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  • ユーザー通信220号 5面抜粋-3:ローカル5Gで自律走行型ロボットを遠隔操作 DMG森精機 伊賀事業所で NTT Comと共同実験開始

    ローカル5Gで自律走行型ロボットを遠隔操作

    DMG森精機 伊賀事業所で
    NTT Comと共同実験開始

    DMG森精機とNTTコミュニケーション(以下、NTT Com)は、ローカル5Gを活用して、測域センサなどを用いた無人搬送車に人協働ロボットを搭載し、軌道レールなしに走行可能な自律走行型ロボット(以下、AGV)の遠隔操作などを行う共同実験を、今年5月からDMG森精機 伊賀事業所で開始している(実験期間は来年4月まで)。

    ローカル5Gは、携帯電話事業者による5Gサービスとは別に、地域の企業や自治体などが自らの建物や敷地内で5Gネットワークを構築し利用可能となる。

    「超高速」「多数同時接続可能」「低遅延」などの特性をもつローカル5Gを活用することで、高精細な位置情報・詳細な稼働情報取得による自動走行の精度向上や安全性向上、エッジコンピューティング側でのデータ処理負荷軽減による車体の軽量化など、AGVの高性能化への寄与が期待されており、両社は同実験を通じてその実現可能性を検討する。

    DMG森精機は、ユーザーが10年、15年と工作機械を使えるよう、計測、稼働監視、センシング機能などさまざまなデジタルソリューションを提供してきた。特に近年は変種変量・多品種少量生産の実現、また生産性向上、スキルの標準化など、ユーザーの生産現場が求められるニーズは大きく変化しており、自動化設備を検討されるユーザーが増えている。

    超高速・多数同時接続可能・低遅延な通信環境を実現するローカル5Gを用いてAGVの稼働実験を行うことで、同社製品の高機能化の実現に期待をしている。

    NTT Comは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて、工場を有するユーザーの課題を解決する「Smart Factory」を重点領域の一つとして推進している。

    その実現に向け、ローカル5Gが、データを価値あるものとして利活用するデータ収集・伝送機能における重要な技術であると捉え、活用ユースケースの蓄積を推進している。

    両社は、工場内におけるローカル5Gの電波特性などを検証することで、AGVの高性能化、ひいては生産現場自動化やDX推進に向けた可用性を検討する。

    ローカル5G活用により、高精細な位置情報・詳細な稼働情報を取得でき、自動走行の精度が格段に向上する。データセンタやクラウドなど、離れた場所で高負荷なデータ処理が可能になり、車載機器の軽減・車体軽量化を実現するといったメリットが期待される。

    同実験では、DMG森精機の伊賀事業所内における 28GHz帯の実験試験免許を取得し、ローカル5Gネットワークを構築することで、生産現場におけるローカル5Gの電波伝搬、通信品質を調査・測定するとともに、ローカル5Gを介したAGVの遠隔操作を試験する。

    実験項目(予定)は、①電波伝搬試験(受信レベルの測定や干渉状況の調査)②通信品質試験(遅延やスループット性能、パケット誤り率の測定)③アプリケーション試験(ローカル5Gを介したAGVの遠隔操作試験)▽AVGに対するローカル5Gの安定した通信可否の評価▽離れた場所で稼働するAGVの稼働状況の見える化。

    各社の役割は、DMG森精機は、▽実験場所の提供▽アプリケーション試験設備の提供▽アプリケーション試験の実施▽ローカル5G活用ユースケースの検討。NTT Comは、▽実験試験免許の申請、ローカル5Gの設備設計、構築、運用▽電波伝搬試験および通信品質試験の実施▽ローカル5G活用ユースケースの検討。

