展示会(プライベートショー)の重要度が増す」旨強調し、「今後もまめに各地域で最低年に1回は展示会を行い、お客様とのつながりを強化していきたい」とするなか、8月末に2日間行われた岡山市の「中原製作所プライベートショー」について紹介した。

    これは、各地方のDM森精機ユーザーの現場自体を会場とし、DMG森精機の「顧客同士」が情報交換をし、機械購入を検討するプライベートショーで、中原製作所設備のDMG森精機の機械8台、DMG森精機からの貸出機2台を展示した(ちなみに中原製作所は約150台の工作機械を擁するという)。

    森社長は、「メーカーが製品の良さをアピールするより、お客様自身がいろいろと説明することによって、より説得力のある商談を行えるようになってきている。今後は2ヶ月毎くらいにお客様の工場で展示会を行っていきたい」とも示唆した。

  • ユーザー通信 214号:立花エレテック 上期決算発表 減収減益も「好調期のなかの減速期」

    立花エレテック 上期決算発表

    減収減益も「好調期のなかの減速期」

    電機・電子技術商社のリーディングカンパニー、立花エレテック(本社=大阪市西区)は11月8日、2020年3月期第2四半期(2019年4月1日~9月30日)の連結業績を発表した。

    米中貿易摩擦の長期化で中国市場が大きく落ち込むなか、国内経済にも景気の減速感が高まっている市況下、売上高は838億3300万円(前年同期比7・1%減)、営業利益は30億2100万円(同6・4%減)、経常利益は31億5700万円(同11・7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は22億4200万円(同7・6%減)の減収減益となったが、渡邊武雄社長は、「好調期の中の減速期」と表現した。

    セグメント別に前年同期比で見れば、FAシステム事業が売上高で7・4%減の489億1300万円・営業利益で6・9%減の21億4400万円、半導体デバイス事業が売上高で13・6%減の239億3千万円・営業利益で31・5%減の6億2200万円と、主力2事業であるFAシステム事業と半導体デバイス事業が影響を受けた。

    このうちFA機器分野では、国内建設需要の好調を受けて配電制御機器は堅調に推移したものの、半導体製造装置、電子機器組立て関連が冷え込み、セットメーカーの設備投資が大きく低迷したことにより、プログラマブルコントローラー、インバーターが低調に推移、また産業機械分野のレーザー加工機および製造ライン向け自動化設備も減少した。
    半導体デバイス事業も同様の背景から低調に推移したが、施設事業は首都圏では再開発案件や物流施設、関西では病院施設やインバウンドによるホテル需要が増加するなか、要員の先行投資による対応力の面で成果が現れ、業績は拡大した。

    ほか、MMS(メタル・マニュファクチャリング・サービス)分野は部材加工品が大きく伸長し、なかでも立体駐車場向け金属部材および流通向けラックビジネスが大きく寄与し、さらにEMS(電子機器受託生産)分野はプラットホーム可動柵の案件が好調に推移した結果、その他事業全体の売上高については、前年同期比15・9%の増加(23億9千万円)となった。

    なお、通期の連結業績予想については公表済みの、売上高1830億円、営業利益67億2千万円、経常利益70億6千万円、親会社株主に帰属する四半期純利益48億6千万円を据え置いた。

  • ユーザー通信 214号:三菱電機 西日本のレーザー・放電加工機需要は前年同水準で推移

    三菱電機 西日本のレーザー・放電加工機需要は前年同水準で推移

    三菱電機は11月19~20日の2日間、兵庫県尼崎市の西日本ソリューションセンターにて、「メカトロニクスフェア(MMF) 2019 in 西日本」を開催し、目標としていた、放電加工機・レーザー加工機等の受注・成約・内示(5億円)を達成した。

    会期初日の午前には、同社FAシステム事業本部の氷見徳昭産業メカトロニクス事業部長、三竹宏メカトロ事業推進部長、関西支社の山本雅英産業メカトロニクス部長が出席し、産業メカトロニクス事業の概況説明が行われた。

    このなかで西日本を統括する山本部長は、「前年度比で3割減ほどで推移していると感じているなか、今期前半は放電、レーザー加工機については前年とほぼ同水準であり、レーザーでは建築部材の鋼材加工向けを中心に、また放電では高いシェアのバックアップにより、比較的、健闘しているといえる。商談に長期化の傾向があるが、これはお客様の資金繰りの悪化ではなく、この状況の様子見の段階だと思われるため、こういった展示会や企画等で導入意欲を促進していきたい」と直近の市況を語った。