    今後について両社は、共同で本実験に取り組むとともに、確認された課題に応じさらなる検証を行うことで、ローカル5Gの本格導入に向けた検討を進めていく。

    また、本実験を通して、複数のAGVや設備を繋げて工場全体のデジタル監視を行うなど、より高度な生産改善が可能な製品開発やソリューション提供の実現を目指す。

    加えて、NTT Comは、より広範なニーズに活用できるようなローカル5Gのサービス化についても検討を進めていく。

  • ユーザー通信220号 5面抜粋-2:DMG森精機 工作機械にニコンの非接触レーザースキャナー搭載開始

    DMG森精機

    工作機械にニコンの非接触レーザースキャナー搭載開始

    DMG森精機(本社=名古屋市中村区、森雅彦社長)とニコン(本社=東京都港区、馬立稔和社長)は、昨年(2019年)11月に包括的な業務提携を行うことで基本合意し、その後、今年(20年)3月に正式契約を締結した。

    今回、この包括的な業務提携の一環として、ニコンの非接触レーザースキャナー『LC15Dx』をDMG森精機の工作機械に搭載することが決定し、両社は売買契約の締結に関し基本合意した。

    ニコンの非接触レーザースキャナーLC15Dxは高性能データ処理機能の搭載により接触式の三次元測定機と同等の精度で、さらに高速に多点測定をすることが可能であり、タッチプローブでの測定が困難な小寸法や複雑な形状の被検物など、さまざまな部品を非接触で効率よく測定することができる。

    DMG森精機は独自の非接触機上計測システムにこのLC15Dxを組み込み、オプションとして一部の工作機械に搭載し、今秋より販売を開始する。

    航空機や建設機械、エネルギー産業向けの大型ギヤやタービンブレードの計測・測定に最適で、加工工程の改善、加工精度の向上に貢献する。搭載機種は順次拡大予定。

    DMG森精機と光利用技術と精密技術をコアとし幅広い技術力を持つニコンのそれぞれのリソースを組み合わせることでシナジーを創出し、DMG森精機とニコンはともに、革新的なソリューションをユーザーに提供していく。

  • ユーザー通信220号 5面抜粋-1:セコ・ツールズ あらゆるニーズに対応するSECOのツールホルダ

    セコ・ツールズ

    あらゆるニーズに対応するSECOのツールホルダ
    個別の加工ニーズに合わせて設計した選択肢をさらに拡大

    セコ・ツールズ(ジャパン本社=東京都大田区)は、ツールホルダのラインナップを拡大してユーザーのニーズを満たす方法を常に模索している。

    セコ・ツールズは2000年に、ツールホルダ、ボーリングヘッド、防振ツールホルダの設計と製造に幅広い経験を持つ、フランスのツール保持システム会社・EPB社を買収した。

    EPB社のリソースを得たことで、セコ・ツールズは特定の機械加工用途に合わせて設計した多種多様なホルダを提供できるようになった。

    たとえば、各種ゲージ長やノーズプロファイルに応じて異なる焼きばめ工具オプションを提供している。

    HD焼きばめチャックは、重粗加工用途向けの設計。DIN焼きばめチャックは、品質が最優先される中仕上げ加工や高速切削加工の仕上げに最適。M&D(金型)焼きばめチャックは、金型や航空宇宙製造業で一般的な深いキャビティでの仕上げ加工や中仕上げ加工に合わせて設計されている。

    同様に、ERおよびHPコレットチャックを提供しており、一般的な汎用タイプのERチャックはひとつのチャックに異なるサイズのコレットを装着することで、さまざまな工具径に対応する。HPコレットチャックは、高速仕上げ加工や軽粗加工の用途で被削材面を美しく仕上げるように設計されている。

    ホルダの制振効果によって加工機械の振動を最小限に抑え、コレットを交換するだけで直ちに加工を再開できるため、工具の破損への対応が容易になる。

    重切削加工では、あらかじめバランスが取られたセコ・ツールズのパワーフライス加工チャックが効果的である。切り屑除去率が向上し、焼きばめまたはウェルドンホルダの代替として使用できる。導入しやすく、縮小スリーブを使って異なる工具径を保持できる。

    また、延長スリーブによるさらに幅広い工具保持性能を提供する油圧拡張チャックは、3×D 5、μm未満の揺れを達成し、高速切削加工に合わせた緻密なバランス取りを施しており、一体型のオイルリザーバが制振性能を発揮し、表面品質を最適な状態に保つ。

    総生産コストの「2%未満」ではあるが・・・

    ツールホルダのコストは総生産コストの2%未満でしかなく、コストを半減できたとしても大した節約にはならない。一方で、被削材の廃棄や工具の破損は明らかに財務に影響する。高品質な工具とホルダを使用することで、金属切削の生産性が向上し、短期間で工具投資を回収できる。特に、機械加工プロセスの安定性が最優先される航空宇宙部品製造などの業界では、欠陥部品の発生を抑え、トラブルシューティングや生産停止で時間を浪費する事態を回避するために、多くのメーカーが高品質な工具の導入を重視している。航空宇宙メーカーでは、新しいホルダコンセプトを生産工程に実際に導入する前に、長い時間をかけて検証するのが常である。

    機械加工作業にもたらす生産的な貢献を強化

    このように機械加工工場は、加工システムにおけるツールホルダの重要性を理解する必要があり、また、具体的な加工工具、加工戦略、被削材に適したツールホルダを選択することで、いかに生産性の向上とコストの削減を実現できるかを把握する必要がある。

    ツールホルダメーカーは、個別の加工ニーズに合わせて設計されたホルダの選択肢をさらに拡大している。改善は、ホルダハードウェア自体に留まらず、ソフトウェアやRFIDタグを使った工具管理は、データに基づく製造の一要素として普及が進んでいる。

    最新のツールホルダ技術には、ホルダにかかる力をリアルタイムでモニタリングできるセンサ搭載ホルダなどがある。収集されたデータに基づいて、作業中に機械加工パラメータをオペレータが調整したり、機械制御装置とリンクされたAI(人工知能)が自動調整したりすることが可能であり、こうした新たな技術は、ツールホルダが機械加工作業にもたらす生産的な貢献を強化する。

  • ユーザー通信220号 4面抜粋:DMG森精機 20年度1Q決算説明をオンデマンド配信 新型コロナ影響下での世界の勤務状況にも言及

    DMG森精機

    20年度1Q決算説明をオンデマンド配信
    新型コロナ影響下での世界の勤務状況にも言及

     

    新型コロナウイルス感染拡大の影響により、国内外での決算業務に遅延が生じることを踏まえ延期されていた、DMG森精機の2020年12月期第1四半期決算が5月28日に発表され、同日夕方より、森雅彦社長による決算説明会が同社ホームページ上にてオンデマンド配信されている。

    連結経営成績は、売上収益873億円(対前年同期比27・6%減)、営業利益33億円(同68・6%減)、税引前利益13億円(同85・7%減)。

    通期業績予想については、元々、受注4200億円、売上収益4千億円、営業利益200億円としていたが、EU、米州、中国、東南アジアなど同社の主要事業地位においてビジネス上の渡航制限などが解除されること、また、新型コロナウイルスに対するワクチンなどの開発が進み、現状以上の混乱が生じないことを前提とし、「売上で3200~3400億円、営業利益を50~100億円」へと修正した。

    森社長は▽全社受注783億円(前年同期比34・3%減)▽1台あたりの受注金額前年度比8%増▽損益分岐点引き下げ(当初3500億円から3100~3200億円へ)▽クレジットライン拡充・4月末 3404億円(3月末 2853億円)▽デジタル化促進▽オンラインセミナーの拡充(ユーザー向け、社員教育)▽デジタルショールーム、デジタル立ち合いをハイライトとして挙げ、経営施策の中では、新型コロナウイルス感染拡大に伴うグローバルでの勤務状況にもふれた。

    現在、販売・エンジニア・サービスでは、ドイツが56%、日本(東京)が74%、アジアが63%、欧州・中近東・アフリカが68%、中国は最も回復が早く95%、米州が66%。生産拠点に関しては、ドイツで82%、日本は100%、イタリア・ポーランド・ロシアで68%、中国(天津工場)では92%、アメリカ(デービス工場)では73%が、在宅勤務ではなく出勤している旨言及した。