  • ユーザー通信 214号:安田工業 青少年の健全育成で地域貢献 『YASDA 少年サッカー大会』開催

    安田工業 青少年の健全育成で地域貢献

    『YASDA 少年サッカー大会』開催
    ————- 待望の3年ぶり開催に10チーム参加し賑わう———–

     

    安田工業(本社=岡山県浅口郡里庄町、安田拓人社長)が主催する少年サッカー大会(U‐12)第4回『YASDAカップ』が11月10日、岡山県浅口市の寄島三ツ山スポーツ公園で開催された。

    大会の目的は、同社として「地元に何か貢献できることはないか」との考えから実施に至り、2016年に第1回を開催した。しかしその後は、17・18年と2年続けて台風の影響により、残念ながら中止となっていた。

    そんななか、今年は見事な晴天のもと3年ぶりの開催が実現。午前9時から終日にわたり、全10チーム(里庄FC、鴨方SSS、金光JSC、笠岡FC、笠岡中央SS、井原FC、矢掛FC、芳井SSC、アルコバレーノFC、ラファーガFC)参加のもと、予選リーグに続き、順位決定戦が行われた。

    その結果、矢掛FCが優勝。準優勝は井原FC、第3位が鴨方FCの上位順位となった。また個人表彰(監督推薦)では、最優秀選手賞には矢掛FCの佐藤旬くん(小学6年生)が選出され、各チームからそれぞれ1名の優秀選手賞10名が選ばれ、表彰された。

    将来のリクルーティング? にも馳せる思い

    大会事務局を務めた安田工業の大室成弘総務課長は、「私は人事担当(採用)でもありますので、5年後か10年後かは分かりませんが『YASDAカップに出場しました!』という子が、当社に応募してきてくれたら、こんなに嬉しいことはないと思っています。私の密かな楽しみにしております」と後日談を披露し、こういった形での地域との繋がりに思いを馳せていた。

    なお、安田工業は「地域貢献・青少年の健全育成」という意味ではほかにも、遊びのオリンピック『WAZA‐One GP』(ワザワン グランプリ)に設立協賛企業として、「ものづくりの危機を感じている地元の技術系企業」のホーコス、ローツェ、キャステム、アドテックプラズマテクノロジーとともに名を連ねている。

    子どもたちに活力高揚の場を提供することが重要と考え、遊びの技を競う世界大会を日本で行なうことを提唱し、10年以上実施されているワザワンGPは、5種類(紙ヒコーキ、ベーゴマ、めんこ、ビー球、紙とんぼ)の昔ながらの遊びで技を競う。

    福山市のビッグ・ローズ(広島県立ふくやま産業交流館)を会場とするワザワンGPは、2020年は1月26日(日)の開催を予定している。

  • ユーザー通信 214号:日本アイ・ティ・エフ、コーティングセミナー

    日本アイ・ティ・エフ、コーティングセミナー
    「DLCならアイ・ティ・エフ」に自負 ―― 大原社長

    芝原氏(前社長)・菅沼氏(前常務)両顧問らが3テーマを講演

     

     

    日本アイ・ティ・エフ(本社=京都市南区久世殿城町/以下、ITF)による年末恒例の「コーティングセミナー」が11月8日、大阪市北区の梅田スカイビルにて開催され、ユーザー、商社、関係者ら90名が参集した。

    タイトルの英文表記は今回も、「Catch the Stars of Stars!」を3年連続で踏襲し、今年は「パイオニアだからできること」と訳すなか「3本立て」の講演が催された。

    その講演に先立ち、あいさつに立った大原久典社長の話もまた、「4本目の講演」かと思えるほど、端的に同社コーティング技術の歴史、経緯そのものがわかる内容となった。

    大原社長はまず、「今年6月に芝原前社長からバトンを受け、ITF設立以来8代目、令和初の社長に就任し、身が引き締まる思い」と前置きしたうえで、住友電気工業(親会社)からの出向で1985(昭和60)年のITF設立から当初4年間にも携わっていた大原社長は、「20人中の一技術部員として、久世の地でコーティング装置と格闘していた」と立ち上げ当時を振り返った。