  • ユーザー通信220号:3面抜粋-2 DMG森精機 5G活用のデジタルファクトリー実現に向けKDDIと共同検討開始

    DMG森精機
    5G活用のデジタルファクトリー実現に向けKDDIと共同検討開始
    伊賀・東京の拠点に5G環境を構築

    DMG森精機とKDDI(本社=東京都千代田区、髙橋誠社長)は、第5世代移動通信システム「5G」を活用したデジタルファクトリーの実現に向け共同検討、および共同実験を5月21日から開始している。

    両社は、製造業全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を強力に推進すべく、今年4月にDMG森精機 伊賀事業所(三重県伊賀市)、7月に東京グローバルヘッドクォータ(東京都江東区)に5G環境を構築。2拠点で、高速・大容量、低遅延の特性をもつ5Gを用いて、ユーザーの生産性向上に貢献するソリューション開発をさらに進めていく。
    同実験では、工作機械内部のカメラ画像をもとに、切りくずの堆積場所と堆積量をAIが推論し、洗浄経路を自動で生成計算することで切りくずを最適に除去する、DMG森精機の新技術「AI切りくず除去ソリューション」に5Gを導入する。

    今後の取り組みとしては、2拠点の5Gを活用することで、工作機械内の画像だけでなく、各種センサー情報などの大容量データをリアルタイムに収集し、より正確なユーザー状況の把握が可能となる。この情報を活用し、機械性能を最大限に発揮するための技能向上ソリューション開発を両社で目指す。

  • ユーザー通信220号 3面抜粋-1:DMG森精機 奈良商品開発センタを新設 グループ最大の最先端研究開発拠点に

    DMG森精機
    奈良商品開発センタを新設(22年春)
    隈研吾氏が建築デザイン、グループ最大の最先端研究開発拠点に

    DMG森精機(本社=名古屋市中村区、森雅彦社長)は、JR奈良駅前(徒歩1分)に「奈良商品開発センタ」を新設する(奈良市三条本町1002番)。DMG森精機創業の地である奈良に、新たにデジタル・トランスフォーメーション(DX)構築と先進技術のための開発拠点として、2022年春の開設を予定している。

    奈良商品開発センタは、5Gを使ったデジタル通信技術、AI、クラウドコンピューティング、デジタルツインなどのテクノロジーを用いたデジタル化およびコネクティビティを含むDX構築を行い、DMG MORIグループ最大の最先端研究開発センタとなる。

    さらに、工作機械の要素技術、次世代複合加工機、Additive Manufacturing機、自動化システム、ビジョンカメラを使った非接触計測システム、次世代の切りくず・クーラント・ミスト処理装置などの工作機械および周辺装置とそれらに搭載される制御ソフトウェア他、最先端のイノベーティブな開発実験を行う。

    また、オフィスフロアのほかに、1階・2階には機械、要素技術開発の実験センタ、6階には300席のカンファレンスセンタ、レストラン、カフェを配置する。京都・大阪・奈良の学生インターンシップの受け入れに加えて、電気、通信、エレクトロニクス、組込ソフト、コネクティビティ、ロボティクス、センサー分野からの経験者採用や同分野の技術者との交流を推進する拠点となる。

    敷地面積は3624・65㎡。建物のデザインは建築家の隈研吾氏に委託。 また、メインエントランスはDMG森精機の先進の金属加工技術により、有機的な木目柄に切削されたアルミ材を用い、ヒューマンスケールで温かみのあるオフィスで、古都奈良と調和する建築をコンセプトとしている。

  • ユーザー通信220号 1面-2面:モノづくり・社員・設備 愛知・岡崎で『粋』揚々! 鈴木工業

    モノづくり・社員・設備 愛知・岡崎で『粋』揚々!
    鈴木工業

    「群を抜いた設備力」に国内外からの工場見学絶えず

    夜の愛知県岡崎市洞町では、南北に貫くメイン道路沿いに、全面ガラス張りの建物が間接照明に映える。
    「思い入れのある設備ばかりなので、外から見えるようにした」と話すのは、鈴木工業の鈴木貞晴社長。

     

    スタイリッシュな「工場に見えない工場」

     

    従来、日本の工場のイメージといえば、グレーや濃緑といったカラーが支配するが、そういったイメージを打ち破るスタイリッシュな「工場に見えない工場」だ。しかもそれは魚市場の敷地内にある。