    続けて、「当社は昭和末期に誕生し、平成の30年間を経て『DLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)コーティングならITF』とのポジションを築けた。当時はこのようになろうとは思いもしなかったが、90年代に開発していたDLCが日産自動車に採用され、クルマの燃費を向上させたことが、2000年代初頭の非常に大きなトピックだった」と述懐した。

    そのうえで、「当時は水素を含んだDLCが主流だった。そこに水素を含まないDLCを開発、登場させてから16年経つが、現在でもITFの主力商品であり、特に工具と金型における長寿命化には、かなりの自負がある」と続け、「このように、製造ラインの原価低減や製品の差別化、高性能化に寄与するコーティングの進化は、ユーザー様の知恵と声を反映させ、成長してこれたからこそであり、日頃のご愛顧に感謝したい」旨述べた。

    そして本題の講演では第一部として、前社長の芝原和人特別顧問による「『仕事の流儀』と『目指した会社』」、また前常務の菅沼直敏常任顧問による「グローバル化の名の下に(海外駐在員のエトセトラ)」をテーマとし、両顧問各々の経験や知識に基づいた内容が語られた。

    「新しい職場は2年間で卒業」(芝原氏)

    ITFの社長を8年間務めた芝原氏は、「親会社(日新電機)で8回、ITFで4回、計12回の異動経験を持つ」という。そんななか、入社以来40年で培われた仕事の流儀として、概ね、「新しい職場は2年間で卒業」、「『決める』ことが非常に大切」、「「その次は、その次はと『考えぬく』習慣」等を挙げた。
    「最初の事業部とITFを除けば、各部署には約2年の滞在だった。これだけ異動すると2年で部署を変わることに慣れてくる」。
    1ヶ月目は職場の様子を観察、2ヶ月目は実際に考えたアイデアや仕組み(会議の中身や進め方)を試す、3ヶ月目にどんな職場・組織に仕上げるかを描く、4ヶ月目には実行し、2年後に良い職場にして卒業・・・と事例を示しながら、「終わり方を決めないと卒業できない。自分がいなくても組織が活性化した状態が継続できるには、人の育成、組織の成長は欠かせない」などを説いた。

    「グローバリゼーションの本質」(菅沼氏)

    続いて、職歴の中で海外関係の仕事に携わる機会が多かった菅沼氏は、海外駐在員のエピソードなどを交えながら、「グローバリゼーションの本質がわかって説明されるケースとそうでない場合がある。グローバル化には必ず何らかの制約があるとの前提が理解として必要」と強調した。
    加えて、「現地で『いい顔』をして安請合を連発する」、「聞きかじった部分、自分が理解できた部分、そんな重要でない部分を報告書に書いたりする」、「『ああいうお客様をもっと増やせ』という」、「『ここはいいところ』と駐在員の前で連発」等々を、「日本からの出張者に時として悩まされる」こととして紹介した。

    DLC膜の最新応用と可能性―「未来の自動車部品」のターゲット

    さらに第二部として、同社技術開発部 執行役員の三宅浩二氏が「DLC膜の最新応用と可能性」をテーマに、DLC膜の特徴と製法、DLC膜の自動車部品や機械・工具・金型などへの応用展開、最新のDLC応用技術、生産技術改革などについて解説した。

    このうち、最新のDLC応用技術では、「未来の自動車部品のターゲット」として、電動車両部品においては、軸受(すべり、転がり)、ギア、電動ウォーターポンプ、水素摺動部品が電動化に伴い、従来より厳しい、新たな摺動環境におかれ、また「電装部品の小型軽量化、高出力・高効率、EV化により使用条件がますます過酷になり深刻化するといわれている」ことから、ベアリングへやギアへのDLC膜適用、DLC膜による水素脆化抑制、ローラー試験での摩擦係数の比較等々への取り組みなどを説明した。

  • ユーザー通信 214号:ゲート型ICタグ読み取り機にみる「現場のデジタル化」

    シリーズ 他業界の注目

    ゲート型ICタグ読み取り機にみる「現場のデジタル化」

    物流業界で存在感増す『エフテクトゲート』

    トラスコ中山では、物流センターのプラネット埼玉(幸手市)に最新鋭の物流ボット「バトラー」を導入、また、高密度収納システム「オートストア」をプラネット北関東に続く2拠点目として導入し、10月1日から本格稼働している。