     

    鈴木社長は、「工場なので、こういうデザイン(黒づくめ)にしなくてもよかったのだが、どうせつくるなら、コストもさほど変わらないので、洗練されたデザインにした」と続ける。

     

    3年前に同地に本社を移した鈴木工業は、輸送車両関連資材・住宅関連資材・通信関連機器等の精密板金加工、各種試作(絞り)、各種製缶、機械加工を手掛け、岡崎市に旧本社工場の額田工場、同第2工場と合わせ3工場を持つ。

     

    鈴木社長が二代目として就任し7年余。売上高も従業員数も倍以上となり、会社にかなりの変革をもたらせた。その経営理念を表す文字は『粋』。「粋」なモノづくり、「粋」な社員、そして「粋」な設備。

    鈴木社長によれば、自社の特長として最も強調すべきは「設備力」であり、周辺地域では群を抜いた設備群で、愛知県はもとより、全国に点在する精密板金工業会やシートメタル工業会といった団体が、他県より工場見学に頻繁に訪れている。

    同社は、レーザーマシンやレーザー溶接、パンチ・レーザー複合機、ベンディングマシン等々を複数台、機種によっては30台弱設備する。なかでも、発振器9kW仕様のファイバーレーザー加工機は、愛知県に2台しかない希少な機械で、鈴木工業ではシステムアップし夜間自動連続運転を可能にしているなど、アマダ製の超ヘビーユーザーだ。

    通常時は、「1ヶ月で1万種類の製品をつくる」工場の見学には、アマダを介して、中国や韓国、最近ではインドといった海外からも来訪も多い。

    「メーカー様(アマダ)の展示会場に行って機械を見るよりは、実加工をしている現場で、問題点や課題など、様々な生な声が聞ける」と好評であり、「そういった意味でも、そこそこ知名度が上がって良かった」と自負する。

    これだけの設備群を揃えたのは、「私は基本、お客様の要望に必ず応える。仕事は絶対に断らない。正直、やれない案件、手掛けたことのない仕事もあったが、ひとつ返事で『やれますよ』と回答する」との信条による。

    「金額云々ではなく『やるか、やらないか』、そこからどうしていくか考えて、全てこなしてきた。それが自分たちのノウハウになり、自信になる」。

    従業員の平均年齢は30歳台前半と非常に若くパワーがある。

    「ものづくりなので設備は不可欠。お客様に対して設備がないとはいえない。どんな仕事が来てもオールラウンドな体制づくりで今に至っている」。

    設備力と対応力、「そのうえで低コスト、さらにデリバリーまで行う」ことから、「逆にいえば、お客様にとってはメリットしかない」と鈴木社長は胸を張る。

    そんな中、7月1日着工で近隣に新工場を建設する。完成は今年11月末だ。

     

    新工場着工で溶接・大型粉体塗装需要に臨む

    本社工場が、「私が計画なしに設備を入れるものだから、手狭になってしまって」と苦笑する鈴木社長だが、新工場では溶接に広く場所を確保し、さらには塗装を手掛ける。

    「いま、塗装の需要がかなり多い。周辺に塗装業が少ないこともあるうえ、塗装の取引においてはなぜか、上下関係について古くからの慣習もあり、営業に出れば、塗装の需要が食い付いてくる」。

    塗装の中では大型立体物(長さ4500㎜×幅2500㎜×高さ2500㎜)の粉体塗装、溶剤ブース、焼き付け乾燥等を行う。また、「配電盤で弱いといわれるのが下処理。この近辺では対応できる事業所も少ないので、リン酸亜鉛被膜が優先的に取っていく仕事。そこを設備し、営業ツールとして使っていく」と挙げる。

    塗装単体のみならず、塗装から板金への需要喚起にも期待を寄せ、「現状では年間約3千万円を塗装だけで外注しているので、その取り込みと、物量をさらに増やしていけるトータルを考えれば、お客様にとってメリットのあるコストを提供できる」と見ている。