    2023年末までに在庫52万アイテム保有を目指し、物流センターの高密度収納・高効率出荷を実現するためだ。

    その物流業界では、「UHF帯RFID」市場(RFID=Radio Frequency Identifier)への注目度が非常に高く、需要も続伸している。

    いわゆる「ICメモリに格納されるID/製品情報を無線で読み取り、管理を行うシステム」で、バーコードに代わる次世代技術として物流分野のほか、交通系ICカード(SuicaやICOCA)への活用といえば身近に感じられる。

     

    そんな「自動認識」の世界で日増しに存在感を高めているのが、㈱エフテクト(千葉県習志野市茜浜3‐6‐3、社長=芝本学氏、電話=047‐408‐1333)の主力製品、UHF帯RFIDに対応したゲート型読み取り機『エフテクトゲート』だ。現在、国内外のアパレル物流センターでの入出荷業務効率化のため、200台以上が活用されている。

    エフテクトゲートは、汎用の物流什器Zラック(洋服をかけたまま保管や移動が出来る什器)やカゴ車といった物流什器に商品を載せたまま、ゲート内を通過させるだけで入出荷されるICタグ付きの製品情報を一括で読み取ることができる。そのうえ、可動式のため、運用レイアウト変更等においても設置場所を問わない点などが高く評価されている。
    エフテクトゲートは、現運用をほとんど変えることなく、UHF帯RFIDでの物流業務を可能にした初めての「トンネルゲート」型であることが特異だといえる。また、その製品バリエーションも多岐にわたる。

    フリーローラーを標準装備し、省スペース化した『エフテクトゲートイーライト』、作業用のワゴンや机に乗せ使用できる『エフテクトイージー』、検品台タイプの『エフテクトシーデスク』、棚卸用『エフテクトインヴェントワゴン』に加え、今年9月に東京ビッグサイトで開催された「自動認識総合展」では、新たに省スペース設計の『エフテクトイージーブレッド』をリリース、さらにはフラッグシップモデルの後継機となる『エフテクトゲート インフィニティ』を発表した。

    これを本紙読者のような業界外の人たちに対し、「RFIDの活用背景とは? どのような実態であったか?」を端的にしか表現できないのだが、初期のRFID活用システム自体はアパレル業界での店舗棚卸作業での活用例が多く、物流現場においての活用では課題が多いことから、採用が難しかった。その課題解決にいち早く取り組み、RFIDによる業務高効率化を実現したのがエフテクトだ。

    いま、製造業でも「現場のデジタル化」がエポックシーズンを迎えているだけに、物流業界におけるこの注視すべき先例をここに共有したい。【※7面に関連記事】
    (本号が2019年の納刊となります。本年もご通読いただき、誠にありがとうございました)

  • ユーザー通信 214号:デジタル加工の現時点(前編) サンドビック・コロマント デジタル加工製品担当 河田洋一氏インタビュー

    デジタル加工の現時点(前編) サンドビック・コロマント デジタル加工製品担当 河田洋一氏インタビュー

    「工具メーカーではサンドビックが最も強力にデジタル技術にフォーカスしプッシュしている」
    新規投資(新工場・新ライン立ち上げ)には新規性のあるものを ―

    高まる「製造のデジタル化ありき」の機運

    センサ内蔵防振工具『Silent Toolsプラス』が日本機械工具工業会技術功績大賞受賞

    10月9日に開催された日本機械工具工業会の令和元年度秋季総会では各賞発表が行われ、サンドビック・コロマントの「Silent Toolsプラスの開発」が技術功績大賞を受賞した。その表彰式に登壇した河田洋一氏は、近年同社が強く押し進めている、いわゆる「デジタル加工製品」における、日本国内の専任担当者だ。「毎月2回程度は、全国何処かしらでセミナーや製品説明会を行っています」という河田氏に、今回は技術的な側面よりはむしろ、当事者として肌で感じている周知具合、認知度、浸透度合の「現時点」を話してもらった。

     

     

    ― そもそもサンドビックの「デジタル推し」が始まったのはいつ頃

    河田 2016年のJIMTOFから展示を含め本格的に開始しました。デジタル加工ソリューションを総称して『CoroPlus』(コロプラス)として、随時市場導入・展開しています。

    ― デジタル加工製品の範疇、定義とは

    河田 その定義は正直、難しい。ひと言では言い表せませんが、当社は工具メーカーなので、当然、デジタル技術を使った工具が中心になります。ただ、それだけではなくソフトウェアにもデジタル加工製品の定義を広げています。