    「ものづくりに正解はない」柔軟な対応力

    同社の年間投資額は、「少し前までは必ず売上高の6%と決めていた」ものの、現在は先行投資が結構上回っており、人材についても昨年だけで12名採用している。

    「ひと昔の前の設備と今の設備では、ものが全く違う。それほど優れているので、投資する価値は十分にある。その最たるはスピードと自動化、つまり生産性。設備が違えば物のつくり方がガラリと変わるので、柔軟に変えていかなければならない。ものづくりに正解はない。昔の常識なんてぶち破ればいい」。

    鈴木社長は新たな設備導入にあたり、その動機や決め手を「実は、そこまで深くは考えていない」と前置きしつつ、「さまざまな加工を行う上で、既設の機械と特色が同じような、系統が同じような機械は購入しない。あとはもう『直感』。私は購入が早い。これだなと思えばすぐに買う」とふれる。

    そういったなか鈴木工業では、一部、マシニングセンタ(以下、MC)も設備している。昨年、OKK製立形MC『VM76R』を導入した(額田)。

    同社では元々、少量ながらも自社の板金に組み込むような切削物の仕事があり、これまでは外注していたが、どこかのタイミングで切削加工も手掛けたいと考えていたところ、折しも、「切削工場経験者を迎え入れたこともあり、このタイミングでMC、ワイヤカット放電加工機(アマダ製)、CNC高速細穴放電加工機(韓国・HANKOOK製)など、一気に、ひと通り切削マシンを揃えた」という。

    まだ稼働率としては限りなく低いのだが、設備が「ある」と「ない」では大違いであり、「たとえば北海道の事業所がネット検索で『この大きさは、ここならできる』と見つけていただけたり、どこでどう繋がるかわからない。会社として機械単体の償却とは考えず、グロスとしてプラスになれば、それでいい」と考える。

    とはいえ今では、部品加工の単品受注にも結構動きが出てきており、「このパイをどんどん拡張する」方針で、研磨含め、レベルの高い仕事は、「まずは中国とのパイプを活用している。資本力とマンパワーなどあらゆる規模が桁違いであり、中国の部品加工のレベルは、かなり高い」と説明する。

    「昨年末にかなり大口の仕事が入り、物理的に不可能と思えたが、このルートによって完遂できた。『なんとか、やってしまう』というところに当社の強さがある」。

    このような切削加工については、精度の高いものから引き受けて中国ルートでこなし、仕事量が増えてくれば自社内に人を増やし、設備を導入し、切削加工単体だけでも、結構なレベルに上げていく方向性は、新工場での溶接・塗装構想の先駆けともいえる。

    一方で、「生産は設備投資をすれば物量は増やせるが、困るのは設計」と案じる。現状、10名のCAD/CAM担当者が従事するなか、「2次元の紙図面から、3次元でのモデリングが必須というものづくりの仕組みづくり」への注力、邁進にも言及した。

    「当社の目指すところは決まっている。いまは新型コロナ禍の時期ではあるが、我々には目指すゴールがあるので、このような一過性の問題は全く心配しておらず、どんどん営業をかけ、市場を大きくしていくよう進めていく」という鈴木社長の姿勢は、まさしく「粋(意気)揚々」といえようか。

  • ユーザー通信219号 7面:ダイジェット工業 減収減益も切削工具新製品は22種発売、拡販・市場浸透に健闘

    ダイジェット工業

    減収減益も切削工具新製品は22種発売、拡販・市場浸透に健闘

    ダイジェット工業は5月12日、2020年3月期(第94期)の決算発表を行った。

    連結売上高は、前年同期比9・5%減の90億4600万円。収益面では売上高の大幅減少等により、連結営業利益は同52・8%減の2億1300万円、経常利益は同56・0%減の2億3600万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同61・1%減の1億5800万円の結果となった。

    このうち売上高については、国内販売が52億4千万円(前年同期比8・2%減)。一方、輸出は38億6百万円(同11・3%減)となり、地域別では北米向けが8億6100万円(同1・6%減)、欧州向けが10億1800万円(同13・6%減)、アジア向けが18億7400万円(同13・1%減)、その他地域向けが5200万円(同31・6%減)。この結果、連結売上高に占める輸出の割合は、前年同期に比べ0・8ポイント低下し42・1%となった。

    これらを鑑み同社では、「この間のわが国経済は、長期化した米中間の貿易摩擦等の影響による外需の低迷により、生産や輸出が弱含みで推移し、年度終盤にかけては新型コロナウイルス感染症の世界的流行により大幅に下押しされており、先行きは極めて不透明な状況にある」と概況を説明している。

    製品別で見れば、焼肌チップが前年同期比26・6%減の8億8千万円、切削工具が同5・1%減の69億2千万円、耐摩耗工具が同16・0%減の12億3200万円となっている。

    切削工具においては、新製品の市場への浸透を図り、ユーザーの加工改善につながる高能率・高生産性工具の提案を続け、ソリッドボールエンドミル『ハード1ボール』や「5軸加工用工具シリーズ」として高精度刃先交換式バレル工具『ミラーバレル』およびソリッドモジュラーヘッド『チューリップSヘッド』をはじめとした22種類の新製品を発売するなど販売の拡大に努めた。

    耐摩耗工具では、同社が注力しているレアメタル不使用の硬質金型新材料『サーメタル・CT500シリーズ』のMF-TOKYO2019(昨年7月/東京ビッグサイト)への初出展など、新規業界での採用や用途開発に積極的に取り組むとともに、成形金型の新規開拓にも取り組んできた。

    そういった中、今後の見通しについては、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受けた緊急事態宣言発令のもと、大規模展示会の中止や通常営業活動の停止、事業活動の自粛要請等が見込まれるが、「テレワークをはじめ、オフィシャルサイトや各種メディア、および当社販売店網を通じた新製品情報の発信等により販売活動を行うとともに、時差出勤や交代勤務などにより生産活動も可能な限り継続し、多くのお客様の生産性向上のニーズに、引き続き、応えていきたい」との考えを示した。

    なお、2021年3月期(2020年4月1日~2021年3月31日)の業績予想については、新型コロナウイルス感染症による影響を現時点において合理的に算出することが困難であることから未定とし、今後、業績予想の開示が可能となった段階ですみやかに公表するとしている。

  • ユーザー通信219号 7面:立花エレテック 減収減益ながらも連結では過去3番目の好業績

    立花エレテック

    減収減益ながらも連結では過去3番目の好業績

    立花エレテック(本社=大阪市西区、渡邊武雄社長)は5月14日、2020年3月期(2019年4月1日~2020年3月31日)の連結業績を発表した。

    売上高 1705億4100万円(対前期比6・7%減)、営業利益 60億3800万円(同8・5%減)、経常利益 64億100万円(同9・0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益 43億9千万円(同10・5%減)。

    単体、子会社ともに減収減益ながらも、連結では売上高、総利益、営業利益、経常利益は過去3番目の好業績であり、2月26日に発表した修正予想を上回った。

    施設事業は前年に続き過去最高業績を更新

    セグメント別では、FAシステム事業と半導体デバイス事業の主力2事業が減収減益となった。

    FAシステム事業は、中長期経営計画「C.C.J2200」の基本戦略に掲げた「地域のサービスレベルの均一化」への取り組みの徹底と、製造現場の生産性向上を実現するM2M(機械間通信)ビジネスを強力に推進した。しかし、半導体・液晶製造装置関連および自動車関連等の業界は、後半に見込んでいた回復が力強さを欠き低迷し、産業メカトロニクス分野も三菱ファイバーレーザー等の新機種需要はあるものの、自動車関連業界の低迷により低調に推移した。この結果、売上高は74億7700万円減、営業利益は6億2700万円減となった。

    半導体デバイス事業は、米中貿易摩擦の影響で海外・国内共に減少、ドライブレコーダー向け特需があったが、民生向け、産業向けともに減少し、売上高は61億100万円減、営業利益は3億1900万円減となったが、市場拡大を見据え、今年4月に立花電子ソリューションズ(旧・八洲電子ソリューションズ)を子会社化した。