    その意図するところは、ものづくりのスタートから終り(設計→工程計画→作業計画→製造物流→機械加工→検証)までの流れにおいて、トータルで効率改善の提案をすること。工具メーカーなので機械加工の部分がコアの領域とはなりますが、それだけではなく、その前後にも工具の関係する部分はあり、そこもカバーしましょう、その時にデジタル技術を使いましょう、ということです。

    ― 工程全体をカバーする理由

    河田 機械加工前後の工程にも、効率改善の余地はあるのではないかと考える中で、機械加工の工程だけを改善するお手伝いをしても、全体の改善効果としてはそれほど大きなものになりません。機械加工の前後もあわせて効率改善することで、トータルでより大きな改善効果を狙いましょうということです。

    機械加工前(設計・計画)段階のソリューションとしては、CoroPlusツールガイド、同ツールライブラリ、同ツールパスといった3種類のソフトウェアがあります。機械加工後の部分についても、現状では未発売ですが、ソリューションの提案をしたいと考えています。

    そして実際の機械加工の部分においては、工具にデジタル技術を応用したソリューションのひとつとして、今回、大賞を受賞したセンサ内蔵防振工具『Silent Toolsプラス』があります。

    ― そんなデジタル加工製品の日本市場への浸透具合、理解度は

    河田 認知度としてはまだまだです。展示会でも「デジタル切削加工って? 一体それはなんですか?」といった反応もまだ多いです。ただ、認知度は低いといいながらも、2016年当時と現在ではその中身は変わってきているのは確かです。

    この3年間で、少なくともIoTやインダストリー4・0といったキーワードについては、随分認知度が高まったと感じています。具体的にそこから何をすればいいのかとなると「まだ何をしていいか分からない」という方が少なくありません。

    ですが、随分と土壌は変わったと思います。3年前はデジタル加工に対する認知度も低く、ニーズもあまり実感できないケースが多かったのですが、いま、ニーズはあちらこちらにあるなと感じています。

    それは単に認知度が上がってきたのではなく、実際に日本の状況が変わってきているからです。労働人口の減少などが明確になってきているので、デジタルでも何でも使えるものは使って、補っていかなければいけないという空気が強くなってきました。

    それは必ずしも日本の製造業にとって好ましいことではないと思うのですが、こういった提案をするうえでは、追い風というか、市場の理解度は上がる方向に進んでいると感じます。

    ― 後押し進めるうえでのポイントは

    河田 デジタルといったぼんやりとした言葉だけが独り歩きしていて、具体性を持って捉えられていません。市場全体でのデジタル技術の認知度は上がりつつありますが、それと当社の具体的なソリューションが結び付いておらず、サンドビックがどんなソリューションを持っているのかという周知はまだまだなので、そこをこれからも引き続き説明していきたいと思います。

    ―日本の製造現場でのデジタル加工製品の必要性は向上する

    河田 そうなる雰囲気、空気は確実にあります。新工場や新ラインの立ち上げ時には必ずデジタル化、自動化、自律コントロールといったキーワードが上がっています。「新規投資には新規性のあるものを」加えたいという声は常に聞こえてきます。

    ― 日本以外の市場での浸透具合は

    河田 現状では日本は先進国の中では遅れを取っています。浸透具合が高いのは特にドイツを中心とした欧州です。通常の工具は世界同時発売ですが、デジタル関係についてはある程度マーケットを選択し優先順位をつけて導入しています。欧米が日本に先んじて導入されている点でも差が付いています。

    ― 同業他社の追随

    河田 他社ではまだセンサ内蔵工具などの製品化は実現していないと認識しています。もちろん他社様も新規性の高い製品を出されていますが、工具メーカーではサンドビックが最も強力にデジタル技術にフォーカスしプッシュしていると認識しています。

    (後編/2020年1月号へ続く)

  • ユーザー通信213号_7面:MECTの秋、ロボットの秋 ― 「欠かせない自動化、デジタル化」に来場者9万人超え

    MECTの秋、ロボットの秋 ―

    「欠かせない自動化、デジタル化」に来場者9万人超え

    「新たなロボットマシニング」など展開

    『メカトロテックジャパン(MECT)2019』が、10月23~26日にポートメッセなごや(名古屋市港区)で開催され、4日間で9万244人(国内88987人、海外1257人)が来場した。