    一方、施設事業、MS事業は伸長し、施設事業(売上高10億9600万円増、営業利益3億円増)は前年に続き過去最高業績を更新した。海外事業は米中貿易摩擦の長期化で大きく落ち込み(売上高7億2500万円減)、特に中国、香港が影響を受け、日系・ローカル顧客ともに減少し、海外事業売上高比率は13・6%となった。

    収益に見合うバランス経営で回復期に備える

    今期の環境については、新型コロナウイルス終息後の経済活動の回復について見通せない状況であり、消費と生産の停滞による製造業の設備投資低迷の影響は、上半期から下半期に掛けて続くものと概観する。

    そんななか、収益力に見合ったバランスのとれた経営に注力し、回復期に備えるため、マレーシア拠点の法人化による海外の業容拡大等「収益力の強化」、コロナ対策を機にIT化の推進を加速させ、バックオフィスの効率化を実現する等「収益に見合った支出」、M2M技術や3Dプリンタ等の新技術の蓄積に向けた投資を実行し、技術商社として「将来に向けた取り組みの実行と投資」といった施策をあげる。

    さらに、新型コロナウイルス感染拡大の収束に向けた長期戦において、「生命の安全」と「経営」のバランスをどうとるか難しい局面に直面するなか、危機管理体制のガバナンス強化、コロナ禍における打ち手を機を逃さず実行していくことを、今期のコロナ対策とする。

    なお、2021年3月期(2020年4月1日~2021年3月31日)の連結業績予想については、新型コロナウイルス感染症の影響が不確定であるため、現時点では未定とし、今後、業績予想の合理的な算定が可能となった段階で速やかに開示するとしている。

  • ユーザー通信219号 5面:<未収録 Playback篇>1月/TCT JAPAN 2020

    <未収録 Playback篇>オーエスジー

    1月/TCT JAPAN 2020

    ニコンの「光加工機」がDMG森精機のブースに初登場

    今年1月29日~31日、東京ビッグサイトにおいて、3Dプリンティング&AM(アディティブマニュファクチャリング)技術の総合展「TCT JAPAN 2020」が開催され、3日間で47692人が来場した。

    世界5ヶ国・地域からの出展者は過去最多の115社・団体を数え、国内初披露を含む最新の3Dプリンティング/AM技術・ソリューションが勢ぞろいした。

    そんな中、世界的な光学機器メーカーであるニコンは、昨年11月に包括的な業務提携を行うことで合意したDMG森精機のブースにて、レーザーによる様々な金属加工を高精度で行うことができる独自の光加工機『Lasermeister 100A』を展示した。

    同製品は昨年(2019年)4月にリリースした製品だが、ニコンブランドがDMG森精機のブースにて出展するのは今回が初めて。ニコンの説明担当者によれば、来場者からは製品に関する直接的な質問(性能や仕様)よりはむしろ、「(DMG森精機のブースに)なんで置いてあるの?」という素朴な問いかけが多いことが印象的だったという。

    Lasermeister 100Aは、「金属造形をより身近に、より手軽に」をコンセプトに、3Dアライメントによる段取りレスを実現し、面倒な位置決めを短縮し「手軽に使える」という点や、加工現場はもちろん、企業や学校の研究施設、一般的なオフィスなど様々な場所への導入が可能であり、エレベーターでの搬入も可能だという「軽量コンパクト」さ、さらに種々の安全規格に準拠しており、学生、デザイナーなど誰でも使える装置としての「安全設計」を主な特長とする。

    「フレンドリー感ある」金属造形装置

    取材当時、市場への普及台数は「まだ2桁には満たない」ものの、工作機械メーカーが手掛ける3Dプリンターとはまた違った「フレンドリー感ある」金属造形装置として、東京・六本木のTechShop(※今年2月末に閉店。3Dスキャナ、樹脂・金属3Dプリンター、UVプリンター、レーザーカッターなどを備える、世界各地に拠点展開する会員制ファブラボのアジア初上陸店舗だった)に導入されていた。
    前出の担当者は、「そういった裾野を広げるような部分と、ハイエンドな製造のボリュームゾーン担ったりと、AM業界自体全体をカバーしたい」と思いを述べていた。

    (※1月29日取材時点)

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