    会期初日の正午からは開会レセプションが催され、主催者代表あいさつに臨んだニュースダイジェスト社の八角秀常務(『生産財マーケティング』誌編集長)は、「9月にドイツ・ハノーバーで開催されたEMOショーでは、デジタルツールと自動化の提案が花盛りという様相だった。数年前に比べ随分と実用化が進んできた印象を受けた」としたうえで、今後の日本の製造業について、概ね、次のように見解した。

    「これまでのFA業界は、極端にいえば、直接の顧客である生産技術の方々だけを見ていれば良かったのかもしれない。だが今後は、メーカーや商社が顧客の生産技術をいかに外部から多角的にサポートしていくか。設計開発、製造現場を含め視野に入れつつ、かつ、デジタル化、自動化と非常に幅広い視野を求められる。さらには、ピンポイントで個別の顧客の要求に叶う提案をしなければならない。こういった両立、責任がFA業界に課せられる時代になってきたと感じている」。

    続いて出展者を代表しあいさつと乾杯の発声に立った中村留精密工業の中村健一社長は、「ものづくりにおいてはなんといっても、生産性の低さをどう打開するかが唯一の生きる道であり、そのためには自動化は欠かせない。そういった意味では、投資の面も含め、我々のやることは山ほどある。その役に立てるような業界でありたいと願っている」と追随した。

     

     

    ロボット向け複合エンドミルを開発(イワタツール)

    そんななか、今回の『コンセプトゾーン』では、「中小必見! ロボットで現場が変わる」をテーマに、ロボットで描く新たな生産現場の可能性として、大別すれば4つの企画展示が繰り広げられた。

    このうち、愛知県のシステムインテグレーター(SIer)のトライエンジニアリングと安川電機による世界初披露の国産高剛性ロボット(MOTOMAN‐GG250)を使った切削加工システムが展示された。

    実機での加工前には、トライエンジニアリングの岡丈晴部長と、今回、ロボット向け工具を開発したイワタツールの岩田昌尚社長が登壇し、掛け合いでの解説を行った。

    まず、アルミの板材加工については、イワタツールがロボット用に開発した複合エンドミルにて、粗加工から仕上げ、面取り加工を1本で行った。

    「従来ならコーナーラジアスなどで加工するが、抜き加工を専用にすれば、突っ込む時に頭をドリルにしたり、粗加工、仕上げ加工、さらに面取り加工も1本の工具で可能に、また、びびり対策や面取りの際の加工負荷など、ロボット用にチューニングした」と岩田社長。

    また、おなじみの『トグロンハードドリル』を使い、焼き入れ鋼(SKD11・HRC60)に2・3㎜で深さ60の貫通穴をロボットで加工した。
    「今後、ロボットでこういった加工が増えるというわけではないが、現時点でここまでの加工がロボットで出来るという実証実験だと見てほしい」と続けた。

    小径穴あけシステム「MDS」

    さらに、イワタツールが開発した小径穴あけ加工システム『MDS』(マイクロドリルシステム)については、「小径になれば、残念ながらまだ揺れの問題等があるのだが、MDSはかなり高回転のスピンドルにZ軸の動きまでをひとつのユニットに収めた。これをロボットの先端に取り付けて、加工することにより、0・3㎜の穴加工ができ、例えば、長さ2メートルの大きなワークのあちらこちらに穴をあけることにも使える」と話した。

    補助作業連動「ロボットonロボット」

    一方、さらにおもしろい提案として岡部長が『ロボットonロボット』にも言及。切削用ロボットの先端に付いている主軸モータの隣に小型のロボットを配置し、親ロボットの切削加工を小型ロボットが連動し補助作業を行うもので、「切粉の集塵、切削油の給油、塑性変形加工時の過熱、研磨加工時の研磨剤塗布、その他さまざまな補助作業が可能」だという。

    これを受け岩田社長は、「最初にこのアイデアを聞いた時、驚きとともにすぐ思ったのがクーラントの供給だった。加工時に工具が変わると、本来はクーラントの供給位置や向きを変えたくなるものだが、マシニングセンタだと実際にはなかなか難しいことも多いし、加工途中での切削方向への給油方向を変える動きも要望したい」と課題をあげた。

    最後に両者は、「ロボットがここまで加工に使えるのだと、従来の常識的な概念を覆したい」(岡部長)。「確かに剛性や精度が一般的なマシニングセンタを超えるのは難しい部分もあるかもしれないが、大物加工で精度の許容によっては、十分、現時点でも切り替え可能だと感じている」(岩田社長)と、それぞれまとめた。

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